電子瓦版(転送はご自由にどうぞ) ━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━ メルマガ♯がんばろう、日本! 135(09.10.30) ━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━ 「がんばろう、日本!」国民協議会 http://www.ganbarou-nippon.ne.jp ================================== ▼ Index 国民主権の政府をつくる 鳩山政権を、その歴史的役割から検証するために ■国民主権の政府をつくる ■政治過程を国民主権の原理で動かす 政治過程の「見える化」 ■「重い現実」に向き合う視線を共有するためのインフラ整備 ■お知らせ ================================== ■国民主権の政府をつくる 鳩山政権が発足して一ヶ月。臨時国会の論戦も始まり、新聞などの論調も「ハネムーン期間」というわけにはいかなくなってきます。さらに年内の大きな山場となる来年度予算の策定では、政権交代の意義をどのように具現化できるかが、問われることになります。 選挙中よりも選挙後のほうが、マニフェストへの注目が高まる。これは明らかに、旧い政治文化からの転換です。野党自民党のなかにも、「単なる批判(批判のための批判)ではなく、マニフェストで政権を検証する」という分岐が始まろうとしています。 だからこそ、マニフェストを個々の項目の羅列として検証するだけではなく、その背景となっている「政策思想の軸」や政治過程(議院内閣制、政治主導)にまで踏み込んで、検証していくことが必要になります。 「任せる政治」から「参加する政治」へ。マニフェストの検証、政治過程や政策思想の軸の検証も、「白けた評論」なのか、主体的なチェンジを共有するものなのかによって、大きく違ってきます。 そのためにも、鳩山政権を検証するもっとも基本的な座標軸を見失わないようにしなければなりません。 鳩山政権の歴史的役割、それは明治以来の憲政史上はじめて国民主権の政府をつくるところにあります。政治主導や政府与党一体などは、国民主権の政府をつくるための方法論であって、単なる形式の話ではないのです。 【参照】 鳩山内閣の基本方針(9/16) 官邸ホームページ http://www.kantei.go.jp/ 菅副総理 インタビュー 「これは明治以来の革命だ」 中央公論11月号 ■政治過程を国民主権の原理で動かす 政治過程の「見える化」 議院内閣制では、選挙での有権者の一票によって議会の多数派と、それによって組織される政府が選ばれます(有権者→国会議員→首相→大臣→官僚という、権限委任の一元的な連鎖が生じる仕組み。『日本の統治構造』飯尾潤 参照)。 だからこそあらかじめ選挙では、政党が政権公約(マニフェスト)と首相候補とを責任を持って提示しなければなりません。このたびの総選挙は、こうした政権選択選挙が、下準備の段階から本格的な展開に入ったことを告げています。 ここから次のステップが始まります。ひとつは、議院内閣制の原理原則に則って国民主権の政府を作り、機能させること。もうひとつは政権交代を前提とした政党へと、政党をいかに鍛えるのか、ということ。(選挙互助会からの本格的な脱皮。政策による政党の規律化、その一体性と戦略性、ガバナンスの確立。) 鳩山政権の下では、政治過程を国民主権の原理で動かすための試行錯誤が始まっています。 法案策定過程がどう変化しているかについては、大塚耕平・内閣府副大臣の資料が参考になります。 http://www.oh-kouhei.org/home.html 10/14に掲載の資料のうち「old」「new」(いずれもpdf) 95兆円にのぼる概算要求についても、その絞込みにおいては、政治過程のよりいっそうの「見える化」が求められます。行政刷新会議は、その重要なツールとなるべきでしょう。 政治過程の「見える化」については、以下を参照。 ******************* 引用開始 ********************* 【第21回】 2009年10月20日 ダイヤモンドオンライン より ライフネット生命出口治明社長 特別寄稿 「政権交代で『政治の見える化』は期待できるか」 民主党政権が誕生して、1カ月が経過した。一般に、新政権発足後100日間はハネムーン期間と言われているので、拙速な評価は差し控えたいが、政権が「変わる」ということが政治にどれだけのダイナミズムをもたらすかということについては、既に市民が十分実感したのではないかと思われる。 新政権の取り組みで個人的に注目している点が3つある。 ◇「言葉の重要性」を根本に据える民主党の意気込み 1つは、マニフェストを実直に実行しようとしている点である。これまでは、政治の世界における「公約」は、選挙目当てのものが大半であった。政治家だけではなく有権者の側でも、選挙が終わればほとんどその中身を忘れてしまう、それが公約というものの実態だった。 現に政治評論家の中にも、民主党は安定多数を獲得したのだから、財源問題にも留意してマニフェストに捉われず柔軟な政策遂行に努めて欲しい、という注文を出す人が多い。しかし、新政権は、マニフェストをいわば国民の指令書として愚直に実行に移そうとしている。これは、朝令暮改が常態であったこれまでのわが国の政治の在り方から考えれば、かなり注目すべき動きではないか。すなわち、政治の世界に、「言葉の重要性」、言い換えれば、言ったことは必ず実行する、という先進国ではごく普通の市民政治の常識を持ち込もうとしているように見受けられるのである。 もちろん、子ども手当てなど、マニフェストを忠実に実行しようとすれば、たちまち財源の壁に突き当たることは請け合いである。しかし、実現の困難性等をひとまず置いて、何よりも最優先で言葉の重要性を、政治の世界の根本に据えようとする意気込みは、もっと注目されてしかるべきであろう。 ◇記者クラブのオープン化によって政治言論は近代化・合理化へ 2つ目は、いわゆる記者クラブのオープン化に熱心であることだ。〜以下 略〜 ◇政策プロセスの透明化こそ民主政治の根幹 3つ目は、審議会の類を整理しようとする動きである。典型は、前原国土交通相の国幹会議(国土開発幹線自動車道建設会議)廃止宣言であろう。前原大臣は記者会見で「(国幹会議は)急に招集させられて説明を受けて議論は数分という、まさに正当性を与えるための機関でしかない」と述べている。 審議会等については、もちろん、有用なものも多々あろう。中には、審議を公開しているものもある。しかし、その一方で、市民の目の届かないところで重要な政策が決定されていることも、また動かし難い事実である。 一例をあげよう。先の小泉政権ほど改革を標榜した政権はなかった。郵政改革は、毀誉褒貶はあったが、まだそれなりに市民に見える形で改革が行われた。しかし、鳴り物入りで始められた道路公団改革が、消化不良のまま、竜頭蛇尾に終わったことは、まだ記憶に新しい。どうして、あのような結果に終わったのか、その政策決定のプロセスの裏で何が起こっていたのか、誰しもが抱いた疑問だった。これらの疑問は、1人の気鋭のジャーナリストが丁寧に紐解いてくれた。星野眞三男の「道路独裁(講談社)」が、その本である。 この本は確かに力作であり、政治の現実を理解する上で極めて有用な書物である。しかし、優れたジャーナリストの手を借りなければ、政策決定のプロセスが理解できないこと自体を、我々は、もっと恥じなければならないのではないか。それは、情報公開を徹底し、政策決定のプロセス自体を誰にでも理解できるように透明化すること、つまりは「政治の見える化」にチャレンジすることに尽きるのだと考える。その意味で、審議会等の見直しも、また注目に値する。 よく考えて見れば、マニフェストの遵守も記者クラブのオープン化も審議会等の見直しも、すべては、言葉で政治を語り、議論を尽くし、そして、政策決定のプロセスを誰にでも見えるような形で行うという民主政治の根本に戻ろうとする壮大な挑戦の一環であるようにも思われる。これもまた、戦後初めての政権交代という高揚感の中で生じた一時的な楽観論の類に過ぎないのだろうか。 ******************* 引用おわり ********************** ■「重い現実」に向き合う視線を共有するためのインフラ整備 政治過程の「見える化」の先に、どんな21世紀型の政治を展望するか。 ******************* 引用開始 *********************** (「世界第二の経済大国」といった)過去のスローガンが死ぬ一方で、眼前には(グローバル化、人口減少といった)重い現実が広がる。〜中略〜そこで必要なのはリアリズムの徹底であり、ないものねだりや、ましてや「昔は良かった」という話ではない。 日本の政治は総じてこの基本的な作業を怠り、長期政権はこうした怠慢を続ける隠れ蓑の役割を果たしてきた。政権交代を機に、まず本当に国民が知りたいこと、知らなければならないことは、「本当は、日本がどうなっており、どうなりうるのか」を考え示すことで、必ずしも次に登場する特定の政策ではない。 俗に国民目線の政治とは、この認識を国民と可能な限り共有することから始まる。〜中略〜(この)視線を共有するためのインフラをきっちりとつくることである。これらは国民と政治の乖離を埋め、日本の政府のシステムが21世紀システムにキャッチアップするための前提である。 (佐々木毅 日経「経済教室」9/11) ******************* 引用終わり *********************** 鳩山政権では、すべてが「未体験ゾーン」です。試行錯誤は避けられません。それを前進の糧とするためにも、「国民主権の政府をつくる」というその歴史的役割から、この政権を検証していく政治文化を確立しよう。 =========== お 知 ら せ =========== ■葛飾区議選 11/1告示 11/8投票 米山章吾さん(同人) 2期目への挑戦 川越誠一さん(同人) 初挑戦 *葛飾区在住のお知り合いへ、お声かけをお願いします。 ■鎌倉市長選挙 10/25投票 松尾崇さん(同人)が、約四万票を獲得して初当選! 新しい30代市長が誕生しました。 ■第六回大会 政権交代「後」の、主権者運動の「次のステージ」をとらえる論理と問題設定とは。 2010年参院選、2011年統一地方選を視野にいれた、主権者運動の戦略を共有する場としたいと思います。ふるってご参加を! 2010年1月11日(祝) 午後 総評会館 シンポジウム終了後、「新年会」 ■望年会 今年を「忘」れず、新しい年を展「望」する、恒例の望年会。今年は以下の日程で行います。 ◎東京 12月12日(土) 午後4時より 「がんばろう、日本!」国民協議会 事務所(市ヶ谷) 会費 2000円 ◎京都 12月7日(月) 午後7時より コープイン京都 ******************************* 石津美知子 「がんばろう、日本!」国民協議会 http://www.ganbarou-nippon.ne.jp TEL 03-5215-1330 FAX 03-5215-1333 |