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□「まだ決めていない」四割のなかに、国民主権の阿波踊りの波を!
永田町の談合が吹っ飛ぶような結果を出そう!

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「まだ決めていない」四割のなかに、国民主権の阿波踊りの波を!
永田町の談合が吹っ飛ぶような結果を出そう!


熊   参院選もいよいよ最終局面だが、ここに来ても「自民過半数割れか」という情勢は変わらないようだ。こんな選挙ははじめてじゃねぇか?

八   某紙なんか「自公、逆風止まらず」と見出しを打っているが、中身をよく見ると、これまで競っていた一人区で自民のほうが固めた、というところがチラホラ出てきていると書いてある。オイラみたいなひねくれ者からすれば、こんなのは、自民党の底割れを回避するためのアナウンス効果をねらったものに見えちまう。民主優勢といわれているところでも、サッカーアジア杯・サウジ戦じゃないが、残り時間が少ないときに中盤より後ろでパス回しをしているようなところは、負けるぞ。

熊   長屋でも、マニフェストの検証大会なんてものをはじめてやったが(前号参照)、今度の参院選は有権者、フォロワーのほうが基準を持って、そこから既存政党を評価するという構図が明確になった。個々の「意識の高い」有権者ってのは、これまでもいただろうが、「政治は生活や仕事と切り離せない(ドラマじゃない!)」「だからこそ、政党には果たすべき役割がある(政党不信じゃない!)」という政治意識が、有権者の政治行動として構造的に見えるようになってきた。これが大きく違う。

八   この生まれつつある輿論が、既存政党の論点設定やマニフェストに対して「差し戻し」を要求しているわけだ。それをはっきり意識しているフォロワーは、「輿論と乖離しきった永田町の構図に輿論の側から緊張感を走らせる」ためには、参院選での与野党逆転が必要だ、となっている。ここははっきり決めているし、ブレない。

熊   自民か民主か、どっちのマニフェストか、という設定じゃないわけだ。別の言い方をすれば、比べる場合も、自分たちの問題設定に対して、少なくとも「聞く耳」を持っている可能性があるのはどっちか、ということで比べている。そこから見ると、どうも自民党のほうは「目線が虚ろ」「地に足がついていない」と見える。原発事故を起こした東電が「安全です」と言うたびに、隠していたデータやら事故やらが出てくる、というのに似ているな。「説明」すればするほど「ドロ沼」にはまっちまっている。

八   象徴的なのが、東京選挙区の某候補だろう。期日前投票しようとしたら、住民票がなかった。三年間だか、アメリカからの転入届けを出していなかったんだと。つまり04年参院選も05年総選挙も、自分は投票に行かず(投票用紙が送られてこないことにも気づかず)、アレコレ評論していたわけだ。住民票がないんだから、住民税も払っていないんだろう。国より自治体に納める税のほうが多くなって、生活の質と自治体の質が直結することを実感している「政治は生活や仕事と切り離せない」というフォロワーとは対極の御仁だ。それを「無党派受け」ということで担ぎだす―この乖離(ずれまくり)では「ドロ沼」にもなるわな。

熊   相対的に、民主党のほうが「聞く耳」の可能性はあるかも、となる。例えば「年金では、民主党のほうが制度設計を提案している、自民党はしていない」と言う判断基準をフォロワーのほうが持っている。ここも「決めている」ということだ。

八   各紙の調査では四割くらいが「まだ決めていない」となっている。「決めている」ほうの理由ははっきりしているが、「決めていない」ほうの理由、構造も、これまでとは違うってわけだ。04年参院選、05年総選挙では、きわめて不十分とはいえ、マニフェストの争点が絞り込まれて、最終日や投票日に「マニフェストを見て決めた」という構造があったが、今回はその構造はない。そこで、「まだ決めていない」四割の「決め手」をどうするか、これが最終盤の勝敗を分けることになる。

熊   パス回しじゃなくて、前にボールを動かす意識、シュートを打つ意識だな。ここはやはり、参院選後の展開だろう。それも政局の小話じゃなく、国民主権の力で本格的な政権選択選挙をセットするためには、与野党逆転、それも永田町の談合・数合わせの余地がないほどの与野党逆転が必要だ、ということじゃねえか。

八   予想屋的話をすれば、自民党は40議席半ばなら、一本釣りや連立工作といった「談合」で、なんとか過半数を維持することはできる(誰と誰を一本釣りの対象者にするかは、もう分かっている)。40議席前半を割り込むと少数与党で不安定化、場合によっては自民党内に「生き残りのための禁じ手」が浮上するかもしれない。40議席を割り込んだ場合は、これは「禁じ手」や「談合」で何とかできる枠を越えて「底割れ」ということになる。「談合」や「禁じ手」が横行すれば、選挙で示された民意はチャラになっちまう。そんなことは、させるもんか! ここは「底割れ」まで持っていってこそ、自民、民主とも抜本的なマニフェストを出さざるをえない状況をつくることができるってもんだ。

熊    自民にも民主にも、本気で「これで政権を取る・維持する」というマニフェストを出させる、そこに追い込んでいくためには、この参院選で与野党逆転、しかも自民党が40議席を割るまでの与野党逆転が必要だってことだな。そういうミドルシュートをどんどん打って、四割の「まだ決めていない」部分を決めていく。それが、次の総選挙を政権選択のがっぷり四つの勝負にするんだってところで、盛り上がっていこうじゃないか!

八    日本の二院制は役割、性格があいまいだが、参院選は政権の中間評価と位置づけられる。政権審判選挙という言い方もするらしい。つまりは、野党の政権担当能力を問うんじゃないってことだ。まずは今の政権に対して、自前のマニフェストで政権選択を問えと審判をする。そして野党の政権担当能力(当然、期待値)は、総選挙でしっかり問う、ということだ。

熊    中間評価なんだから、負けても安倍さんが辞める必要はまったくない。参院選の結果で総理を変えるというのは、中選挙区の発想だ。そういう発想をジ・エンドにする、また民意をチャラにするような「生き残りのため禁じ手」に余地を与えないためにも、中途半端な負けじゃなく、「底割れ」が必要だ。これは同時に民主党にも、野党的発想で駆け引きなんかをやっている余地はない、待ったなしで今度は「政権担当能力」が問われるんだ、という緊張感を与えるためにも必要だ。

八    そして次の政権選択選挙で決まった政権には、少なくとも三年か四年、きちんとやらせるべきだろう。一年かそこらで政権がコロコロ変わっていたら、骨太の政策なんかやれないよ。そのためにも、しっかりしたマニフェストを作るべきだし、それで四年間はやらせる、一票で政権を選ぶというのはそういうことなんだ、ということを、有権者もしっかり肝に銘じる。次の総選挙はそういう選挙にすべきだと思う。

熊    その政権選択選挙にふさわしいマニフェストにするために、少なくともこれはしっかり書いてもらいたい、というものを、うちの長屋でも議論し始めたってわけだ。まずひとつは「財政・税制」。歳入歳出一体改革ってぇやつだな。それから「国益のリアルな定義」。これは東アジア共同体とかの地域戦略と、環境戦略の側面から絞り込む。来年は洞爺湖サミットだが、環境(温暖化対策)をリアルな国益をめぐる問題に組み込むことができないと、ただの「接待係」に終わってしまう。

八    憲法のこともあるが、その辺りはまた、選挙が終わってからじっくりやろう。投票日が二週間ずれたおかげで、隅田川の花火が順延なし・一発勝負になって、どうなることかと気をもんでいたが、どうやら28日に出来そうだ。梅雨もそろそろ明けそうだし、ここは花火見物でスカーッとして、翌日には投票に行って、民意をチャラにさせないまでの結果を出して盛り上がろうじゃないか。

熊    おうっ。阿波踊りも始まったぜ。踊る阿呆に踊らぬ阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃソン、ソンってな。「まだ決めていない」四割から、国民主権の阿波踊りに参加する流れをつくること、これが「底割れ」から、本格的な政権選択選挙の土俵を準備していく「決め手」になるわけだ。鳴り物を準備して、「郵政選挙より、おもしろいぞ」「みんなで投票に行こう」って、盛り上げていこうじゃないか。


******************************* 石津美知子 「がんばろう、日本!」国民協議会 http://www.ganbarou-nippon.ne.jp TEL 03-5215-1330 FAX 03-5215-1333