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「がんばろう、日本!」国民協議会
http://www.ganbarou-nippon.ne.jp
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Index 
□立憲民主主義の当事者性を涵養する場としての選挙か
多数決主義による権力ゲームとしての選挙独裁か

●多数決主義の権力ゲームに回収されない立憲民主主義の強靭さを鍛えよう
●グローバル化に従属しないサブシステムとしての地域経済と新しい連帯を

□「囲む会」のご案内 
 引き続き「凡庸の善で考え続けるために」

□お知らせ
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立憲民主主義の当事者性を涵養する場としての選挙か
多数決主義による権力ゲームとしての選挙独裁か
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●多数決主義の権力ゲームに回収されない立憲民主主義の強靭さを鍛えよう

 二〇一五年、これまでは教科書のなかの言葉だった「立憲主義」が、人々の生活のなかで実感的に語られる言葉になっ た。多数決主義という民主主義の狭い理解からは見えなかった、立憲民主主義のアリーナをいかに鍛えていくか―これが二〇一六年の課題だろ う。それはまた、3.11を契機に臨界質量を超えはじめた「投票箱に収まらない民意」が、自らの言葉で社会的な連帯を紡ぎだすことでもあ る。

 12月19日夕刻の国会前。9月19日の安保法強行成立以降、毎月19日に国会前で抗議行動が行われてきたが、この 日は時間と会場が変更となっていた。それを知らない人が三百人ほど集まった。実行委員会参加団体が不在のなか、ハンドマイクでの小規模な集会が自然発生的に始まった。メイン スピーカーはおらず、普通の人が自分の言葉で次々にスピーチをする。
 二時間半かけて参加したという元高校教師は、地元で勉強会を立ち上げたことを語り、二千万人署名に取り組んでいる主婦は、「普通の主婦に安全保障とか外交のこと を話しても、誰も相手にしてくれない。私はお金の使い方がおかしいんじゃない?≠ニ問いかけている。例えば消費税の軽減 税率や年金受給者への三万円給付のこと、消費税増税のそもそもの目的や国の借金、子育て世代との関係を話し合ってみると、署名してくれる人がいるし、中には私も人に話してみる≠ニ署名用紙を持って行く人がいる」と。中国人留学生や在日コリアン3世の発言もあったという。

 西欧の市民革命は、広場に集まった市民が「自分はパン屋の○○だ」「自分は鍛冶屋の○○だ」と言って議論するところ から、王の専制に対抗する議会政治を生み出していったとされる。二〇一五年夏の十万人規模の「院外の民主主義」のうねりを経て、立憲民主 主義のアリーナは着実に深まり、広がっている。

 民主主義は一度の選挙で終わり、ではない。一度の選挙で勝ったら全部決まり≠ネら、それは選挙独裁だ。民主主義が 独裁よりも「強い」のは、多元的な意思決定システムを持っているところだ。多元的な意思決定システムには、さまざまなコントロールや チェックが不可欠だ。それらを排除して「右向け右」になれば、政治は反立憲的なものになる。それは持続可能性の低い脆弱なシステムでもあ ることは、全体主義の歴史そして戦前日本の教訓からも明らかだ。

 年末の国会前の市民集会―これは住民自治で運営されている地域では、当たり前の日常的光景だろう。さまざまな立場や 利害、さらには多様なバックグラウンドを持つ人々が、一定のテーマをめぐって、あるいはテーマ設定自体をめぐって議論し、何らかの合意を 見出し、地域を運営していく。

 ここで必要とされ、また鍛えられる立憲民主主義の主体性とは、どのようなものだろうか。
 政治的立場や、ある政策に対するスタンスなんぞは、せいぜい二つか三つに収斂する。地域の合意形成では、もっと複雑 で多元的なコミュニケーションが求められる。百人いれば百通りの気持ちや思いがある。その気持ちや思いを、多元的な意思決定プロセスのな かに包摂することなしに、当事者性は生まれない。

 「正論」を掲げて相手を論破するようなやり方では、そもそもこうした場に入れない。「○○はいかに正しいか(間違っ ているか、ダメか)」説得する(論証する)、というやり方では、共感をえることはできない。立場や利害は違ったままでも(自分の立場や利 害とは異なった結論でも)納得できる(「これだけ話し合ったんだから、しかたない」というのも含め)という合意形成が可能になるのは、当 事者としての責任や役割を共有する土台に立った時ではないか。
 言い換えれば、住民自治の当事者性や立憲民主主義の当事者性を涵養する場、そういう言論空間を支えるコミュニケー ション、その共有感を創りだす人間関係の作り方etcが求められる。

 例えば安保法廃止の署名を集めるときに、安倍政治はいかに間違っているか、その論証としての消費増税批判、というや り方をしたら、広がりは持てないだろう。一方で安保法にしろ、消費増税にしろ、「主権者として考えよう」という投げかけをし、そのための 材料を提供しともに学習し…という取り組みは、立憲民主主義の当事者性を涵養する場づくりの一歩となるだろう。

 国政レベルの「大きな」テーマにしろ、地域の身近なテーマにしろ、最終的に賛成、反対、あるいはAかBか(Cか)に 選択肢が絞られていく過程では、当事者性の涵養が不可欠だ。それが欠落したまま「これしかない」ということでは、民意は投票箱に収まら ず、一方で一度の選挙で勝ったら決まり≠ニいう選挙独裁が横行することになる。当事者性が欠落した民主主義は独裁と地つづきだというこ とも、歴史の教訓だ。

 パリでのテロの直後に行われたフランスの地方議会選挙では、第一回投票で極右・国民戦線が大躍進した。しかし過半数 を獲得した政党がなかったため、第二回投票が行われ、国民戦線はいずれの地域圏でも共和党、社会党に敗れた。これは国民戦線の躍進に危機 感を覚えた社会党が苦渋の選択として、共和党との共闘を決断したことにもよるが、決定的には第一回投票よりも約9ポイント、投票率が上 がったことだ。
 つまり既存政党がダメかどうか、ではなく、フランス民主主義の当事者としてどうなのか、と悩み考えた有権者が第二回 投票で投票所に足を運んだことで、かろうじて極右の台頭は抑えられた、ということだろう。(2017年大統領選挙が正念場)

 二〇一六年は参院選が行われる。場合によっては同日選も、というなかで、多数決主義の権力ゲームに回収されない立憲 民主主義の強靭さを、いかに鍛えていくか。選挙も、その重要な場のひとつとして使いこなしていこう。

●グローバル化に従属しないサブシステムとしての地域経済と新しい連帯を

 多数決主義の権力ゲームに回収されない立憲民主主義の強靭さを鍛えるうえで、地域自治の現場は重要だ。地域にはさま ざまな立場、志向の人がおり、そのなかで意見が違う人とも議論しながら合意形成を図っていかなければならない。立憲民主主義のそうした基 礎体力を養う場が、地域である。(14―18面 山中・前松阪市長の「囲む会」参照)。

 そして地域は生活の場だ。そこからものを見て、考えることの重要性は3.11以降、否応なく増している。エネル ギー、食料、水などの生存に関わるものを全て「外」に依存しているユーレイ都市・東京は、地域内循環を考える地域の主体性からは「お気の 毒」としか言いようがない。
 そのユーレイが集まる首都圏でさえ、想定される大地震では、地域の防災力抜きに被災直後を生き抜くことはできないこ とを、リアルに考えざるをえない。また地域包括ケアなどの地域の自治力なしに、今後の超高齢社会は持たないことも、実感せざるをえなく なっている。当事者性を生み出す場づくりの条件は、さまざまなところに生まれつつある。

同時に地域は、グローバル経済だけに依存しない「強い」経済をつくりだす場でもある。政府はTPPによる効果は14兆 円という試算を発表した。二年前の試算3兆円が、どうやったら14兆円になるのか、というツッコミももちろんだが、より根本的には、生産 拠点や資本が短期間に自由に移動するグローバル経済に、生存の基盤、生活の場を委ねることが、はたして「強い」経済なのか、ということ だ。

リーマンショックの際、自動車産業に大きく依存していた(ある種のモノカルチャー経済といえる)地域で、人々の生活、 地域の風景、自治体の財政などが、どれほどのダメージを蒙ったか。あるいは「爆買」のクルーズ客が押し寄せる地域では、増えるのは東京資 本の大手チェーンの店ばかりで、地元の商店は店をたたみ、あるいは「爆買」客むけの品揃えになって、地元住民の買物は不便になったといわ れる。地域固有の風景が消えて、大手チェーンの看板が並ぶ「個性のない」街並みに変わってしまう。

「ところがTPPのような形でやってしま いますと、実ははるかに輸入が増えます。輸入は地域の産業―農業、林業、水産加工品、そしてサービス業、福祉、医療、さらに弁護士といったところにも拡大していきます。建設業関連でも単純労働者の移入は義務づけされませんでしたが、逆に言えば、選択的に拡大しますよというふうに、入国管理政策が変わってきています。こういう形でいきますと、おそらく安い労働力が大量に入って来て賃金水準を下げて いきます。
日本の『失われた二十年』はなぜ起こったのか。一九九五年と二〇一〇年を比較すると、世界の先進各国と比べて唯一日本だけ、雇用者報酬が大きく減っています。アメリカもイギリスもほぼ二倍です。」(岡田・京都大学教授 4―10面パネルディスカッション参照)

問題のカギは、いったん外から入るカネが、そのまま一回転して外へ出て行く(回転ドア方式)仕組みを、地域に入ったカ ネを地域のなかで再投資して循環させる仕組へと、どう変えるかだ。それはまた、低価格・大量生産・一極集中のブラック企業化ではなく、多 様性・自立(自律)・分権型の強靭さへの転換だ。食料やエネルギーという生存の基本に関わる部分を、全面的に「外」に依存する偏った経済 から、せめてそのうちの数パーセントを自らの手に取り戻し、そのお金を地域内で循環させる経済への転換だ。

 時代の大きな転換(グローバル資本主義など)はえてして、社会にゆがみや生き苦しさを生じさせる。そのゆがみや生き 苦しさをもたらすものを「外部」に求めない思想や行動の探求から、私たちの立憲民主主義を鍛えよう。

(「日本再生」440号 一面より)
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囲む会のご案内  「凡庸の善で考え続けるために」
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《東京・戸田代表を囲む会》
「がんばろう、日本!」国民協議会 事務所(市ヶ谷)
参加費 同人会員1000円/購読会員 2000円

●第155回
「成熟国家をめざして〜経済第一から ヒューマンファーストへ」(仮)
2016年1月13日(水)1845から2100
ゲストスピーカー 小川淳也・衆議院議員 

●第156回
「アフリカから考える『民主主義ってなん だ』〜地域紛争、テロ、民主主義」
2016年1月21日(木)1845から2100
ゲストスピーカー 坂井真紀子・東京外国語大学准教授 

《第27回関西政経セミナー》
「‘16参議院選挙を立憲民主主義の政治 攻防戦としてたたかうために」(仮)
パネリスト:前田武志・参議院議員、福山哲郎・参議院議員、尾立源幸・参議院議員、
      隠塚 功・京都市会議員
2月21日(日)午後5時開場 5時半開始
コープイン京都 2階201会議室
参加費:1,000円

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 お知らせ〜おひさま進歩エネルギーから
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●1/11(月・祝) 東京銀座で自然エ ネルギー交流会を開催します!
おひさま進歩エネルギー、自然エネルギー信州ネット、NPO法人上田市民エネルギーの3者より自然エネルギー事業や長 野県の自然エネルギー事情、最新のエネルギー動向などをご報告するとともに、
皆さまからもご意見を伺えるような交流会を開催いたします。
1月11日(月・祝)17時30分〜19時30分
<参加無料、予約不要、定員48名>
会  場:銀座NAGANO(東京都中央区銀座5丁目6-5 NOCO)
http://www.ginza-nagano.jp/

●飯田自然エネルギー大学 キックオフイベント
NPO法人南信州おひさま進歩がこの4月から開校する飯田自然エネルギー大学。
この大学は、日本各地の地域における自然エネルギーの更なる普及を見据え、現場で
求められる専門知識や実践力をもつエキスパート人材の育成を目的としています。
この大学や自然エネルギーへの関心を広めるため、2月14日(日)開校に先立つ
キックオフイベントを開催します。(講演や各地の事例発表など盛りだくさ ん)

2月14日(日)13時〜19時半 <参加無料、予約不要>
飯田市役所(新築のC棟)3階311〜313会議室
お問合せ:NPO法人南信州おひさま進歩(電話0265−24−4821)
イベントについて http://ohisama-energy.co.jp/2015/12/18/symposium214/

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石津美知子
「がんばろう、日本!」国民協議会
http://www.ganbarou-nippon.ne.jp