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2007年は「変化」の年。来るべき転換を準備する力は、「有権者再編」のなかからこ
そ生まれます。
選挙を控えたみなさんのご健闘を祈念するとともに
より多くの「賢明な政策判断を下せる有権者」を生み出すべく
07年もがんばりましょう!

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▼index

□改革を止めるな!
市場経済を生活で共有する有権者を、
政策選択市場の形成へ再編していく有権者再編の地力を!
 【二〇〇七年は「変化」の年】
 【改革を止めるな! どうした安倍政権、小泉路線を放棄するのか!】

□お知らせ
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改革を止めるな!
市場経済を生活で共有する有権者を、
政策選択市場の形成へ再編していく有権者再編の地力を!

【二〇〇七年は「変化」の年】

二〇〇七年の干支は丁亥(ひのと・い)。『丁』は、新しいものの伸長「|」が
「―」に阻まれている様子をあらわし、「新旧勢力の激突」を意味するとされてい
る。『亥』は、骸(骨ぐみ)や核(シン)などの原字で、「核」、「極」、「革」な
どに通じ、「起爆的なエネルギーを孕む」とされている。
 ひとつ前の丁亥は六十年前(一九四七年)、日本はまだ戦後の混乱期にあった。日
本国憲法、教育基本法が施行され、農地改革が行われ、六三三四制と男女共学が始ま
り、戦後日本の出発もここから始まった。この年から三年の間に生まれた「団塊の世
代」が今年からリタイアを始め、わが国は本格的な人口減少・少子高齢社会に歴史上
はじめて突入することになる。

二〇〇七年は、《「次のステージ」への転換を誰が、どう準備するか》という性格の
攻防戦となるだろう。言い換えれば、「新しいステージ」の綱領―組織―戦術をめぐ
る〇七年の試行錯誤と蓄積の度合いが、「次」への転換の主導権を握る度合いや存在
感を決することになる。
春の統一地方選の帰趨(組織戦の実際)は夏の参院選を決する(逆ではない)のはも
ちろんのこと、それがその後の政権運営を大きく左右することは言うまでもない。こ
の意味は、市場経済が生活で共有されている改革の基盤(政策選択が分る基盤)を構
築する組織戦をどこまで構えられるのかということであって、参議院の議席の数合わ
せでどうこうというレベルの話ではない(後者のレベルで考えられるほど、「与野党
逆転」は甘いものではない)。

また〇七年末から〇八年にかけて、東アジアは大きな政治の交代期を迎える。〇七年
秋には五年に一度の中国共産党大会があり、胡錦涛政権が本格的に権力基盤を固める
と予想され(日中関係に本腰をいれるチャンス)、十二月には韓国大統領選挙が予定
されている。〇八年に入れば米大統領選がスタートし、三月には台湾総統選、ロシア
大統領選、夏の北京オリンピックと続き、秋には新しい米大統領が決まる。こうして
みると、〇七年に何をどう準備するか(しなければならないか/してはならないか)
によって、イラク問題、北朝鮮問題といった「難問」の出口戦略や、安全保障や経済
をめぐる東アジアの新たな枠組みの行方が決せられ、またわが国の存在感が形作られ
ていくことが見て取れる。(「日本再生」332号掲載の中西寛、村田晃嗣、大野元裕
各氏のインタビュー参照)

〇七年は「変化」の年である。守るべきもの―国民主権の共有地が見えている人に
とっては、「何を、どう変えるか」「誰とともに変えるか」が、さらに実践的に鮮明
に見えてくるだろう。市場の変化を生活で追認できる人々には、生き残るためにも
「変化一般」ではなく、「どう変化しなければならないか」がより具体的に見えてく
るだろう。他方で無党派主義―すべてを「消費の対象」とする人々にとっては、「サ
プライズの乏しい」年となるだろう。丁亥の年の「新旧勢力の激突」は、もはや小泉
劇場のような形では進行しないのだから。護送船団・右肩上がりの既得権にぶら下
がってきた人々には、こうした変化は「勝ち組」「負け組」としか表現できないだろ
う。

〇七年は〇六年以上に、問題設定の違いによって見える風景が全く違ってくる、とい
うことになるはずだ。

【改革を止めるな! どうした安倍政権、小泉路線を放棄するのか!】

「あいまい」ではなく「優柔不断」?

安倍政権は、小泉政権から市場重視の改革路線と高い支持率を遺産として引き継いだ
はずであった。しかし「復党問題」以来、「道路特定財源の一般財源化の先送り」
「社会保険庁改革、公務員制度改革の骨抜き」「郵政民営化の先延ばし」など、改革
の後退イメージが前面に出てきた。〇七年度予算での「新規国債発行、過去最大の減
額」は、景気回復による税収増によるものにすぎず、歳出削減にむけた政権の意気込
みはうかがえず、小泉政権の「遺言」でもある行革推進法も骨抜きが懸念される。
支持率も低下している。小泉劇場に沸いた無党派層の離反のみならず、小泉政権が
「ぶっ潰した」旧来の支持基盤も戻らず、市場が見えている層の期待も冷めてくる。
こうなると、どこにも支持基盤が見えないまま、参院選の思惑(とりあえずカウント
できる組織票の動きと世論の動向とやら)に振り回されることになる。その姿勢は
「あいまい」というよりも「優柔不断」に見え、ますます「ぶれない」前総理との
ギャップが目に付くことになる。

本来ならここで野党第一党が「改革の不徹底」を批判して、改革競争を挑むべきであ
るが、小沢民主党は「国民年金を含む一元化」はかろうじて維持したものの、財源に
消費税増税を充てるという〇四年参院選のマニフェストを「国民の理解が得られな
い」として封印したことに見られるように、「改革疲れ」に参院選の組織戦の照準を
合わせている。したがって野党からの改革圧力は、ほぼ消えていると言わざるをえな
い。
このままでは、「改革を止めるな!」という有権者の選択肢は、国政選挙においては
失われかねない。(自治体選挙においては、自治分権・自治体経営をめぐる選択肢は
鮮明になりつつあり、逆に既存政党がそれにどこまで対応できるのか、という構図に
なってくる/この間の『一灯照隅』ならびに首長インタビューなどを参照)

どうした安倍政権、小泉路線を放棄するのか! と叱咤するところから「仕切りなお
し」をするほかはないだろう。二大政党による政権交代が機能する前提は、あくまで
も(自由や民主主義の土台である)市場経済である。市場経済を「単なる金もうけの
道具」とみなせば、市場の原則を無視した政策(バラマキ)にためらいはない。これ
では二大政党による政権交代=政治市場における政策選択は機能しない。
(以下、「日本再生」322号へ続く)

□◆□お知らせ□◆□

【「日本再生」332号(1/1発刊)】
□囲む会「佐賀市役所の経営」
ゲストスピーカー 木下敏之・前佐賀市長
□一灯照隅
堀添健 川崎市議会議員
□インタビュー
「07年の外交課題、問われるわが国の外交力」
中西寛・京都大学大学院教授
村田晃嗣・同志社大学教授
大野元裕・中東調査会上席研究員

【第56回 東京・戸田代表を囲む会】
「新平等社会〜《不平等をもたらす市場を肯定すること》と、《結果として生じた不
平等を肯定すること》とは異なる」
ゲストスピーカー 山田昌弘・学芸大学教授
1月25日(木)18時30分より
「がんばろう、日本!」国民協議会 市ヶ谷事務所
同人会員 2000円/購読会員 3000円(夕食付)

【第13回 関西政経セミナー】
「日本の外交課題」
中西寛・京都大学大学院教授
2月20日(火)18時30分より
ぱるるプラザ京都5階会議室
参加費 1000円


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石津美知子 ishizu@ganbarou-nippon.ne.jp
 「がんばろう、日本!」国民協議会
http://www.ganbarou-nippon.ne.jp
TEL:03-5215-1330 FAX:03-5215-1333