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「がんばろう、日本!」国民協議会
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▼ Index 

戦え、代表選! 
迷走と逆走のトロイカ体制 その終わりの始まり

【第一幕 第一場  井戸端会議】
◆カンチガイと逆走の代表選を叱る
【暗転  墓場の合唱】
【第一幕 第二場  タウンミーティング】 
◆談合と逆走のトロイカ、その「終わりの始まり」
【第一幕 第三場  タウンミーティング後の飲み会にて】
◆幻の代表選と空きカン蹴り

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戦え、代表選! 
迷走と逆走のトロイカ体制 その終わりの始まり
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【第一幕 第一場  井戸端会議】
◆カンチガイと逆走の代表選を叱る

熊    小沢さんの立候補には、たまげたねー。世論調査で八割が「ノー」といっている人を、「この人しかいない」って担ぐ国会議員の感覚にもビックリだ。あの軽井沢の光景には、目を疑っちまったよ。

お婆   三ヶ月前に「責任をとる」って辞めた人が、揃ってまたのこのこ出てきて、いったい何をやってるんだい。サポーターの投票用紙が来たら、あたしゃオザワともカンとも書かない、バカって書くね。

八    こうなりゃ、正々堂々ガチンコ勝負をやってもらうしかない。「人事の取引が成立しなかったから」とか「恩があるから」とか「最終戦争だ」とかっていうんじゃ、昔の自民党もビックリの怨念試合だ。これは首相を選ぶ代表選なんだぜ。09マニフェストをどうするのか、その財源はどうするのか、ここは徹底的に明らかにしてもらおうじゃないか。

熊    自民党の総裁選だって小泉以降は、中身はともあれ、「成長戦略」とか「構造改革」という言葉を使ってやっていたんだ。せめてその水準はクリアしてもらわなければ、何のための政権交代だったのかってことだろう。

お松   小沢さんって選挙のときしか出てこない人でしょ。首相になって、国会答弁するところなんて、想像できる?そもそも代表選のときに、「お金」の問題はどう説明するんだろ? あれだけ検察と「戦う」って言ってたのに、不起訴になったら、「検察がシロという以上、シロだ」で終わりだもんね。

三太   自分は説明せずに、回りがあれこれ「そんたく」する、それが「神話」の源泉らしいから、「総(理)・総(裁)分離」なんてウルトラCも考えてんじゃないの。国会で説明・答弁をしない「権力者」って「闇将軍」か?

八    政権交代したにもかかわらず、そういう二重権力構造を温存するのかどうか。そういうことにも決着をつけようじゃないか。ようやく、有権者の一票で政府を選ぶことができるようになったんだ。政権交代してすぐにうまくいくとは思ってなかったが、迷走や言い訳も、いいかげん卒業してもらわないと。

熊    両陣営とも「党員・サポーター票が国会議員の意向に従うか、世論に近づくか」に関心を寄せている、んだそうだ。議員の意向が世論と乖離していることを前提にされるのも困ったもんだが、ここは政権交代に託した民意を、参院選に続いてしかと示すってことじゃないか。

八    永田町のカンチガイや逆走は、そう簡単に直るもんじゃない、とハラをくくるってことだな。有権者市場じゃ、右肩上がりの価値観と決別したほうが、新しい政治的多数派になってきている。永田町には繰り返し、それを否応なく見せつけ続けなけりゃならないってわけだ。

三太   やれやれ、世話のやけるこった。でもロスジェネの俺らは、逃げ切り世代やユデ蛙世代みたいに、氷山が目の前に迫っているタイタニック号の上で、椅子取りゲームに明け暮れるわけにはいかないからな。

熊    さっそく民主党岐阜県連では地方議員が一致して、「首相を三ヶ月で代えれば世論は厳しい」と、「菅支持」を表明したそうだ。岐阜県連は小鳩時代にも、執行部に「政治とカネ」について説明責任を求める意見書を提出している。有権者に近い地方議員こそが、政権交代に託した民意を発信、組織化していくときだ。

八    どういう結果になろうと、永田町では再編の火種はくすぶり続けることになるだろう。問題はカンチガイ、逆走の政局ごっこじゃなくて、「21世紀の重い現実」に向き合う新しい政治的多数派のための再編だ。永田町はその力で仕分けして、再編するしかない。

お婆   まずは私らサポーターと地方議員とで、チョイとばかし国会議員を締め上げて、民意を追認させるとしようかね。これは総理大臣を選ぶ代表選だ。お前さんたちも、投票資格のあるなしに関わらず、この国の主権者である以上は、大いにチョッカイを出して、民意のありかを見せつけようじゃないか。
(ここまで、「日本再生」376号より)

【暗転  墓場の合唱】

♪ ゲ、ゲ、下世話な政局、ゲ、ゲ、ゲ
♪ 嬉しいな、楽しいな、オ○○にゃ政策も〜 財源も関係ない
♪ ド、ド、ドバトが取り持つ談合だ
♪ 逆走トロイカ、カンチガイ
♪ 選挙で決着、恐れて裏取引 こんな政権、選んだ覚えはない〜


【第一幕 第二場  タウンミーティング】
◆談合と逆走のトロイカ、その「終わりの始まり」

代議士A   暑い中、お集まりいただき、ありがとうございます。(会場から「日和のあいさつはいいから、とっとと始めろ〜」)はい。分かりました。
ご案内のとおり、代表選は菅さんと小沢さんの正面対決となりました。無投票では、談合批判を免れませんし、やはりここは党員・サポーターのみなさんの投票、さらには広く国民の皆さんの意見も反映される形で決着をつけることが、本来のあり方だと思いますので、こういう形になったのは、よかったと思っています。
代表選の結果、党が分裂するのではないかという意見もありますが、小沢さんも菅さんも、結果にかかわらず力を合わせてやっていく、とおっしゃっていますから、そこは信じたいと思っています。
私としては、どちらに投票するか、最終的にはまだ決めていません。お二人の政策をじっくり聞かせていただいて、同時に党員、サポーターのみなさんの意見をしっかり聞いて判断させていただこうと思っています。というわけで今日は、みなさんにお集まりいただきました。

参加者B  やっぱりここは、小沢さんだろ。菅さんが再選しても、ねじれで早晩行き詰る。来春まで持たない。ここは小沢の剛腕を見てみたいじゃないか。

参加者C  何言ってんだ。小沢総理になったら、国会は何も進まなくなるぞ。小沢側近といわれる議員だって、モノのわかっているほうは「支持率3%からの出発は前提だ」と言っている。圧倒的な世論の逆風にさらされている政権に、協力する野党なんか、あるものか。

参加者D  そうは言っても、政局の駆け引き、寝技の場数じゃ、圧倒的に小沢だろう。菅は脇が甘すぎるし、軽すぎる。

参加者E  おいおい、それは昔の話だろ。仮に小沢総理になったとして、野党のなかでどこが交渉に応じるんだい。みんなの党・渡辺を担いで、という話は、渡辺自身が一笑に付しているし、もしもそんな話に乗ったら、その瞬間に「みんなの党」はお終いだ。自民党だって、ナベツネを仲介に大連立の話ができた時代の自民党じゃない。派閥談合の頂点ともいえる参議院会長の人事だって、ついに選挙で決着をつけることになったんだ。派閥の親分と裏で握って、なんてことをやろうとした瞬間、自民党にも分裂を生むことになる。それに応じるような親分が、今の自民党にいるか?

参加者F  参議院じゃ、問責決議が通るってわけだ。だけど菅さんだって、このままじゃ参議院で予算関連法案は通らないだろ。

参加者C  だから問題は、政権交代がない時代の、自民党=与党を前提にした時代の与野党協議ではなく、政権交代を前提にした与野党協議をどうするかってことだろ。言い換えれば、国会が政府提案を追認する儀式の場ではなく、ちゃんと中身を議論して、国民に分かる形で合意するってことができるかどうか、だ。

参加者E   そういう意味じゃ、今の「ねじれ」が教訓にすべきなのは07年じゃなく、98年ってことだな。世界的な金融危機のなかでの金融国会で、政策新人類と呼ばれる与野党の議員が「金融再生法」をまとめた。このときの民主党は菅、仙谷、枝野など、自民党が石原、塩崎、渡辺(喜美)などといったメンツだ。

参加者F   07年のねじれは、政権交代が控えていることもあって、自民党政権には交渉相手がいなかった。今回のねじれでは、小沢首班でなければ、民主党政権には交渉相手がいるってことか。小沢さんは剛腕と言われてきたが、それが通じる相手は限られているってことか。

参加者B   菅さんは参院選敗北の責任を取っていない。これはやっぱりおかしい。消費税だって、マニフェスト違反だ。

参加者C   参院選は、鳩山政権九ヶ月の政権運営に対する評価だ。お灸をすえたが、首相を代えろとはいっていないことは、世論調査でもはっきりしている。むしろ問題は、消費税についてブレたことだ。俺らがマニフェストに対して要求していることは、「何はできて、何はできないのか、きちんと説明しろ」ってことなんじゃないか。

参加者B   そりゃ、国債をバンバン発行して借金の山を築いてでも、あそこに書いてあることを一字一句、全部やれ、と言っているわけじゃない。だけど、まず税金の無駄遣いを徹底して洗い出してから、ということじゃなかったのか。

参加者D   そうそう、事業仕分けは断固、やるべきだ。ところで小沢さんは、最初の事業仕分けの時には、一年生議員の参加にストップをかけたが、今はどうなっているのかね。聞くところによると、事業仕分けに参加して仕事をしている一年生のなかには、小沢チルドレンはほとんどいないって話らしいが。

参加者F   世論調査では、確かに菅さんのほうが圧倒的に支持されているが、その理由ってのは「三ヶ月かそこらで首相を代えるのはよくない」っていう、消極的な理由だろ。これじゃ、やっぱり困るよ。その意味じゃ、小沢さん、菅さんともに正々堂々と政策論争をして、総理を選ぶにふさわしい代表選をしてもらいたいもんだ。

参加者E    自民党の参院会長だって、派閥の談合じゃなくて、選挙で決着つける時代だ。民主党の代表選、しかも首相を選ぶことになる代表選が、談合と逆走じゃ、目も当てられない。トロイカ体制なんて、要は選挙での決着を恐れる現状維持のヘタレじゃないか。自民党の参院会長選を見て、ある御仁が「本当に派閥の時代が終わった」とのたまったそうだが、この代表選も党員サポーターの参加で、トロイカとやらの「終わりの始まり」ってことにしようじゃないか。

【第一幕 第三場  タウンミーティング後の飲み会にて】
◆幻の代表選と空きカン蹴り

熊   小沢出馬で、代表選の構図もはっきりしてきたが、オイラが一番期待していたのは、若い第三の候補が登場して、徹底した論戦を挑むってことだったんだ。いまさら「トロイカ」でもないだろ。

代議士A  実は私も無投票になるようなら、若手が出るべきだと考えていたんです。以前からお話ししていたように、今の時代に必要な政治は、高度成長時代とはまったく違う政治です。例えば「トロイカ」といわれる世代のみなさんが生まれたのが、戦後直後。その人たちが還暦を迎えるころに、日本の人口もピークを迎え、そこから下り坂に入る。人生を終えるころの人口は、70年代に匹敵します。つまりこの方々は、高度成長時代のシステムとその余韻のなかで一生を過ごすことができるわけです。(熊  だから「ユデ蛙」っていうんだ)
しかしわれわれの世代は違います。子どものときにはまだ上り坂でしたが、社会に出たときにはもう下り坂が始まっていて、あとはひたすら下っていくだけです。還暦のころに、生まれたころの水準になり、その後は生まれたときを下回るなかで老後を過ごす。次は、一度も上り坂なんか経験したことがない、一生下り坂という世代です。
同じ財政赤字1000兆円といっても、われわれとは見えている風景がまったく違うんです。「あれも、これも」ではなく「あれか、これか」「何かをあきらめる」といっても、その実感がまったく違う。

八    高度成長モデルを転換しなければならない、ということは、国民は感覚的にはわかっている。だから「コンクリートから人へ」を支持したんだ。政権交代に託した本質的な民意は、「あれか、これか」「何かをあきらめる」、そういう政治への期待だったはずだ。アンタのような若手が立候補して、民主党政権があいまいにしているところを突っ込んで、論戦を繰り広げれば、政権交代を支持した輿論もはっきり見えてきたんだがな。

熊    そういう候補者が出てくれば、三十代市長に象徴されるうねりが、さらに社会的政治的な主張としてのインパクトを持つきっかけにもなっただろう。三十代市長が全員そうだとは言わないが、「あれか、これか」「これをやるために、あれをやめる」とはっきり選挙で訴えて当選してきた構造は、明らかにある。そこには、それを支持する老若男女の市民の構造もあるわけだ。

八    その場合はぜひ、推薦人は一年生だけで集めてほしかったな。もちろん年齢的には若くない人も含めて、何とかグループに関係なく横断的に、それこそさっきのAさんのような問題意識を共有するっていう一点で挑むってことでな。ま、幻の代表選になっちまったが。

代議士A  菅・小沢の正面対決ですから、これはこれで決着をつけなければなりませんよね。まあ、今日の共同記者会見も、どっちも突っ込みどころ満載でしたけど。

熊    これはカン蹴りだな。「短期間にコロコロ首相を代えるのはよくない」という消極的支持だけじゃ、空きカンだ。この空きカンをどっちから蹴るか。ちゃぶ台返し、二重権力、権力をとれば政策も財源も何とでもなる、という側から蹴るのか。それとも高度成長を前提とした価値観、システムと決別する、「あれか、これか」「何かをやるために、何かをやめる」という側から蹴るのか。その組織戦じゃないのか。

八    受け売りだがよ、イノベーションってやつはまず、軌道の変更から始まるんだそうだ。談合民主主義から政権交代民主主義へ、「あれも、これも」の分配から「あれか、これか」の選択へ、軌道の変更は見えてきた。軌道の変更が見えてくると、次は、担い手の変更だ。旧来の担い手から新しい発展の担い手への転換。ここに来ているってことじゃないのか。これは民主党内だけの話じゃない。

代議士A  代表選がどういう結果になるにしろ、首班指名、来年度予算の攻防、さらには統一地方選と、再編の火種はくすぶり続けるってことですよね。これは90年代に横行した永田町の席替えゲームではなくて、本質的には、21世紀型政治の軸をめぐる再編になると思います。もちろん、いろいろなゲ、ゲ(下世話な政局)の話はつきまとうと思いますが。
いずれにしろ、せっかくの代表選ですから、政権交代に託された民意を、しっかり受け止めて発信していくように自分自身、しっかり活動して、次へつなげていきたいと思います。


(戯作者)
ということで、第一幕はとりあえずここまで。第二幕が首班指名で幕を開けるのか、予算案の攻防で幕を開けるのか。はたまた逆走、禁じ手が暴発して幕を開けるのか。いずれにせよ、政権交代後の迷走、逆走を、政権交代以前に戻ってアレコレすることはできません。「まかせる政治」から「参加する政治」へ。民主主義のイノベーション、軌道の変更を、担い手の変更へと推し進めるための舞台です。

最後に、お婆からのメッセージをもう一度。「これは総理大臣を選ぶ代表選だ。お前さんたちも、投票資格のあるなしに関わらず、この国の主権者である以上は、大いにチョッカイを出して、民意のありかを見せつけようじゃないか」
戦え、代表選!

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石津美知子
「がんばろう、日本!」国民協議会
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