「『経済学っぽい』思考の欠如が日本をダメにする?」 | ||
含意は、「あれも、これも」ではなく「あれか、これか」を選択しなければならない時代には、『経済学っぽい』思考が必要になる、あるいは役に立つ、ということ。 前半は、経済学とは何か、というチョット講義風の話。このなかでは、「効率性」と「公平性」を峻別する議論の重要性が指摘された。後半は、こうした「経済学っぽい」思考から、現実の政策をどう考えるか、として「環境(グリーン経済)」「TPP」「製造業のイノベーション」「公共投資」などについて、お話しされた。 今回の税制改正についても、こうした「経済学っぽい」思考からすると、グローバル化の下で成長戦略と分配政策を切り離す(効率性と公平性を峻別する)、という世界的な流れに沿った一歩となっていることが、明らかにされた。 講演の詳細は、「日本再生」380号を参照。 |
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「2010年度 望年会を開催」 | ||
戸田代表の提起は、「日本再生」新年号一面に反映されています。 |
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「2010年望年会in京都を開催」 | ||
12月21日、京都市内で「2010年望年会in京都」を開催。
(福山哲郎・内閣官房副長官、松井孝治・参議院議員、徳永久志・参議院議員のそれぞれ秘書も代理出席された) |
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「〜政権与党としての1年をどう語るか〜民主主義のイノベーション―担い手の変更を」 | ||
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「政権運営の実績をいかに語るか」 | ||
これまで、与党議員・政治家の実績といえば「利益誘導」ということであったが、「政府のマネジメント」という形で実績を語れる与党議員が生まれつつあるということだ。大塚議員は、今後は議会の側から、自らが手がけた仕事の進捗をチェックしていく形で、与党として政府のマネジメントに関わることになる。内閣改造で副大臣、政務官が大幅に入れ替わったが、政務三役を経験した議員が、今度は議会の側から政権運営にかかわり、新しい与党のカタチを作っていくことになる(そこでの仕分けも始まる)。
はじめての政権交代は、いってみれば、何代にもわたって続いた同族経営会社が、粉飾決算を重ねた挙句に破綻した、それを引き継いだようなものである。債務の確定(本当は日本がどうなっており、どうなりうるか)を進めつつ、一方で、凍結できる債務をうまく凍結し、少しでも可能性のあるところに集中する、ということが破綻再生におけるマネジメントの要諦である。 |
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日本外交への視座 | ||
以前より何度か、中東問題の専門家としてお話しいただいたが、今回は政治家として、「外交とは何か」といった根本からお話しいただいた。 冷戦時代には「西側一員論」「日米基軸論」の思考停止でも何とかなったが、21世紀に入ってからの世界史的な構造転換の下では、カネの力を背景にした「全方位外交」ではいかんともしがたい状態が、あちこちで露呈している。 大野議員は、外交とは徹底したリアリズムであることを「武器を使わない戦争」と表現。絶対的正義は存在せず、常に連立方程式で動くなか、「溜飲を下げる」とか「毅然とした→こっちが正しい」といった枠組みで、外交を語ることが国益を毀損する危険性を、いろいろな角度から指摘した。 戸田代表の集約では、戦前、第一次大戦と第二次大戦との間の戦間、国際秩序が大きく変動する(英から米への覇権国移行など)なか、こうした変化を見誤り、ナショナリズムをあおって「ジリ貧からドカ貧へ」の泥沼に突入した誤りを繰り返してはならないと提起。現在も、中国の台頭に象徴されるような、パワーバランスの転換期にある。こうした時期に、外交をナショナリズムで扱うことの危険を、日本も中国も、歴史の教訓として、しかと肝に銘じるべきだ。 |
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第19回 関西政経セミナーを開催 | ||
有権者の熟考型選択(参院選の結果〜「民主党は政権交代の原点に立って体勢を立て直せ」)にいかに応えるか?をテーマに、3時間の長丁場が「あっという間」に感じるほど、密度の濃い議論が展開された。 まず、大阪選挙区の激戦を勝ち抜いた尾立源幸 ・参議院議員から。予算編成の過程では「委託費」や「補助金」を重点的に削減するような政治判断が問われている、
杉原卓治・記 |
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みんなの党が、めざすもの | ||
水野議員は自民党の衆院議員を4期、09年の総選挙で惜敗し、先の参院選で千葉県選挙区より、みんなの党候補として当選した。自民党では、党改革の中心メンバーとして活躍。当時から、渡辺喜美氏(みんなの党代表)とは政策的スタンスをともにしてきた。 水野議員は、みんなの党の躍進は、「民主党にはガッカリしたが、自民党に戻すわけにはいかない」という、有権者の消極的選択に一因があったとしたうえで、しかし、さまざまな「新党」の中で、みんなの党だけが躍進しえたのは (「新党ブーム」ということでは、日本新党を超える議席獲得)、あえて与党から離党して改革を掲げた渡辺代表に象徴される「覚悟」にあったのではないか、と分析。 「アジェンダ」という政策の思考性とともに、「誰が」訴えるのか、「誰が」訴えればメッセージ性、波及力を持つのか(or持たないのか)ということだろう。その意味では、水野議員にも何度かインタビューという形で登場していただいているが、やはり目の前でのお話は、ご本人の人柄から伝わってくるものがある。 今回の衆参の「ねじれ」は、与野党が熟議をしなければ何も決まらない、という絶妙な議席配分だ。言い換えれば、与党はもちろん、自民、公明、みんなも含めて、国会運営に責任を持つことが求められる。 戸田代表からは、みんなの党に期待する役割として、日本の近代史上はじめて「大きな政府か、小さな政府か」という、政府をめぐる(政府の経営規模をめぐる)論争軸が、有権者市場にはうまれつつあること。財政問題(消費税問題を含む)は、そのことがポイントであり、この意味を永田町にも反映させなければならない。そのための牽引役を、みんなの党には期待している。それができないと、次期総選挙・政権選択を政策の方向性に沿ったマニフェストで政権を選択する、という「まとも」なものにできないし、「まったなし」の財政健全化も、ここにかかっている、とのコメント。 |
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8年ぶりの上海 | ||
7月4日から8日まで、上海を訪問。前回は2003年春だから、8年ぶり。高層ビルがさらに林立するなど、街は大きく様変わり。 出発時には、「民主党は改選議席は確保」の情勢が、帰国してみれば「40議席ギリギリ」へと失速していた。
この日の夜は、上海交通大学法科大学院を院長として立ち上げた、元神戸大学の季衛東さんと、一年半ぶりに再会。ご活躍の様子をうかがうとともに、おいしい上海料理をごちそうしていただいた。(写真 右)
95年に、中国の環境問題のシンポジウムを開催したときには、環境問題に取り組んでいる人でも「汚染してからそれを回復するのは大変なことだ」ということに対して、「まずは経済成長しなければ、対策の費用もできない」と言っていたが、今回は「上流の汚染をいかに食い止めるか」という話がすんなりと進む。 午後は、同じく崇明島で低農薬野菜のブランド化に成功した、農業合作社を訪ねる。エコ農業、エコタウンなど、島全体を環境保全型開発のモデルにしようとしている。 ちなみに以前は、崇明島へは船で半日から一日がかりで行くしかなかったが、今は海底トンネルと橋とで、渋滞さえなければ1時間程度。今後は地下鉄も通すという(すでに、トンネルと橋を建設するときに、地下鉄用の通り道も同時に建設)。さらにこれから、崇明島から江蘇省・南通方面へ抜ける道路が建設されると、南はアモイから北は黒龍江省へとつながる、沿岸ルートが開通するとのこと。
最後の日、荷造りを終えた後に、街をぶらつく。上海一といわれる書店をのぞく。7月1日から、日本への中国人観光客へのビザ発給条件が緩和されたように、中国では今、日本旅行がブームとのこと。本屋には「北海道4泊5日」とか「東京4泊5日」といったガイドブックが並んでいる。ほかにも各国の「地球の歩き方」(中国語バージョン)や、中国国内の旅行ガイドが豊富に並んでいる。 COP15の後に、低炭素化にむけた中国の政策転換を促す(と思う) 提言本が、日本で言えば「ベストセラー売り場」にあたるところにおいてあった。30代前半の著者ということもあって、一冊購入。専門家の方に差し上げようと思う。 |
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川村秀三郎・衆院議員・元林野庁長官が語る“政権交代第二幕” | ||
官僚トップまで経験し、「役人の世界にどっぷりつかった」(ご本人の弁)視点から、鳩山政権での「政治主導」や「内閣への政策決定の一元化」といった、政治過程の大改革が、現実にどう進められ、どこに問題があるのか、事実に基づいて率直にお話しいただいた。 官僚出身だからこそ、「政治主導でなければならない」ことを強調されるとともに、族議員を巻き込んでの官僚主導に替わる、新たな政策形成プロセス、決定プロセスの未確立が、さまざまな迷走を生んでいること、しかし試行錯誤のなかから「あるべき政治主導」のプロセスを作り上げていく方向が見え始めていること、ここでも「政権交代第二幕」が始まりつつあることが語られた。 |
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30代、一回生議員が語る“政権交代から九ヶ月” | |||||
三名のゲストスピーカーは、柿沢未途衆院議員、森山浩行衆院議員、藤田憲彦衆院議員。藤田議員には、五月の「総会」スピーチで「衝撃のデビュー」を飾っていただいたのに続いてのご登場となった。
政権交代は第二幕を迎えた(メルマガ140号参照)。 |
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問われる政治のイノベーション | ||
「グリーン資本主義」への転換は、産業革命に匹敵する「政治・経済・社会」全分野のイノベーション(産業構造の転換のような非連続的改革)が不可欠。旧来の産業構造の中での既得権や、「経済と環境は相容れない」という通念が改革の前に立ちはだかる。これらの「かたい岩盤」をいかにうまく掘り崩していくか?対談では、エネルギー多消費型産業や労働組合の深部からも確実に流動化が始まっていることが浮き彫りにされ、政治の説得性と政府の制度設計の課題が明確になった。
福山副大臣からは、世界的には「低炭素社会づくりのモデル競争」に入っているとともに、日本でも経済界との対話をつうじて「空気が変わりつつある。これをいかに変革の機運に転換するか」との現状認識が示された。表向き「CO2・90年比25%削減は世界の中で突出している」といっている企業経営者や組合幹部も、水面下では低炭素経済社会をにらんだ両天秤をかけはじめた。世界では市場競争のゲームのルールも、また参加者(G20に象徴される)もすでに変わった。「環境経済外交戦略」を打ち出す政治のイノベーションが問われる。
(文責・杉原卓治) |
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大阪「戸田代表を囲む会」 | ||
はじめに、今参議院選挙で改選を迎える尾立源幸参議院議員(大阪選挙区)より「国民主権で予算を決める〜事業仕分け第二弾を通じて」の報告をうけた。
最後に、京都での勉強会「学生と考える環境問題」(150名の学生が参加)から駆けつけていただいた、諸富徹・京都大学大学院教授から「環境・経済・社会、そして財政の持続可能性」についての講演をうけた。 盛りだくさんの内容であったが、ひきつづき5月22日の「京都・囲む会」で議論を深め、大阪読者会(6月8日)、京都学生読者会(6月15日)での 『低炭素経済への道』(岩波新書・諸富徹共著)の勉強会を進めたい。 (文責・杉原卓治) |
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学生インターンと、主権者としての世代間対話を試みる | ||
切り口はそれぞれだが、いずれも「どうやって社会と向き合っていくか」というところから、インターンを志している。平成生まれの彼らには、冷戦体制も五十五年体制も「過去の歴史」である。「政治」が特定の利害関係や、疎外、反発からではなく、出発から社会的なものとして意識されている。 だからこそ、これから直面する就職活動についても、社会や時代と向き合いながら生活していく、その持続性をどう身につけるか、という問いが、根底にある。それに対して、たとえ時代背景は違っても(右肩上がりや、グローバル化が前提でない時代)、社会や時代と向き合って生き続けるための助言、主権者として考え続ける訓練のサポートが、どれだけできるか。それが「親世代」をはじめとする「大人たち」には問われることになる。 第一次就職氷河期は、中高年の日本型雇用慣行を維持する一方、非正規雇用の若者を大量に生み出したが、その多くは「派遣村」まで社会的な訴えにはなりにくかった。今年から顕著になっている第二次就職氷河期では、当事者が社会的不条理に対して単なる告発ではなく、社会問題としての提起という形で声を上げ始めている。 「失われた二十年」のツケは、財政ひとつとってもその解決には二世代、三世代かかる。だからこそ、この先三十年間、現役であり続ける世代に、決定権を移していかなければならない。 「バブル壮年」「ゆでガエル団塊世代」「逃げ切り熟年」「立ち枯れ世代」etcの、捨て去るべき「過去・観念・感情」を特定し、その障害を克服する社会的問題提起のすべを、若者は手にしよう! |
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鳩山政権の半年を、主権者目線から語る | ||
五十嵐議員はまず、「政官財の癒着を断ち、国民主権を取り戻したか」として、@情報の共有化(事業仕分け、記者会見のオープン化など)、A官僚主導の廃止、B政財癒着の是正、C無駄づかいの廃止、などの実績を紹介。続いて「政権公約を実現したか」として@子育て支援、A医療・福祉、B環境、C経済・雇用、D地域主権について、今年度予算での実施状況を説明した。いうまでもなく、マニフェストは四年間の実施工程なので、「一年ですべて実現」というものではない。
また公務員制度改革についても「後退」は否めないが、たとえば人事制度の改革とセットである「労働三権の付与」に関して、現状では「自治体が大丈夫か」ということを考慮せざるをえない、という「事情」もある。 ここでの「苦労」がお話の端々からも伺えた。この現状打開について五十嵐議員は、ひとつは国家戦略局の正式な格上げと、それによる政治過程のコントロールの重要性をあげるとともに、「だからこそ、この参院選が重要だ」と述べた。参院選の結果、参院でも民主党が過半数を占めれば、官僚機構の中にも「民主党政権が続く」ことの見極めが効き、政治主導への恭順が生まれると。 いずれにしろ、目先の政局に右往左往することなく、「主権者目線」から着実に政権を評価していくことが不可欠である。 |
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「戸田代表を囲む、社会起業フォーラム」第二回懇談会を開催 | ||
4月3日、京都市内で「戸田代表を囲む、社会起業フォーラム」第二回懇談会を開催。 冒頭、福山哲郎 外務副大臣より、2050年の産業構造やライフスタイルから構想した移行過程のなかで、旧来の構造で利益を得てきた既得権益層との闘争は、産業革命や石炭から石油へのエネルギー転換の歴史を見ても必然である、問題はこの過程をソフトランディングに向けていかにうまくコントロールするかが政治の役割であり、それは経済外交戦略として、東アジアの低炭素経済化への貢献と一体で進めるべきことが強調された。
5月16日(日)午後4時より、戸田代表を囲む会in大阪(ゲスト・尾立源幸参議) |
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第六回大会 開催 | ||
![]() それから二年、ようやく選挙での国民の一票で政権交代をなしとげ、主権者運動も新たなステージへと踏み出した。ここでの問題設定を共有することが、第六回大会の第一の目的である。 ![]() 「一歩前進した」がゆえの迷走に、どう向き合うべきか、どう向き合ってはならないのか。どう向き合えば、「参加する政治」の主体性が鍛えられるのか。そのためのヒント、気づきが、さまざまな形で示された。 ![]() ![]() ○第六回大会基調 ○六回大会基調を行動指針とするために |
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