電子瓦版(転送はご自由にどうぞ) ━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━ メルマガ♯がんばろう、日本! 113(08.3.28) ━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━ 「がんばろう、日本!」国民協議会 http://www.ganbarou-nippon.ne.jp ================================== ▼ Index □ 「日切れ」で明らかになる官僚内閣制の不条理、非常識 主権在民の方程式で政治を動かす“気づき”の連鎖を □ お知らせ/定例講演会/関西政経セミナー ================================== 暫定税率期限切れを目前に、福田総理から「09年度からの一般財源化」という提案が行われました。 「党内合意がとれるのか/とれなければ所詮“マユツバ”」「年金の与野党協議も、肝炎の与野党協議も結局“騙し”だった」という不信や懸念は当然でしょう。しかし一方で、首相が与党に対してではなく、国民に直接呼びかける形で「09年度からの一般財源化」を表明したインパクトは、やはり無視できません。そうはいっても、あれだけ何度も念押しした「3月31日までに、最後のお一人、最後の一円まで」という「約束」も、知らぬ存ぜぬになってしまうわけですし、総理の言い方を聞いていると「財政権限が国交省から財務省に移るだけ」としか考えていないようなフシもある…。 とはいえ、ここはやはり民主党が、協議に応じるにしろ、応じないにしろ、国民にきちんと説明し、メッセージを届けるべきでしょう。「なんたら三原則」というだけでは、説明責任を果たしたことになりません。こういうところでこそ、政権担当能力の可能性が試されているはずなのですが…。国対政治を通じてしか、何をしようとしているのかが伝わらない、というのでは…。 347号一面にもあるとおり、「輿論」(世論ではなく)や主権者ということが、キレイゴト、建前としてではなく、具体的な現実として見えていなければ、それに向かって何かを語る、発信するメッセージ力、伝達力は生まれません。これを確実に蓄積しつつある構造(国、地方問わず)は、与野党ともに生まれつつあります。 ================================== □ 「日切れ」で明らかになる官僚内閣制の不条理、非常識 主権在民の方程式で政治を動かす“気づき”の連鎖を ================================== 戦後初の日銀総裁「空席」に続き、道路特定財源・暫定税率の「期限切れ」が確実になってきた。衆参両院の決定が異なるという「新しい政治状況」の意味、すなわち五十五年体制・官僚内閣制の先例ではいかなる意味でも政治が動かないという新次元に入ったことを、既存政党も否応なく追認せざるをえなくなった。 「日切れ」で明らかになっているのは官僚内閣制の不条理であり、日程国会・国対政治の機能不全である。国対政治の政局発想では、この攻防はチキンゲームにしか見えないだろう。当然、それをやりぬく胆力はない。官僚内閣制の不条理、非常識を暴き出すところまでこの攻防をおしすすめる決断や確信は、主権者から付託を受けた者として、主権在民の方程式で「新しい政治状況」をマネージするというところからのみ生まれてくる。 例えば結果として空席となった日銀総裁人事で明らかになったことは、内閣が決定すれば国会はそれを追認するだけというこれまでの「常識」が、じつは「非常識」にほかならないこと、「(不同意では)混乱するから困る」というのは「たすきがけ人事(財務省の天下りポストとしての日銀総裁!)」の「常識」にほかならないということだ。そういう時代がリセットされざるをえなくなった。「あるべき」日銀総裁人事の基準は、ここからスタートする。 「金融敗戦」の処理をうけて作られた新日銀法は、六人の審議委員と正副総裁で構成される「政策委員会」を最高意思決定機関としている。議長は互選であることからも、審議委員は議長足りうる人材ということになる。審議委員をこのように選んでいけば、正副総裁候補の枯渇という事態も避けられるはずだ(詳しくは大塚耕平参院議員のメルマガ参照。)中央銀行としての政策決定過程の「あるべき姿」をどう築いていくかという課題が、ここからようやく見えてくる。「日銀総裁人事」を政局発想の駆け引きで扱うところからは、これは絶対に見えてこない。 道路特定財源・暫定税率の「日切れ」によって明らかになっているのも、三十四年間も続く「暫定」が当たり前だと思ってきた官僚内閣制の不条理であり、中央集権制の非常識であり、日程国会・国対政治の機能不全にほかならない。例えば、片山・前鳥取県知事はつぎのように指摘している。 「清水(記者) 道路特定財源はどうすべきだと。 片山 一番重要なことは特定財源制をやめることです。その上であらためて(上乗せ分の)暫定税率が必要かどうか検証すればいいと思います。 特定財源制は特定の人から税金を取って、納得してもらうため、その人たちの利益になる特定の目的にしか使えないように縛るものです。ところが、いまやガソリン税はドライバーだけでなく、バスやタクシーに乗る人も間接的に負担しています。ほとんどの国民が納税者で、消費税とあまり変わりません。 国土交通省の役人や道路族議員はドライバーから税金を取って、一般財源にしたら理解が得られないと言いますが、こじつけです。そもそも、納税者は一般財源でいいという人の方が多いではないですか。 それに、全国の自治体がみんな道路は重要だと言い張っているのだから、使い道を縛る必要もありません。では、何を縛っているのか。道路を造りたい国交省と族議員が、教育や福祉に税金を使ってほしい国民を縛っているんです。 清水 でも、知事や市町村長はみんな一般財源化に反対ですね。 片山 全く不可解です。道路が重要な人は特定財源でなく一般財源でも、道路に使えばいいんだから。中には道路よりも教育が重要だと思う人もいるでしょう。一般財源になったら、その人もハッピーで、どっちもハッピーですよ。『道路にしか使えないようにしてくれ』なんていうのは合理的でない。 清水 地方は中央官庁から圧力をかけられて、一般財源化反対の『やらせ陳情』をしているという指摘もあります。 片山 国交省や道路族への気兼ねとか、恐怖感があるんでしょうね。賛成したら『そうですか、あんたのところは道路がいらないんですね』って言われるのではないかと恐れているんですよ。 清水 三月末までに租税特措法改正案が成立しないと、暫定税率の期限が切れます。政府や自民党は地方財政に穴があくと騒いでいます。 片山 地方自治体で財源の当てが外れるなんて、しょっちゅうあります。公共事業は国から補助金がくると思って(予算を)計上します。それがこないと、年度途中で減額補正してバラバラ落とす。今回だけ大騒ぎしているのは不自然です。 自治体も不見識ですよ。法律が三月で切れることになっているのだから、それを前提に行動すべきですよ。危機管理ができていない。 清水 クルマの通らないような高速道路はいりませんが、過疎地の生活道路はやはり必要です。道路整備の在り方は。 片山 道路だけでなく、教育も福祉も子育ても全部同じ土俵に乗せて、何を優先すべきか考えるべきですよ。こんなところに道路を造るんだったら、子どもたちの学校の環境整備の方が重要だとか、それよりも、こっちの道路を造るべきだとかね。そういう議論をしなきゃいけない。 清水 民主党も一般財源化を主張してますが。 片山 税率を下げると言いながら、地方の道路も造れるようにするというのはペテンです。リストラで所得が減って、そこにガソリンが高騰し困っている家庭が多いから、ガソリン代を下げましょう。でも、そうすると、五年でできる道路が七年になるかもしれないけど、そこは理解してほしい。こう言わないと。 清水 今回の騒動は、小泉純一郎元首相が『ぶっ壊した』はずの政官業の癒着構造が壊れてなかったということですか。 片山 いや、壊れゆくものの、最後のあがきですよ。壊れているからこそ危機感が生じ、わざわざ十年延長とか、誰が見ても納得しないような案を出すわけです。やっぱり落ち目になると、読めなくなって、より深みにはまるようなことをするんです。弱り目にたたり目だと思いますよ。 清水 こんな調子で地方分権はできますか。 片山 できませんよ。小泉さんが分権と言ったら、地方も『分権、分権。もっと自由をよこせ』。今度は総務省と国交省が特定財源って言うと『特定財源、特定財源。縛ったままにして』でしょ。一貫しているのは権力者の言うことを踏襲していることだけです。 もう顔触れが変わらなきゃ駄目ですよ、国会議員も首長も。平気で自分たちの主張してきたことと違うことを言って。本当にみんな恥知らずになりましたよ」(東京新聞3/4) 政官業の癒着・依存と分配の構造からは、「四月パニック」説やら「国民生活を人質にとって日程闘争」という発想になるが、四月一日を超えればもはやこうした「チキンゲーム」そのものがリセットされる。いったん期限が切れた暫定税率を、再び増税するのかどうか。「60日ルール」に基づいて四月末に衆議院での再議決を目指すというなら、政府・与党は増税の理由・根拠を国民に納得のいくよう説明する責任がある。 「日切れ」によって官僚内閣制の不条理、中央集権制の非常識があきらかになったからこそ、ここから道路特会は本当に必要なのか、一般財源化すべきかという「あるべき姿」を議論できるようになる。ここで実のある議論がどれだけできるか、まさに議会が試される。道路族と党税調が牛耳ってきた議論が国会でオープンにされることによって、官僚内閣制では見えなかった「決定過程」(国会)が、見えるようになってきた。だからこそ、議論をつうじて合意形成をする、あるいは違いを明確にするというように、主権在民の方程式で決定過程をマネージすることが問われる。 (以下「日本再生」347号 4/1発刊 に続く) □◆□ お知らせ □◆□ □第81回定例講演会□ 「主権在民の方程式で政治を動かす 〜通常国会の中間総括〜」 枝野幸男・衆院議員 4月14日(月)18時30分より アルカディア市ヶ谷 4階「鳳凰」 **期限切れがわかっていた「暫定税率」「日銀人事」。 3/31を超えることで、これまで「当たり前」だと勘違いしてきた 官僚内閣制の方程式の不条理、非常識が明らかになります。 これは、国民主権の方程式で政治が動き始めた証左に ほかなりません。ここからさらにどう進むか。 3/31を越えた情勢をうけて、通常国会の中間総括を提起していただきます。 □第15回 関西政経セミナー□ テーマ 「主権在民の方程式で政治を動かす、自治分権・国民主権の底力を」 ◆4月19日(土)午後1時開催(12時半〜受付) ◆ホテルレジーナ京都(地下鉄烏丸線「今出川」下車徒歩5分) セミナー 二階 大会議室 1時〜5時 懇親会 一階 中会議室 5時〜7時 ◇講演 福嶋浩彦 前我孫子市長 ◇報告 泉健太 衆議院議員 ◇パネルディスカッション 福嶋浩彦・泉健太・隠塚功(京都市会議員)・上村崇(京都府会議員)・中小路健吾(京都府会議員)・白川秀嗣(越谷市会議員)・吉田恭輔(羽曳野市会議長) □会費・5000円(懇親会費込・セミナーのみ1000円) ******************************* 石津美知子 「がんばろう、日本!」国民協議会 http://www.ganbarou-nippon.ne.jp TEL 03-5215-1330 FAX 03-5215-1333 |