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メルマガ♯がんばろう、日本!         125(09.2.6)
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▼ Index
□ゴーストバスターズ!
「中選挙区の亡霊」も「やる、やる詐欺」も退治しよう

□定例講演会のお知らせ

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ゴーストバスターズ!
「中選挙区の亡霊」も「やる、やる詐欺」も退治しよう


熊   衆議院予算委員会が始まったが、「やる、やる詐欺」で紛糾だ。

八   ありゃ、まったく前原さんの言うとおりだよ。民主党が追及している「天下り」「わたり」「道路」「年金」、どれも小泉政権以降、歴代の自民党政権が「やる、やる」と言って何ひとつやろうとしていない問題だ。「わたり」なんぞは、法律で禁止したにもかかわらず、「政令」で堂々と認めている。「認めない」と首相みずから明言しているにもかかわらず、政令から「わたり」を認める部分を削除しない、と言い張るんだから。

熊   一年ごとに総理が政権を放り出し、閣僚がコロコロ変わっているんだから、どうしようもないと言えばそのとおりだが、それにしても、首相はもとより閣僚の答弁はどれも、国会審議の積み重ね、決定に対してあまりにも無責任すぎる。

予算委員会の論戦については、以下をご参照
●上杉隆 ダイヤモンドオンライン「衆院予算委で民主党が猛攻撃、憤りと失望の国会論戦を見ない手はない」    http://diamond.jp/series/uesugi/10064/
●まぶちすみおの「不易塾」日記 http://mabuti-sumio.cocolog-nifty.com/blog/

八   マネーゲームにあけくれる業界では「売ったら逃げろ」というのが鉄則だそうだが、永田町・霞ヶ関の業界も「口からでまかせ」「その場かぎり」「逃げまくり」が、とくに小泉政権以降、横行しているってわけだ。「道路財源の一般財源化」も「消費税」も、与党内の駆け引きはあっても、まともな政策論争、政策判断はいっさいなしだ。

熊   ついには「郵政民営化の見直し」ときた。たしかに、かんぽの宿に象徴されるように、民営化にともなう国有資産の売却がルール化されていないのは、大きな問題だ。国鉄やNTTの民営化の際にも「いいとこ獲り」(クリームスキミング)の問題はあったが、曲がりなりにもルールがあった。郵政民営化では、「抵抗勢力」とのドンチャン騒ぎにうつつを抜かして、その程度のルールさえ決めなかったってことだからな。

八   だからといって、「郵政民営化」だけを争点にした総選挙で得た議席のままで、「郵政民営化の見直し」ってのは、あまりに有権者をバカにした話じゃないか。ついでにいえば、どんなに解散総選挙を逃げまくっても、衆議院の任期は九月までだ。その任期を超える21年度予算まで、白紙委任されたわけじゃない。ましてや「三年後の消費税」を云々する資格は、今の議員にも政権にもない。それができるのは、マニフェストを掲げて総選挙で選ばれた政権と国会だけだ。

熊   給付金にみられるように、民意は明らかに成熟している(メルマガ123号参照)。それがまるでく見えない「逃げまくり」の世界のなかで、延命のためだけに策を弄しているってのが、官邸と与党の姿だろう。考えてることは、世論(輿論とは区別される「空気」のようなセロン)に対する目くらまし、サプライズってことだけだ。

八   郵政劇場選挙の「夢よ、もう一度」とばかり、表紙をタレント知事に変える、なんてことも平気ででてくる。セロンもバカにされたもんだ。

熊   最近は、「一院制」やら「定数削減」のアドバルーンだ。小泉サンあたりが「一院制をマニフェストに!」とか叫んでいる。ごていねいに読売(2/5)は、「首相人気はいぜん小泉」というセロン調査を出している。(07年の「大連立騒動」では、どなたがフィクサーを気取ったんでしたっけ?)

八   新手の「やる、やる詐欺」か? 一院制なんて、憲法を変えなきゃできないんだから、マニフェストに書くようなことじゃないだろう。

熊   そこが狙い目よ。一院制の理屈には、「ねじれ」の問題(「ねじれが問題だ」というなら、そもそも議会=討議を通じた合意形成=は要らない、ということになる!)と同時に、「増税の前に政治が自ら身を削れ」ということがある。憲法改正が必要だから一院制はすぐには無理だ、ならば「定数削減だ」「歳費削減だ」という話につなげようってことだ。

八   どっちにしても、議院内閣制を機能させようって話に対する「目くらまし」ってわけだ。霞ヶ関も永田町もけしからん、増税の前に身を削れ、という話はセロン受けするからな。
(「ある発言を前にしてそれが輿論か世論かと悩むことで、民意のリテラシーは向上する」佐藤卓巳『輿論と世論 日本的民意の系譜学』)

熊   定数削減は、選挙制度の変更とセットになるところがクセモノだ。比例の削減や廃止では、公明党は猛反対だ。公明党と自民党の利害が一致するのは、中選挙区の復活だ。つまり「一院制」のアドバルーンや「定数削減」の掛け声の“落としどころ”は、中選挙区の復活ってわけだ。

八   それこそ、とんでもないご都合主義だ! 自民党の派閥ごとに争う中選挙区ではカネがかかって大変だ、政策・政党本位の選挙にし、政権交代可能な政治にする、といって小選挙区にしたはずなのに、いざ政権交代が現実味を帯びてくると、選挙制度を変えようってか? 「やる、やる詐欺」もビックリだ。

熊   自民党執行部の一部は、「次の選挙は『政治改革』だ」と言っているそうだ。麻生さんも、「定数削減」をマニフェストの目玉にするように、と指示したという。消費税論議のときに出ていた「増税の前にやるべきことがある」という若手の声も、このなかにとりこもうって寸法だろう。

八   よほどのことがない限り安泰だった中選挙区が懐かしい、永遠に与党でいたいという「亡霊」がうごめているってわけだ。こりゃ、「政治改革」やら「定数削減」やらという話は、よほどマユツバで見極めないといけないな。

熊   さすがに「中選挙区復活」と、表立っては言えないからな。だから表看板には、別のことがそれらしく書いてあるわけだ。それを見極めるのが、民意のリテラシーってもんよ。

八   行政権力に与ることが政治だと思っていれば(まさに「与党」)、野党の「政治活動」なんてものは想像だにできない。こういう中選挙区の亡霊たちに見えているのは、「おねだり」「お任せ」の利害関係者と、せいぜいがヨロンだ。だが、国会での政策論戦に民意を反映させ、また民意を政策に収斂させるという訓練を集積してきた「小選挙区世代」の議員には、矜持をもちつつある民意、輿論を形成しつつある民意が見えている。予算委員会の論戦は、その違いを鮮やかに反映しているといえるんじゃないか。

熊   与野党ともに、そういう民意が見えている、民意と対話しながら政策を論じられる議員が軸になってこそ、健全な二大政党への糸口が見えてくるってもんだ。十五年かけてようやくそのとば口が見えてきた。ここで、中選挙区の亡霊をうごめかせてなるものか!

♪われらゴーストバスターズ
「中選挙区の亡霊」も「やる、やる詐欺」も退治しよう♪
(Ghostbusters 幽霊退治屋) 

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定例講演会のお知らせ
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□第88回定例講演会□ 
「オバマ政権発足と世界秩序の変化」
対談 中西寛・京都大学教授/李鍾元・立教大学教授
2月7日(土)15時より18時
日本青年館 504 (千駄ヶ谷駅より徒歩9分)
◆オバマ政権の発足はアメリカにとってのみならず、世界にとっても大きな変化を意味します。折からの「百年に一度」といわれる経済危機ともあいまった国際秩序の大きな変動・再編期をどうとらえるか。このなかで、日米関係や東アジアの国際関係はどのような再編の課題に直面するのか。第一人者のお二人による超ビッグ対談です!

□第89回定例講演会□ 
「政権交代への剣が峰−予算委員会の攻防」
講師 枝野幸男・衆院議員、衆院予算委員会次席理事
3月24日(火)18時30分より
総評会館 203 

***** 定例講演会の参加費 ********
会員 1000円 一般 2000円
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□第16回 関西政経セミナー□
「低炭素化時代の日本の課題」 
3月1日(日)午後2時より メルパルク京都
講師 諸富徹・京都大学大学院准教授
パネルディスカッション 諸富先生、福山哲郎・参院議員、隠塚功・京都市議
            上村 崇・京都府議、中小路健吾・京都府議
17時すぎより懇親会
会費 4000円(懇親会とも)

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石津美知子
「がんばろう、日本!」国民協議会
http://www.ganbarou-nippon.ne.jp
TEL 03-5215-1330 FAX 03-5215-1333