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メルマガ♯がんばろう、日本!         №321(25.4.30)
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「がんばろう、日本!」国民協議会
http://www.ganbarou-nippon.ne.jp
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Index 
□ 民主主義、資本主義   
  トランプ2.0の「その先」へ
 ●トランプ2.0「暴走」の「その先」へ
《字数の関係で、以下は略》
●刹那的ポピュリズムか、持続可能な民主主義か~参院選にむけて
□ STOP GENOCIDE in GAZA!
Do not stop talking about GAZA!
□第20回総会【会員限定】
□映画「能登デモクラシー」「灰となっても」
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民主主義、資本主義   
トランプ2.0の「その先」へ
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【トランプ2.0「暴走」の「その先」へ】
 発足から100日を迎える第二期トランプ政権。米ワシントン・ポスト紙によれば、支持率は39%(第一期政権は42%、バイデン政権は52%)、不支持率は55%。政権100日目の支持率としては、1945年以来最低だった第一期の記録を更新した。同紙は、支持率下落について「国民はトランプ氏が経済を悪化させたと感じている」と分析。実際、金融市場では米国の株式と債券、米ドルがそろって下落する「トリプル安」となり、ハネムーン期間中の米ドルの下落率は歴代政権で最も大きくなる見通しだ。
トランプ氏が「解放記念日」と称する高関税措置に対して、シンガポールのウォン首相は「ルールに基づくグローバリゼーションと自由貿易の時代は終わりました。私たちは新たな段階に入りつつあります。それは、より恣意的で、保護主義的で、危険な段階です」(シンガポール首相府オフィシャルサイト4/4)と述べ、国際的な規範が侵食され、自己利益のために大国が力によって支配する厳しい現実に、団結して立ち向かう覚悟を訴えている。
トランプ政権の100日は、政権が怒涛の勢いで全否定してきた自由貿易、国際協調、学問の自由、多様性の尊重などの価値が、過去幾多の試練に堪えて獲得された普遍的な価値であることを人々に再認識させる、ある種のショック療法と言えるかもしれない。
改めて「トランプ政権が意味するところは、アメリカが覇権国として支えてきた戦後国際秩序の終わりの終わりが宣告されたということであり、「(トランプ政権の歴史的意義は)将来の国際秩序の再構築に向けた前段階として、既成秩序を解体することにあるのかもしれない」(中西寛・京都大学教授 中央公論1月号)という覚悟で、この政権と向き合うことが問われている」(549号1面)といえるだろう。
「暴走」への対処策を講じつつ、既成秩序を解体・破壊する「暴走」の先に将来の国際秩序再構築に向けた足がかりをどう築いていくのか、という視点がいよいよ不可欠となる。
例えば、高関税措置についてトランプ政権が設けた90日間の猶予期間に、どのような交渉を展開するか/できるか。
1930年のアメリカの高関税(スムート・ホーリー関税)を契機として深刻化した報復関税の連鎖と通貨安競争は、最終的には第二次世界大戦に至った。戦後の自由貿易体制は、その教訓を踏まえたところから始まった。  今回、中国は報復に踏み切り、カナダやEUも対抗姿勢を見せている。強硬姿勢は対米交渉のカードになりえても、そこから生じる世界経済へのリスクは極めて大きい。また、ますます多くの国が狭い自己利益だけで行動するようになれば国際的なルール、とくに小国にとって死活的なルールは無力化され、大国の力による支配が全面化される。
これらに替わる、将来の国際秩序再構築に向けた足がかりをどう築いていくのか。アメリカの緊密な同盟国であるとともに交渉第一号とされる日本は、危険を知らせる「炭鉱のカナリア」にも例えられている。石破総理はトランプ関税を「国難」と称したが、自国の当面の危機を回避するためだけの安易な妥協や旧来の日米二国間交渉の延長では、この「国難」を乗り切ることはできない。
4月27日の党首討論で野田・立憲代表は「いま保護貿易が台頭し、経済がブロック化すると一番不利益を受けるのは日本の消費者であり国民。自由貿易を推進することが日本の国益。その大局観のもと、アメリカが自由貿易の旗を降ろさざるを得なくなっているならば、日本はその旗を持ち先頭に立って自由貿易圏のネットワークを作っていく気構えと外交戦略が必要だ」と強調した。ねばり強い対米交渉のためにも、長期的なビジョンの裏打ちが不可欠だ。
「日本にとって最善の道は多角的貿易体制を守るための国際的な取り組みを主導することである。米国は世界貿易システムから距離を置こうとしているが、他国も引きずられてシステムの崩壊や経済秩序の混乱を甘受する必要はない。・・・ルールに基づく多角的貿易体制への信頼が崩壊すれば、貿易への依存度の高い東アジア地域に大きな打撃となる。米国の保護主義的行動は国際ルールの正当性を弱め、結果として中国のような大国が国際規範から逸脱する誘因を高める」(シロー・アームストロング 豪州国立大学教授 日経4/22「経済教室)。
「日本は北東、東南アジア諸国の協力を主導し、現在の危機的状況を好転させる能力と影響力を持つ。中国も重要なプレーヤーだが、国際社会が中国のリーダーシップを受け入れるには、中国自身が国際規範やルールを尊重することが前提となる。日本はこの点で、地域協力の枠組みを構築するために重要な役割を果たすことができる」(前出)。
世界がブロック化していくのではない、ルールに基づくオープンなシステムは維持できるし、それこそが各国の相互利益を実現できる、というメッセージを発信する「カナリア」として、CPTTPやRCEPなどの既存の国際協調の枠組みをブラッシュアップしていくことが求められるだろう。
(CPTTP:アメリカがTPPを離脱した後の自由貿易協定 環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定 RCEP:地域的な包括的経済連携 日中韓、ASEAN諸国、豪、NZが参加する自由貿易協定)
さらに言えば、トランプ2.0は戦後国際秩序の解体過程の始まりではなく「終わりの終わり」であり、その「始まり」のひとつはリーマンショックへの対応にあったという見方(549号 中西寛・京都大学教授)に立てば、保護主義や極端な自国第一主義が台頭してくる既存秩序の<弱点>を洗い出し、克服していくことも不可欠だろう。
その意味でトランプ氏が高関税を所得税減税にあてるとしていることは、歴史的な教訓に満ちていると言える。「私たちはなぜ税金を納めるのか」(諸富徹 新潮新書)によれば、20世紀初頭のアメリカでは、高関税で国内市場を保護し産業を育成すべきという主張と、高関税は国内の独占・寡占を招くとともに国民の生活コストを高める、関税を引き下げて所得税を導入することこそが資本主義の健全な発展を導くという主張が対立していた。軍配は後者に上がったが、そこに至るまでにおよそ半世紀を要したと。
「幾度となく挫折に見舞われたにもかかわらず、それに屈しないで公平課税を求め続けた人々の飽くなき姿勢に、私は感銘を受ける者のひとりである。累進的所得税は、ドイツのように「啓蒙的専制君主国家」が社会改革の手段として「上から」導入するのではなく、人々が選挙を通じて自らが支持する政党を多数派に押し上げ、議会における徹底した論争を経て「下から」獲得していく途がありうることを、アメリカ税制の歴史は教えてくれる」(前掲書)。
歴史的にも公平課税や自由貿易をめぐる論戦は、戦争、民主主義、資本主義と深くかかわっている。半世紀を要して人々によって「下から」獲得されたシステムも、さらに半世紀を経るなかで歴史的な限界を迎えるとともに、人々によって「内部から」掘り崩されてもいく。この歴史的な教訓の上に立って、既存の戦後秩序の<弱点>を克服する新たな挑戦が求められているといえる。
(以下「日本再生」552号一面へ続く)
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STOP GENOCIDE in GAZA! Do not stop talking about GAZA!
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イスラエルはガザへの攻撃を再開、人道物資の搬入も阻止し続けているため食料も水も医薬品も底をつきつつあるなか、イスラエルによる「領有」やパレスチナ住民の「移住」さえ検討されていると言われます。こんなことを許すわけにはいきません。引き続き、国際社会が関心を寄せていることを示してください。
国連事務総長イスラエルに“人道支援を圧力にすべきでない” | NHK | イスラエル・パレスチナ
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●パレスチナのために日本からできること
Olive Journal | 市民がつくるパレスチナ情報サイト (studio.site)
●【植民地主義に抗い民衆と連帯するアクションリスト】
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□ 第20回総会【会員限定】のお知らせ
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第9回大会第20回総会を下記のように開催します。【会員限定】
5月17日(土) 13時から17時
「がんばろう、日本!」国民協議会 市ヶ谷事務所 + オンライン
テーマ 持続可能な民主主義か、減税ポピュリズムか~都議選、参院選の争点設定
*オンライン参加の申し込みは下記より
第20回総会 - Google フォーム
締め切り 5月16日 18時
5月16日18時以降、申し込みのあったアドレスへZOOMのURLをお送りします。
申し込みアドレスの表記に誤記があると届きません。ご注意ください。
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□ 映画「能登デモクラシー」 「灰となっても」
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●映画「能登デモクラシー」
能登半島の限界集落で手書きの新聞を発行し続ける元中学教師を通して民主主義を問う。「はりぼて」「裸のムラ」の五百旗頭監督の最新作。
5月17日よりポレポレ東中野ほか、順次公開。
映画『能登デモクラシー』公式サイト
政治とメディアは誰のために?「能登デモクラシー」予告編と著名人コメント公開(キネマ旬報WEB) - Yahoo!ニュース
●映画「灰となっても」
映画『灰となっても』公式サイト
6月28日(土)より、シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
第28回釜山国際映画祭で上映され多くの観客の注目を集めた本作は、これまで日本で公開された映画『乱世備忘 僕らの雨傘運動』『Blue Island 憂鬱之島』『時代革命』に続き、あの時の香港、世界の混乱、後退してゆく民主主義、私たちが生きている時代を映し出している。
本作の原題『寧化飛灰(英題:Rather be Ashes than Dust)』は「塵として朽ちるよりも、灰となっても燃え尽きる方がいい」という意味を持つ。これは、人生を無為に過ごすよりも、短くとも激しく生きるという覚悟を表している。
“魂を燃やして闘った香港人たちの証言” 香港民主化抗議活動を記録した『灰となっても』公開 | 新着ニュース | BANGER!!!(バンガー) 映画愛、爆発!!!
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石津美知子
「がんばろう、日本!」国民協議会
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