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「がんばろう、日本!」国民協議会
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▼ Index

□ 総選挙で信を得ることこそ、最大の景気対策
〜主権者の審判を逃げまくる道を断って、「政権交代があって当たり前」の
議院内閣制へのとば口を開ける総選挙へ、輿論の力で攻勢を

◆“逃げまくり”太郎が招く「政治空白」
◆景気対策に名を借りた「失われた10年」の再現を許すな

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総選挙で信を得ることこそ、最大の景気対策

〜主権者の審判を逃げまくる道を断って、「政権交代があって当たり前」の
議院内閣制へのとば口を開ける総選挙へ、輿論の力で攻勢を

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◆“逃げまくり”太郎が招く「政治空白」

熊  「私は絶対に逃げない」と大見得を切っていた麻生総理が、いよいよ「先送り」を表明せざるを得なくなった。「解散を打つために選ばれた総理」が、「解散を打てない総理」に成り果てた格好だ。

八  “逃げまくり”太郎だな。一度目は、総裁選の勢いを借りて解散総選挙という当初のシナリオからの逃げ。総裁選も「見せ物」型と見透かされ、支持率も期待したほど伸びなかった。そこで折からの世界金融危機を「渡りに船」と、景気対策に逃げ込んだ。

熊  ところがその間にも、日経平均は連日つるべ落とし。1兆8千億円規模の補正予算にこだわる間に失った株価は、東証一部だけでも100兆を超えるといわれる。成熟した民主政なら、すみやかに緊急対策を講じた後に解散総選挙を行い、国民の信を得た政権で本格的に危機に対応する、というのがスジだ。現に危機の震源地アメリカでは、堂々と大統領選挙をやっている。

八  補正予算の成立を受けて解散、11月30日投票というシナリオは、その線に沿ったものでもあったはずだ。ところがその決断ができない。「政局より政策」と言い始めるのが二度目の逃げだ。総選挙を政局というレベルじゃあ、金融危機の前に動きがとれなくなる程度の民主主義ってことだから、この激動の前にすくんじまう。これこそが「政治空白」だ。よそと比べてもダントツの株価の暴落は、その証明ともいえるんじゃないか。

熊  そして今日、三度目の逃げを正式に表明したわけだ。景気対策を表向きの理由にしているが、じつは自民党の最新の調査で「民主が単独過半数」という結果が出たことも決め手になっているようだ。「冒頭解散」のシナリオに二の足を踏むことになった九月下旬の最初の調査では、与党の議席はまだ230超の予想だったのが、一ヶ月たって(この金融危機の間に)200議席超へと落ち込んだわけだ。主権者の審判を逃げまくるという、民主主義の大原則に逆行する行動こそが「政治空白」の元凶だ。

八  こうなりゃ、「総選挙で信を得ることこそ、最大の景気対策」という輿論の攻勢をかけていくことだ。今必要なのは小手先の「株価対策」じゃなくて、「大きく変わる」という期待を生むことだ。大統領選で局面を転換しようとするアメリカ、英仏独首脳の連携で市場にメッセージを送るEUのように、「期待」を生み出す政治のメッセージとアクションが必要なんだ。

熊  解散総選挙になりゃ、日本は「買いだ」ってな。そうなりゃ、俺のネット株も持ち直すってもんさ。おっと、これは女房には内緒だからな。


◆景気対策に名を借りた「失われた10年」の再現を許すな

八  追加の景気対策を行うってことは、補正予算案をこの国会に提出するってことだろう。今度こそ「逃げずに」財源を含めてきっちり、国会審議で明らかにしてもらおうじゃないか。追加の経済対策とやらは20兆円規模、財政支出分は5兆円というそうだから、「危機だから」と目をつぶって「ハイ、そうですか」というシロモノじゃあない。

熊  景気対策に名を借りた「失われた10年」の再現を許しちゃならねぇ。解散総選挙を先延ばしにするなら、追加の補正予算案も含めて、景気対策について徹底した国会論戦を行い、改めて国民の前に選択肢を提示すべきだ。〇五年郵政選挙の俺らの一票は、補助金と公共事業バラマキという過去の自民党政権の「景気対策」を再現することへの白紙委任じゃねえんだから。

八  定額減税、高速道路の値下げ、地方に配る交付金、中小企業の信用保証、住宅ローン減税などが主な柱のようだが、これのどこが「日本の経済構造を変える」「一過性のものではない」政策なんだ?

熊  民主党は29日、麻生総理が30日に発表する追加経済対策に対抗する追加景気対策の原案をまとめた。次期衆院選マニフェストから、ガソリン等暫定税率の廃止、後期高齢者医療制度廃止、高速道路無料化、子ども手当などの主要施策をすべて盛り込み、中小企業対策に重点を置いたのが特色。所要経費は計13兆円。

八  景気対策は家計、国民生活に直接届く対策でなければならない、という点では方向性は大きく違わないだろう。もちろん年金や医療などの制度設計については、かなりの違いがあるが。やはり大きな違いは「財源」だ。与党案は、赤字国債は発行せず(建設国債は発行? 「赤字」と「建設」の区分けは日本国内でしか通用しない話)、いわゆる「埋蔵金」の一時的流用を充てるようだ。

熊  そこだよ。民主党は「国の総予算212兆円を全面組み換え」としている。つまり「埋蔵金」をしこたま抱えた特別会計や特殊法人という財政構造そのものを変える、ということだ。与党のように特別会計、特殊法人も含めた国の総予算の構造に手をつけず、官僚内閣制の惰性にまかせた財政構造のままなら、何をやってもバラマキになる。

八  「埋蔵金」の流用には、余剰分は国の借金返済に充てると定めた法律の改正が必要になる。ここはズバリ、国会での徹底した論戦で、既存の財政構造に手をつけないままの「つじつまあわせ」なのか、そこを変えるのか、その違いと選択肢を鮮明にしてもらいたいもんだ。
 
熊  道路特定財源を一般化するのに伴って、1兆円を地方にということも、既存の補助金構造(国の指示、基準に地方が従う。地方の自由裁量はない)がそのままでは、効果は期待できない。そもそも霞ヶ関で作った全国一律の景気対策など、機能するはずがないことは、98年の「総合経済対策」という名のバラマキでも明らかだ。その結果、地方に残ったのは使われないハコモノと借金の山だ。

八  定額減税だって、バラマキそのものだってことは98年の「地域振興券」で証明済みだ。そこのところもしっかり議論してもらいてぇ。2兆円を一年限定でばら撒くのと、ガソリンの暫定税率廃止や高速道路無料化で恒久的にばら撒くのと、どっちが「スジのいいバラマキ」なのかってな。

熊  面倒なのは、案外、道路特定財源かもしれない。一般財源化して1兆円を地方にとしているが、08年度予算で既に7千億円を地方に渡すことにしている(道路整備臨時交付金)。そのうえさらに1兆円となると、道路財源3.3兆円の半分を地方に「取られる」ことになるってんで、霞ヶ関も族議員も大反対だ。「1兆7千億も地方に回せば国の予算が圧迫される。こんな案が実現するとは思えない」(財務省)「今の段階で詰めるとおかしくなるので実際には年末の予算編成の時にお茶を濁すのでは」(国交省)「こんなことを実現したら道路なんてできない。古賀さんが『とんでもない』と巻き返しに動いている」(道路族議員)(いずれも朝日10/30)

熊  さっきの総理会見でも、合計1.7兆円を渡すのか、全部で1兆円なのか(08年度予算に3千億上積み)「まだ決めていない」んだってさ。よくそれで「経済対策を決めた」とシャシャリ出てくるもんだな。官僚内閣制の惰性の上にのっかって延命している姿が、ますます明らかになってくる。

八  解散のための麻生内閣では、本来なら選挙向けメニューを示すだけだったはずなのに、解散を見送ったために、年末の税制改正や予算編成までに財源問題を具体化しなくてはならなくなったツケが、こういうところに噴出してくるってわけだ。自民党内からも「麻生じゃ選挙は戦えない」って、ふざけた声が出かねない。いよいよ「野垂れ死に」じゃないか。

熊  「政治が動かない」ってのが「ねじれ」国会のせいではなくて、官僚内閣制の惰性だってことが、ますますはっきりする。国会論戦をちゃんとやって、それを有権者に見せていけば、「ねじれ」のおかげで、景気対策・経済政策をめぐる選択肢ははっきりするわけだからな。

八  官僚内閣制の「野垂れ死に」が引き起こす政治空白を長引かせないためにも、解散総選挙で信を問え、という輿論で永田町を追い込んでいかなければならないわけだ。「政権交代は民主党のためでもなければ、自民党にお灸をすえるためでもなく、官僚を懲らしめるためでもない。日本の民主政の安定のために政権交代が必要だ」という民意のうねりを創りだそう。

熊  この期に及んで、「国民の信を問うのが王道だ」と主権在民の常識を訴える(「ひとり言」ではなくて)議員が、自民党には約一名のみってのも情けない話だが。

【参照】
「日本再生」354号(11/1発刊)
各掲載記事を以下の視点から参照されたい。

□総選挙の争点を読み解くために
マニフェスト・財源論 大塚参院議員インタビュー
総選挙の争点設定   福山参院議員インタビュー
□政治参画プロセスの構造改革の視点
主権在民の原則から、分権、二元代表制、議会改革の論点を整理する
 ゲストスピーカー・福嶋浩彦氏


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