電子瓦版(転送はご自由にどうぞ) ━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━ メルマガ♯がんばろう、日本! №318(25.2.3) ━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━ 「がんばろう、日本!」国民協議会 http://www.ganbarou-nippon.ne.jp ================================== Index □ 新たな秩序形成へと民主主義を鍛える歴史的過程 無数の凡人の小さき一歩から始めよう ●トランプ政権―戦後国際秩序の終わりの終わり―と、どう向き合うか 《字数の関係で、以下は略》 ●新たな次元での「私たち」という共同性を、どうしたら構築できるか □ STOP GENOCIDE in GAZA! Do not stop talking about GAZA! ================================== 新たな秩序形成へと民主主義を鍛える歴史的過程 無数の凡人の小さき一歩から始めよう ================================== 【トランプ政権―戦後国際秩序の終わりの終わり―と、どう向き合うか】 トランプ第2期政権が発足した。閣僚候補より前の席にハイテクCEOが並ぶ就任式の光景は、彼らがトランプ政権で「ブロリガルヒ(トランプ氏に近い男友達のオリガルヒ)」として影響力を持つことを示唆している。一方、彼らとMAGA(Make America Great Again)派といわれるコア支持層とのあつれきも予想される。 議会は上下両院とも共和党が多数とはいえ僅差であるため、トランプ氏の望む法案可決は容易ではない。さらに来年の中間選挙では大統領の政党は苦戦することが予想され、下院で共和党は多数派を失う可能性が高い。こうしたことから、就任直後の大統領令連発も「焦り」によるものとの見方もある。外交カードとして振りかざす関税引き上げもインフレを加速しかねないなど、政策的な矛盾も抱えている。 その意味では、トランプ政権による逆コース―移民排斥、多様性の否定、脱炭素化の後退など―がどこまで実効性を持つか、という見方は可能だろう。しかしトランプ政権によって否応なく明らかにされた、世界各国が米国に頼ることのできない状況は、次に民主党への政権交代があったとしても、もはや不可逆的なものだ。 トランプ政権が意味するところは、アメリカが覇権国として支えてきた戦後国際秩序の終わりの終わりが宣告されたということであり、「(トランプ政権の歴史的意義は)将来の国際秩序の再構築に向けた前段階として、既成秩序を解体することにあるのかもしれない」(中西寛・京都大学教授 中央公論1月号)という覚悟で、この政権と向き合うことが問われていると言えるだろう。 当面は国際法や国際協調の枠組み、法の支配や人権などの規範がないがしろにされ、「力の支配」が前景化する事態が予想される。一方で、そうした危機の拡大が新たな国際秩序再建への糸口に転化する可能性もある(中西寛・京都大学教授 12-17面参照)。世界各国が米国に頼ることのできない状況のなか、既存の多様な協力枠組みを含めてさまざまなアクターが全体としてどう行動するか、ということにならざるをえない、というところから次の糸口が見えてくる可能性はある。 さらに「長期的には、国際秩序の混乱以上に、トランプ政権下で確実視される気候変動対策や国際保健協力の後退の影響の方が深刻となるかもしれない。しかしそれは逆説的に国際秩序再建の糸口ともなりうる。 今後国際秩序が再構築されていくとすれば、温暖化やパンデミックといった地球規模での自然環境問題や、デジタル情報化が社会の細部まで浸透する「深層情報社会」(deep information society)と呼びうるものの統治、また先進国で少子高齢化が進行する一方でグローバル・サウスの一部では人口増加が続くといった世界的な人口不均衡の深刻化と、各国の政治経済的安定をどのように両立させうるか、といった人類に対する基本的挑戦の重大性が認識されることが前提となるのではないか。 その時に立ち現れる秩序は、内政外交面で20世紀に我々が当然とみなしたものとは大きく変貌している可能性がある。例えば国民国家がもつ影響力は低下し、多民族的共存を可能にする連邦や、複数の国家からなる地域連合がより重要な役割を担うとともに、小規模な集団からグローバルな体制までのさまざまな統治単位が相似的に積み重なる、重層的秩序に移行していく可能性も考えられる」(中西 中央公論1月号)。 こうした未来の観点からバックキャスティングして、トランプ政権下における既存秩序の解体過程の諸問題に対処することが求められるのではないか。 例えばトランプ政権はパリ協定からの離脱を表明しているが、温暖化対策の国際協力においては以下にあるように、すでに非国家アクターの存在がきわめて大きくなっている。 「トランプ政権の誕生を前にして、世界の温暖化対策の後退を心配する声も聞かれるが、ひるむことなく前向きな姿勢を見せたのもこれら非国家アクターたちだ。 中でもアメリカの非国家アクターが五〇〇〇以上も参加する連合「AMERICA IS ALL IN」(アメリカはみんなパリ協定にいる)は・・・連邦政府の方針にかかわらず、揺るぎなく温暖化対策を進めることを印象づけた。AMERICA IS ALL INには、アメリカのGDPの七四%を占めるアクターが参加し、アメリカの人口の六三%をカバーする」(地平2月号)。 未来の片鱗は、すでに顔をのぞかせているのかもしれない。 あるいは、ウクライナ戦争においてロシアが核兵器使用をほのめかしたり、イスラエル(核保有国!)の極右政治家が「ガザに対する〝ある種の原子爆弾〟投下も選択肢のひとつ」と発言するなど、核兵器使用のリスクがかつてなく高まっているが、核兵器禁止条約をここまで推進してきたのも中小国と市民社会の連携にほかならない。なおかつそれは、核保有大国中心の核軍備管理の枠組みであるNPTと相反するものではない。 「核軍縮を進展させて、NPTの履行を求める国々にとって、TPNW(核兵器禁止条約)を支持することは重要なステップとなります。TPNWを支持することは、核兵器をめぐる国際法や多国間アプローチへ投資することにもなります。TPNWに懐疑的な国々も、これに建設的に関与し始めることを我々は期待しています。NPTを強化したければ、TPNWとその締約国にも建設的に関わらなくてはなりません」(アレクサンダー・クメント オーストリア外務省軍縮・軍備管理・不拡散局長 朝日デジタル 2023年8月19日)。 解体過程にあるとはいえ、既存の秩序や枠組みが一気に崩壊してしまうわけではない。それらを活用して事態に対処するうえでも、既存の枠組みの中に顔をのぞかせている未来の片鱗、あるいはそこにつながる可能性に、より建設的に関わることが求められるということだ。ちなみにパリ協定での日本の取り組みは決して意欲的なものとは言えず、核兵器禁止条約についてもオブザーバー参加にすら後ろ向きだ。こうした現状をまず変えていくべきではないか。 (以下「日本再生」549号一面へ続く) ================================== STOP GENOCIDE in GAZA! Do not stop talking about GAZA! ================================== ガザでの暫定的な停戦は実現したものの、イスラエルはヨルダン川西岸地区への攻撃を強めています。 また、カザでの人道支援の中心かつ不可欠な存在である国連機関・UNRWAの活動を禁じる法律を、イスラエルは施行しました。UNRWAは支援を継続すると表明していますが、予断を許さない状況です。 引き続き、国際社会が関心を寄せていることを示してください。 【UNRWAへの寄付】 ●国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA) | UNRWA ページ右上の「寄付」をクリック。 「ワンタイム寄付」のところで「その他の金額」の欄に金額を記入することができます。 クレジットカーまたはPAYPAL ●Help the Palestinian People with a Click | arab.org "CLICK TO HELP" をタップすると、1日1クリックでスポンサーがUNRWAに寄付。 毎日クリックできます! ●パレスチナのために日本からできること Olive Journal | 市民がつくるパレスチナ情報サイト (studio.site) -- **************** 石津美知子 「がんばろう、日本!」国民協議会 http://www.ganbarou-nippon.ne.jp |