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「がんばろう、日本!」国民協議会
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Index 
□反・非立憲政治を止める! 
下り坂の時代の民主主義を鍛えよう

●野党共闘から、さらに前へ 民主主義のための努力へ
●下り坂の時代の再分配を議論し、合意形成する民主主義を

□「囲む会」のご案内 
 引き続き「凡庸の善で考え続けるために」
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反立憲政治を止める
下り坂の時代の民主主義を鍛えよう
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【野党共闘から、さらに前へ 民主主義のための努力へ】

 夏の参院選、場合によっては同日選の行方に大きく影響すると見られていた衆議院補欠選挙。与党・自公と野党共闘との一騎打ちとなった北海道5区は、与党候補の辛勝となったが、ここから参院選に向けた教訓をいかに汲み取るか。

 出口調査によれば自民、公明、民進、共産の各党とも支持者の九割近くを固めている。ここから、いわゆる「共産党アレルギー」はほぼ払拭されたとみていいだろう。選挙戦では、民進党内の保守系とされる議員が共産党議員とともに宣伝カーに乗り、「独裁政治を倒すために、野党が力を合わせるのは当たり前だ」と演説した。

 昨年、安保法制をめぐって始まった路上の民主主義。そのうねりが院内の反・非立憲政治の構図を、どこまで変えられるか。参院選はその重要なポイントであり、反立憲政治を止めるためには、選挙における野党協力は不可欠だ。
 そのハードルをひとつ越えた、という意味では野党共闘は機能したといえる。しかし、それだけでは自公の組織選挙には勝てないことも明らかだ。問題は投票率だ。58.43%は2014年の総選挙より0.8ポイント低い。政党の「足し算」では、投票率を上げることはできない。

 出口調査によれば、無党派層の七割が野党候補に投票している。仮に無党派層の投票率が上がり、それが同じような投票傾向をとるなら、投票率が65%で両候補の得票は互角になるだろう、という試算もある。
 65%は決して高いハードルではない。北海道5区の投票率は、2005年の郵政総選挙、2009年の政権交代選挙では70%を超えている。それ以前にも2000年衆院選では65%、2003年衆院選でも64%あった。

 2014年総選挙、2013年参院選の投票率(全国平均)はいずれも52%。09年の総選挙から、数にすれば1700万人近くが投票に行くのを止めてしまったことになる。路上の民主主義を投票箱にも波及させるためには、ここを動かすような「自分たちの一票で変わる・変えられる」といううねりを作り出すことが必要になる。

 おそらくそのカギは、ひとつは若者、もうひとつは再分配をめぐるアジェンダ・セッティングではないか。

 四月に行われた韓国総選挙では事前の予想を大きく覆して、与党が大敗、野党が善戦した。その原動力となったのは若者の投票率だ。20代では13ポイント、30代では6ポイント、前回より投票率が上がっている。40代、50代ではほとんど変わらず、60代は微減だ。高失業率、低賃金で「ヘル(地獄)朝鮮」という造語ができるほど、過酷な状況に置かれた20―30代の怒りが爆発した、といわれている。
 一月に行われた台湾総統・立法院選挙では、全体の投票率が66%と低迷するなか、20代の投票率は74%に上り、これが政権交代の大きな原動力となった。

 こうした若者の投票率は自然発生的に高まったわけではない。

 韓国では大学の学生会や青年労働者の労組、社会団体などがSNSを使って情報発信したり、ダンスや演劇、フラッシュモブなど、多彩な活動を通じて投票をよびかけた。
 市民団体が作った「3分選挙」というスマホ向けサイトも興味深い。自分の住んでいる地域を検索すると、候補者全員の経歴と公約などが3分でわかるように見やすくまとめた資料が出てくる。候補者の写真の下には、有権者として意識すべきことも1行ずつ書いてある。例えば、地域や性的少数者に対する差別発言の有無や内容などだ。

 台湾では学生は地元でしか投票できない。そうした学生のために格安バスが仕立てられ、多くの学生が帰郷して投票した。ひまわり学生運動の参加者たちは、野党や新党を通じて選挙に参画するだけではなく、人びとが選挙に参加するための枠組みやインフラを整備する活動に携わった。

 これらは選挙に当選するための活動ではないし、野党を支持する活動でもない。民主主義のための、主権者による主権者のための主権者の運動だ。

 もちろん日本では、日本流の取り組みが必要だろう。とくに社会運動が絶えて久しく、何につけても「自己責任」「個人の問題」とされ、社会=私たちの問題ということへ架橋するインフラが乏しいなかでは、「変える意思」を持つことさえ難しいともいえる。しかし「保育園落ちた、日本死ね」のつぶやきが社会的な共感を呼び、「産んだの、あなたの責任でしょ」という政治家を押しのけて、政治の一部を動かしたことは最近の出来事だ。

 また、お任せしてダメだしをするという消費者民主主義から脱却して、主権者としての当事者性を育む最大最良の場は、まちづくり、住民自治の現場だ。この土壌を豊かなものにする努力抜きに、立憲民主主義は育たない。

 「反立憲政治を止める」は、一度の選挙で決着がつくものではない。民主主義のための努力を怠れば、いつでも非立憲の空間から反立憲が増大してくる。おおまかに言って、投票率が60%を切れば、自公の組織票が有利になるといえるだろう。若者や無党派層の投票率が上がることは、民主主義にとってはよいことだが、安倍政権には「危険」なことと映るだろう。

 誰と、どんな未来を生きたいか―それを語り合う場を創りだそう。投票率を上げるとは、民主主義のための、そして連帯のための持続的な努力の反映にほかならない。

【下り坂の時代の再分配を議論し、合意形成する民主主義を】

 アメリカ大統領選挙予備選や韓国総選挙が、「番狂わせ」の様相を呈している。これは、グローバル資本主義と新自由主義政策がもたらした格差の拡大に対し、「政府はもっと、普通の人の暮らしのことを考えろ」という有権者の反乱といえるだろう。移民、難民問題というイシューも絡むが、ヨーロッパにもこれは通底している。

 大きくいえば、グローバル化と再分配という21世紀の課題だ。所得と資産の格差拡大は、20世紀までは戦争と革命を介して再分配されてきた。世界人口の半分と同じだけの富が62人の富豪に集中しているという今日、戦争を介さずに再分配は可能なのか。国民国家の税と財政を、そのためのツールとしていかに使いこなせるのか。あるいはパナマ文書が問題になっているように、グローバルな課税逃れをどうするのか。

 経済にも再分配にも「民主主義ってなんだ」が問われている。

 国政における有権者の政策的関心は、都市部でも地方でも経済から社会保障へとシフトしている。今回の北海道5区の補選でも、その「潮目の変化」は明らかだ。世論調査によれば有権者が重視するのは、「年金・社会保障」(23.4%)、「景気・雇用」(20.2%)、「地元経済、TPP対策」(11.5%)、「医療介護」(10.8%)、「安全保障」(7.8%)となっている。
 「年金・社会保障」と「医療介護」をあわせると、「景気・雇用」をはるかに超える。「アベノミクス」「景気回復、これしかない」と、もてはやされた時期とは様変わりしている。また「年金」にシルバー世代の関心が高いのは当然だが、医療介護は40、50代の関心が高いことが注目される。介護される側だけではなく、介護する側にも深刻な問題であることが、改めて伺われる。

 一方で、年金や医療など社会保障を重視する人の中で、池田氏に入れた人(52%)は和田氏(48%)をわずかに上回るのみとなっている。また、50代以上が池田氏優勢となっているのに対して、20代から40代は和田氏が優勢となっている。池田氏陣営の論点設定が不調であったことが伺われる。

 ここにどんな論点を提示し、アジェンダを設定していくか。これは今後の重要な課題だろう。

 経済から社会保障へという「潮目の変化」に対応して、安倍政権は早速「一億総活躍」の目玉として介護士や保育士の賃上げや、処遇改善を打ち出している。これに対して「全く不十分」「ずれている」と批判することは容易い。「もっと賃金を上げる」という対案も、言うだけなら簡単だ。しかし、その財源はどうするのか。

 大企業優遇、そのおこぼれで再分配をやるというアベノミクスも、野党が訴える格差対策も、「負担」については何も言わないことを有権者、とくに若い世代はよく見ている。30代子育て中の有権者が、「財源のことに触れていた(福祉のためにも経済を)」という理由で、和田氏に投票するとインタビューに答えていたのは印象的だ。

 税と社会保障の一体改革は、日本ではじめて増税と再分配をセットにした政策だった。安倍政権はこれを、アベノミクスと社会保障プログラム法に変換した。言ってみれば、「経済成長あってこその再分配(再分配は経済成長のおこぼれ)」と、「自己責任・自助を基本にした社会保障(病気になるのも自己責任)」への転換だ。

 これにどういう対抗軸を提示するか。「経済成長がすべてを解決する」というアベノミクスは、すでに幻想だ。「無駄使いをなくせば財源はある」というのも空語だった。「増税先送り」といえば選挙で支持されると、永田町では考えているかもしれないが、税と社会保障の一体改革で消費増税を決めたのだから、増税先送りなら社会保障を何かやめるんですよね、とすぐに反応する市民は決して少なくない。

 増税に対する抵抗は確かに強い。税は「とられるもの」であって、「自分たちで社会を運営するためのもの」という立憲主義の基本が実感されていないのだから。それゆえにこそ、以下のような論点を提示し、議論を共有していくべきではないか。

 「再分配は成長のおこぼれ」なのか、「再分配こそ成長戦略」なのか。社会保障は自助を強化するのか、共助を強化するのか。再分配のシステムは、対象(弱者、困っている人)を選別して救済する「選別主義」なのか、全体を底上げする「普遍主義」なのか。財源は将来世代へのつけ回しか、現役世代の分かち合いか。

 経済も再分配も「民主主義ってなんだ」で議論すること、その議論を逃げずに共有しようとする姿勢を崩さないこと。まずはそれが求められるだろう。当たり前だが、増税に賛成する世論はそう簡単には生まれない。しかし04年参院選では、民主党は野党として増税(年金制度改革とのセット)を掲げて、自民党を上回る議席を得た。そのときと比べて、民意は劣化しているのだろうか。

 基本的に経済成長が問題を解決した右肩上がり時代には、再分配についても議論はほとんど必要なかった。しかし、下り坂をそろそろと降りていく時代の再分配は、議論を通じて合意形成することが不可欠だ。ここで民主主義を鍛えよう。

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囲む会のご案内  「凡庸の善で考え続けるために」
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《東京・戸田代表を囲む会》
「がんばろう、日本!」国民協議会 事務所(市ヶ谷)
参加費 同人会員1000円/購読会員 2000円

●第159回
「アベノミクスの正体」
5月11日(水) 1845から2100
ゲストスピーカー 尾立源幸・参議院議員

●第160回
「少子化日本〜課題先進国になるのか、衰退途上国になるのか」
5月20日(金) 1845から2100
ゲストスピーカー 山田昌弘・中央大学教授

●第161回
「反・非 立憲政治を止める〜路上の民 主主義・投票箱の民主主義」
6月3日(金) 1845から2100
ゲストス ピーカー 千葉眞・国際基督教大学特任教授
          元山仁士郎・国際基督教大学学生、SEALDs RYUKYU

《第28回 関西政経セミナー》
「地域自治・住民自治を立憲民主主義で語ろう」
パネリスト:新川達郎・同志社大学教授 田中誠太・八尾市長
      中小路健吾・長岡京市長 山中光茂・前松阪市長 
      白川秀嗣・越谷市議会議員 ほか
5月15日(日)1330から1730
コープイン京都
参加費:1000円(学生500円)

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 熊本大地震への救援
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熊本、大分を襲った大地震は、大きな被害をもたらしたまま、未だ収まらず、
「これまでの予測が通用しない」状態にあります。
そのなかで、現地での活動に全力で取り組んでいる人たちをご紹介して、ご支援を
お願いいたします。

●水俣水俣 - Hub - Power  https://www.facebook.com/水俣-Hub-Power-1713876655556157/?fref=ts

振込み先 ゆうちょ銀行 水俣支店 718 普通預金口座番号 1807368 記号17180 番号18073681 あばぁこんね(アバァコンネ)

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石津美知子
「がんばろう、日本!」国民協議会
http://www.ganbarou-nippon.ne.jp