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「がんばろう、日本!」国民協議会
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□「逃げ場のない選択を問う」ステージへ、既存政党を否応なく迫り出せ

□ お知らせ/定例講演会

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「逃げ場のない選択を問う」ステージへ、既存政党を否応なく迫り出せ
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 この九月で衆議院の任期はいよいよ残り一年を切り、解散・総選挙にむけたカウントダウンが本格的に始まることになる。「内閣改造」「臨時国会召集時期」をめぐる駆け引きは、その幕開けだ。
 内閣改造を行えば、福田総理の下で解散総選挙を行う決意を示すことになる。しかし改造が求心力アップにつながらなければ、「これでは選挙は戦えない」という自民党内の「福田降ろし」に弾みがつくリスクもある。また改造で「福田カラー」を出すとすれば、財政再建優先か「上げ潮」か、改革の続行か見直しか、といった党内の論争にも一定の方向性をつけることが必要になるが、その場合にも対立の火種は残る。万が一、「福田カラー」の方向性を出さずに、各派閥の入閣待ちリストから選ぶような改造を行えば、世論からは完全に見放される「自爆」に等しいことになる。

さまざまな問題をあいまいにしたまま逃げ切りを図ろうという「何が何でも政権維持」では、いよいよニッチもサッチも行かない局面に立ち至っている。
「政治が動かない」のは、ねじれのせいではない。衆参の多数派が逆転してから一年、いよいよ「選挙で示された民意で政治を動かす」という以外の選択肢はなくなった。大連立の軽挙妄動は封じられたし、「政界再編」という幻想の余地も(総選挙前には)ほとんどない。三分の二による再議決も行ったし、問責決議も出した。総選挙で民意を問う、という以外に政治を動かすすべは、もはや残されていない。

「何が何でも政権維持」vs「何が何でも政権奪取」のすくみ合いから、「逃げ場のない選択にどう向き合うか」というステージへ、既存政党を否応なく迫り出していかなければならない。

与党は選挙を恐れて、国民負担を伴う政策を軒並み先送りさせている。〇九年から基礎年金の国庫負担率を現行の三分の一から二分の一に引き上げることは、〇四年の「百年安心」プランで決まっている。このためには約二・三兆円の財源が必要になる。与党内では「選挙前に増税はできない」として、開始を〇九年四月からではなく半年以上先にずらして財源負担を抑えよう、という話さえ出てきている。強行採決までした「百年安心」の前提そのものを、与党がチャラにしようとしているのだ。これでは「政治が動かない」のは当たり前だ。

一方の民主党も政権交代に王手がかかる状況を前に、「党を割らない」ことにばかり腐心している。総選挙の結果次第では、この九月の代表選で選ばれた党代表が次の総理になる。その代表選が堂々たる政策論争によってではなく、「党を割らないように」という身内の論理で行われるようでは、政治を動かすエネルギーはいったいどこから生まれてくるというのか。

 こうしたなかで連立を組む公明党は、ジワリとフリーハンド的スタンスを取り始めた。洞爺湖サミットでも内閣支持率がほとんど上がらなかったという世論の動向が、決定的に舵を切らせたといわれている。
「――『自民党は泥船だ』という声も党内にあります。
 泥船になるかどうかは、選挙結果による。公務員の不祥事や無駄遣いに切り込むべきだ。立法府として役人の側に立つのか、国民の側に立つのか、問われている。負担の前に、希望が先だ。自民党には夢もないし、自己改革もない、負担もない。このままの自民党だったら、選挙に勝てないどころか、政党としてもダメになってしまう。
――それでも自民党との連立を維持するのですか。
 自公両党で過半数を取れば、三分の二の議席を失っても自公政権だ。ただ、何のために政権に入るのかを明確にすることが次の選挙では必要だ。今まで(連立を)八年やってきたから、次も自公政権が当然だ、というのは違う。
――自公両党の議席が過半数に届かなければ?
 野党として、政策実現のために交渉する。連立野党(という選択)はない。政権を取った民主党が『この政策を一緒に実現しましょう』と言ってきたら、話し合いだ。『民公』か『自公』かではなく、自分たちの政策を実現するため政権に入るという『錦の御旗』を掲げることが大事だ。公明党の原点である福祉、平和の旗を堂々と掲げる」
(高木陽介・公明選対委員長 朝日7/25)」

 各種世論調査によれば、内閣支持率は二割台からぎりぎり三割、不支持率は六割台。政党支持率こそ自民、民主に大差はないが、「次にどちらに勝ってほしいか」という設問には、民主が自民を大きく上回る状態が続いている。民主党の対立候補が決まっていないにもかかわらず、自民現職が10ポイント負けている選挙区さえあるという。
 この傾向は底固いものがある。経済社会の大きな構造転換に対応できない五十五年体制の惰性、これを止められない官僚内閣制の機能不全。社会保障(年金、医療、介護)の崩壊に端的に表れているのは、個々の政策の失敗というよりも、こうした構造的な問題である。それを感覚的に察知するからこそ、有権者は「ここまできたら、一度民主党にやらせてみたら」という意識になる。もちろん民主党の政権担当能力への疑問もあるが、それ以上に現状打開を求めているということだ。明治維新だって、できもしないことを承知で「攘夷」をスローガンに、政権をとった後は「文明開化」に舵を切った、という見方もできるのだから。

 このうねりを恐れるな。選挙で民意を受けた政治にしか動かせないものがある、ということは「小泉郵政選挙」でも明らかだ(選択の中身は別として)。さらに言えば、自民党が歴史上はじめて野党に転落した九三年の政権交代も、それまで永田町の力学ではどうしても動かなかった選挙制度改革を行い、今日に続く政治構造改革の起点となった。政権交代というエネルギーを得てこそ、時代の変化に対応した構造的な改革を動かす政治が可能になる。

 自民党は野党になることを恐れるな。政治の安定には「良い野党」の存在が不可欠である。変動期には、なおさらそうだ。「何が何でも政権維持」vs「何がなんでも政権奪取」というすくみ合いの与野党対立から脱皮できれば、日本の議会制民主主義は大きく前進する。野党になることで党改革も大胆に進む。野党になる勇気を持てば、国民負担を求める政策でも堂々と正論を打ち出すことができる。〇四年参院選で、年金一元化とセットで財源に消費税アップを掲げた民主党が自民党を上回る得票(比例)を得たように、国民はそれほど愚かではない。

 民主党は野党のメリットを徹底して活用すべきだ。与党が政権運営にとられる時間を、役所の手を借りずに自力で政策をつくり、有権者との対話を通じてマニフェストを作成するために使えるのは、野党の優位性だ。だからこそ「あれも、これも」ではなく「何をあきらめるのか」の選択を問うマニフェストが作れるはずだ。どんなに精緻に負担と給付を計算し尽くした年金の制度設計でも、国民の信頼がなければ成り立たない。財源問題とは、数字のつじつま合わせの話ではなく、信頼できる政府をつくれるか、という問題なのだ。
現状打開を求める世論を「一発勝負の政権交代」に流し込んで、信頼できる政府を作れるわけがない。国民はそれほど愚かではない。

「何が何でも政権維持」vs「何が何でも政権奪取」のすくみ合いから、「逃げ場のない選択にどう向き合うか」というステージへ、既存政党を否応なく迫り出していくための主権者運動のうねりを作り出していこう。
政治を動かすのは、ほかでもない主権者の一票だ。どんなに立派でも政党や議員に主権はない。ましてやどんなに優秀でも、官僚に決定権はない。「逃げ場のない選択」に主権者として向き合い、「堂々たる政権選択選挙」のステージへと、既存政党を否応なく迫り出していこう。

(以下、「日本再生」351号 8/1発行 へ続く)

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お知らせ 定例講演会
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会員 1000円/一般 2000円

□第84回定例講演会
「民主党の脱地球温暖化戦略」
講師 福山哲郎・参議院議員、民主党地球温暖化対策本部事務総長
8月1日(金)18時30分より
アルカディア市ヶ谷(私学会館)4階「鳳凰」

******************************* 石津美知子 「がんばろう、日本!」国民協議会 http://www.ganbarou-nippon.ne.jp TEL 03-5215-1330 FAX 03-5215-1333