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メルマガ♯がんばろう、日本!         77(05.8.26)
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▼index
 □ 岡田改革か、小泉改革か!
   パフォーマンス競争ではなく、マニフェスト競争へ
   ぶれずに、有権者を信じて戦いぬけ!
 
   ◆ 潮目は変わりつつある 敵の足元はぐらつき始めた

   ◆ マニフェスト競争で改革の中身を競え
      有権者は政策で選ぶ、と信じて戦いぬこう

     ○「郵政民営化もできなくて、何が改革か」vs
      「議員年金廃止も約束できなくて、何が改革か」

     ○小泉民営化でも、郵政のお金は相変わらず「官から官へ」
      郵政のお金を「官から民へ」、これが民主党の郵政改革だ

     ○国民年金も含めた一元化か、国民年金は置き去りか
      ますます空洞化する制度をこの先も続けていくのか

     ○財政再建:無駄遣い一掃なくして増税なし!
      無駄遣い放置・赤字を増やし続けた政権に任せるか、
      数値目標を明確にした民主党に任せるか

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    岡田改革か、小泉改革か!
    パフォーマンス競争ではなく、マニフェスト競争へ
    ぶれずに、有権者を信じて戦いぬけ!
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◆ 潮目は変わりつつある 敵の足元はぐらつき始めた

《ワイドショー》
男性キャスター  今度の選挙は刺客だ、マドンナだ、カリスマ主婦だと話題満載な
んですが、○○さんどうですか?
女性タレント   なんかもう、疲れちゃいましたね、そろそろいいかげんにしてほ
しいって感じ。べつに郵政だけで選挙やるわけじゃないんだし、マドンナだ何だと言
われてもねぇ。それぞれの政党が何を言っているのか、これからちょっと落ち着いて
考えようかなと思っていますけど。
男性レポーター  刺客だなんだと言われてわれわれも取り上げていますが、全国
300選挙区のうち一割ですからね。有権者はそれぞれの小選挙区の候補者に投票する
わけで、小泉さんやホリえもんや「ゆかりたん」に投票するわけじゃありませんから
ね。マニフェストも出揃いましたから、これからはそちらのほうも注目していきたい
と思います。

* * * * * * *

熊    日替わりの候補者擁立劇も一段落して、少し「潮目」が変わりつつあるよ
うだなあ。

八    下っ引きの辰の話じゃ、先週あたりは街頭でも「とにかく郵政に賛成な
の、反対なの」とか「郵政に反対しているならビラはいらない」というのばかりだっ
たそうだが、ここにきて「郵政以外は白紙委任でいいのか」に対して聞く耳をもつと
いう感じになってきているってことだった。

熊    早くも敵は崩れだしたって感じなのが、23日の武部発言だ。

【自民党の武部勤幹事長は23日午前、郵政民営化関連法案に反対し非公認で立候補
する自民党前衆院議員の扱いについて「どうしても立候補するなら、良識をもって自
発的に離党し、出ていただきたい。そういう形であれば、将来また復党する可能性も
ある」と党本部で開かれた農林水産関係団体の会合で語った。】
 
 造反組に対立候補を立てて潰しにかかり、「義理人情から政策本位へ」と大見得を
切ってみせた、その舌の根も乾かないうちに、「復党もありうる」とは節操のなさに
もほどがある。
「新党」を選挙互助会と批判するのは結構だが、じゃあんたらは何なんだと言いたい
ね。

八    無所属で出馬する造反組の県連幹部のところにそういう電話があったとい
う話が、地方紙なんかには載っている。まあ自民党本部、県連ともお互いにキズを深
くしないためには、そういう手もありってことだろうな。しかし「刺客」として送り
込まれた公認候補のほうは、「そんな話、きいてねぇーよ」状態だ。造反組が小選挙
区で当選したら、こっちは運良く比例で当選しても、次の公認はどうなるかわから
ねぇってぇんじゃ、ある意味、体よく使い捨てってことにもなりかねないわけだから
な。

熊    そういう意味じゃ、敵ははやくも崩れだしたってわけだ。さかんに「選挙
後は民主党の郵政民営化賛成の人とも手を組んで」なんて言っているのも、ブレの表
れだな。小泉さんは、よくも悪くも「ぶれない」という一点で勝負しているが、番頭
連中ははやくもブレにぶれているってわけだ。

八    ブレという意味じゃ、花火をひととおり打ち上げた後は、やっぱり自民党
内には、「支持団体の力は衰えているとはいえ、安定している。組織票をかき集めて
選挙戦を乗り切るしかない」といった声が漏れている。特定郵便局は敵に回してし
まったが、医師会や農協といった伝統的な支持団体にはまだまだ頼らざるをえない。
一方の医師会や農協は「次の標的は農協か、医師会か」と、こっちもこれまでにも増
して集票マシンの稼働率は低下している。

熊    こういう時期だからこそ、民主党は代表以下、一人たりともぶれずってと
ころをしっかり見せる必要がある。「ぶれない小泉」の一枚看板か、「それ以上にぶ
れないチーム・岡田」か。遊説が本格化すれば、ますます向こうは小泉一人(安倍は
郵政でかすんでしまった)。対する民主党は、岡田・小沢・管・鳩山でフル露出でき
るし、野田・枝野・前原などの中堅が「政権公約キャラバン隊」として繰り出すそう
だ。小泉劇場の空騒ぎに浮き足だたず、ここまで地上戦をしっかりやってきたところ
では、集票の勢いを増すことにつなげるチャンスだ。

八    政策でぶれない、これが大事だ。相手とパフォーマンスを競っても意味は
ないし、民主党に期待されているのはパフォーマンスの上手さじゃないんだから。
「小さな政府vs大きな政府」とか「改革に賛成か反対か」という二項対立の「分かり
やすい」争点じゃないからこそ、政策でぶれない・マニフェストで一致しているって
ことが大事だ。

熊    ここからはマニフェスト競争だ。「年金」「税金」というこちらの争点設
定を攻勢的に打ち出すことと、「郵政」についてのスタンスを鮮明にすること。「年
金」「税金」についちゃ、自民党はかなりいいかげんだから、民主党マニフェストと
きちんと対比すればいい。「郵政」は小泉トリックを一発で撃破することと、「小泉
改革」の評価だ。どちらにしても肝心なことは、誰に何をどう訴えるか、ここを的確
にやらなけりゃならねぇ。

八    小泉劇場のおかげで、ここにきて「郵政」が有権者の関心ある政策課題の
二番手にきている。一番は相変わらず圧倒的に年金だ。「郵政よりも年金」というこ
とが分かっている層は、ほぼ民主党に来ている。問題は、複数選択で「年金」「郵
政」どちらも選ぶ、という層、漠然と民営化=「官から民へ」の改革と思っている層
だ。「とにかく郵政民営化に賛成なの、反対なの」という憑かれたような雰囲気が後
退した今こそ、この層に郵政改革の争点設定を鮮明にして、切り込んでいく必要があ
る。改革を断行する小泉・自民党vs改革に反対した民主党という構図を、この層のな
かで無力化するには、「小泉民営化はウソだ、デタラメだ」というのではなく、民主
党の郵政改革はこれだ! ということ、それとリンクして年金、税金の話でこちらの
争点設定に持ち込むことができるか、だ。

熊    それがきっちりできれば、この間の小泉劇場で小泉支持になった流れを、
ドミノ的に逆転できる。小選挙区で候補者を比べて見る(小泉さんもホリえもんもマ
ドンナもいない小選挙区のほうが圧倒的!)、マニフェストを比べて見る、そういう
ステージに移ってきて、街頭でも「聞く耳を持つ」雰囲気になっているからこそ、漠
然とした改革期待層とでもいうべき層に対して、投票行動に結び付けていくような
メッセージをきっちりと届けなければならないわけだ。

八    そういゃあこの間、お松がこんなことを言ってたよ。

【政権交代ってのは、私らには遠い言葉なんだよ。あたしゃ、自民党にゃつくづく嫌
気がさしてて、今度は民主党にぜひやってもらいたいって思ってんだよ。だから
さぁ、岡田さんにはこう言ってもらいたいんだよ。「今度はぜひ民主党に任せてくだ
さい! 必ずみなさんの期待にこたえます!」ってね。それを演説の最後に、必ず力
強く言ってほしいのさ。小泉を見てご覧よ。ちゃーんと話を聞いてりゃ、中身なんて
何もないのに、あの「断固やる!」ていう見かけで何となく「がんばって」となるん
だよ。ハッタリかませる必要はないし、岡田さんのまじめなところがいいんだけれ
ど、「民主党に任せてください!」って力強く言ったほうが、「政権交代」ってまじ
めに言うよりも伝わりやすいと、あたしゃ思うんだよ】



◆ マニフェスト競争で改革の中身を競え
有権者は政策で選ぶ、と信じて戦いぬけ

熊    それじゃ、自民党のマニフェストも出たことだし、ちょっと比較してみよ
うか。

八    といってもなぁ、要するに自民党のほうは「郵政」の後は何をどうするの
か、さっぱりだ。課題はいろいろ羅列しているが、優先順位、手法、数値目標などは
ない。結局、郵政以外は白紙委任しろ、というのと同じで、これじゃまた郵政と同じ
ような混乱が、別のテーマ(農政か医療制度か、はたまた税制か)でおっぱじまっち
まうよ。そんなことやってる時間は、もうないってば!

熊    そうはいっても、やっぱり政策で選ばないと、有権者としての務めも果た
せないってことになるぜ。パフォーマンスで選ぶんじゃないんだから。

○「郵政民営化もできなくて、何が改革か」vs「議員年金廃止も約束できなくて、
何が改革か」

熊    自民党は「郵政民営化」がトップだ。それに対して民主党は「無駄遣いの
一掃」がトップで、とくに「衆院定数削減」と「議員年金の廃止」を具体的にあげて
いる。財政削減という観点からは大した額にはならないが、国会議員自らが身を切ら
ずして、「官」のリストラなんかできるのか! ということだ。かけ声やパフォーマ
ンスではなく、どちらが「断固やる」という姿勢を担保しているのかということだ
な。

八   小泉さんは「郵政民営化もできなくて、何が改革か」と言っているが、「議
員年金廃止も約束できなくて、何が改革か」ということだな。ちなみに自民党マニ
フェストには、議員年金については何もふれていない。若手のなかには「廃止」とい
う人もいるが、党としての意見にはなっていないってことは、しっかり見ておく必要
がある。政権選択というからには、個々の候補者は政党としての公約(マニフェス
ト)に責任を負うんだから。個人の意見は結構だが、それを有権者と約束するかのよ
うに言うのは、目くらましだ。

○小泉民営化でも、郵政のお金は相変わらず「官から官へ」
郵政のお金を「官から民へ」、これが民主党の郵政改革だ!

熊    本来の優先順位は低いが、ここまで焦点化されちまった以上、やはり「郵
政」を攻勢的に扱う必要があるだろう。とくに、漠然とした改革期待層のところで、
「官から民へ」=与党の民営化法案というすり替えを覆す、という意味でも、「民主
党の郵政改革」を鮮明にすることだ。

八    小泉民営化は本当の民営化ではない、という批判では、郵政改革の本質が
あいまいになる。郵政改革の本質は「郵便」ではなく「郵貯」「簡保」だ。ここが無
駄遣いされている、ということが改革の出発点だ。つまり、小泉民営化で郵政のお金
は「官から民へ」いくのか、無駄遣いはなくなるのかということ、ここに明確に
フォーカスする必要がある。

熊    郵便のユニバーサル・サービスをなくしてもよい、と考えている人は少数
だろう。だから政府案でも「過疎地の郵便局を守る」としている。問題は郵貯・簡保
のお金だが、じつは竹中さんは「十年後、一割を目標に市場で運用する」と答弁して
いる。ということはつまり、十年たっても九割は、相変わらず国債を買い(財政赤字
の穴埋めに使われ)、特殊法人・独立行政法人に垂れ流され続けるってわけだ。これ
じゃ「官から民へ」じゃなくて「官から官へ」のまんまじゃねぇか。

八    郵貯の預け入れ限度額を半分に引き下げれば、(十年満期のものでも)同
じ十年後に五割のお金は「官から民へ」流れる。これが民主党の郵政改革というわけ
だ。

札差の吉兵衛   バブルの前のころまでは、郵便貯金は300万円までだったんでご
ざますよ。それがバブルとあい前後して、どんどん預け入れ限度額が引き上げられま
してね、とうとう1000万にまでなった。つまりは市中の「民」のお金を、お上の口座
にどんどん吸い寄せて、それで道路公団その他の特殊法人のみなさんのところに回し
たんですねぇ。300万までって時代には、庶民の小額口座は郵貯で、それ以上お金が
あるって人は銀行や証券会社にっていう世界だったんですよ(郵貯は民の補完の役
割)。だから、そこに戻せばいいんじゃないですか。郵貯に1000万預けている人が、
満期になって500万しか預けられなくなったら、残りの500万は銀行か証券にもってい
きますよね。場合によっちゃ、信用金庫かもしれない。それが地域の中小企業に回っ
てくる。これがほんとの「官から民へ」じゃありませんか。(熊さん八さんは、そも
そも1000万も預けてないから、実感はないかもしれませんが・・・おっこりゃ失礼)

熊    余計なお世話だよ。おっそうだ、余計なお世話って言えば、郵政職員は肩
書きは公務員だが、その給料は全部郵政事業でまかなっているって知ってたかい? 
つまり税金は一銭も入っていないんだ。だから例え民営化したって、税金の節約には
関係ない。むしろ今の民営化なら、過疎地の郵便局維持のために二兆円、税金から持
ち出しってことになる。どこが「小さな政府」だってんだ。

八    「郵政」が二番手にきたってのは、チャンスだよ。漠然と「官から民へ」
で小泉支持に流されていた部分にきちんと事実を伝えて、流れを逆転させるチャンス
だ。そのためには「郵政ではなく年金」一本槍でもダメだし、「小泉民営化はニセモ
ノだ」でもダメだ。「『郵貯のお金を官から民へ』これが民主党の郵政改革だ」とい
うこと、ここと税金の無駄遣いを一掃できるのは(これまで垂れ流ししてきた)自民
党なのか、それとも民主党なのか、という争点をリンクさせることだ。

○国民年金も含めた一元化か、国民年金は置き去りか
 ますます空洞化する制度をこの先も続けていくのか

熊    年金は参議院選の時の争点がそのまま継続されている。要は自公は国民年
金置き去り=サラリーマンと公務員の年金のみ統合。それに対して民主党は、国民年
金も含めた一元化プラス議員年金の廃止と。繰り返すが、自民党は議員年金廃止には
触れていない。

八    ポイントは「誰のための年金改革か」だ。サラリーマンと公務員の年金の
み統合というのは、簡単にいえば正規雇用者だけを相手にしている、現役世代もリタ
イア世代も、だ。そのなかで「いくらもらえるのか」という話だろう。国民年金を含
めた一元化が必要なのは、単純に少子高齢化がすすんで、財源が危ないってだけじゃ
ない。99年に28%だった非正社員は03年には35%になっている。しかもその四割は月
給10万円以下(税込み)、10万円以上20万円未満の人も4割だ。(厚生労働省「就業
携帯の多様化に関する総合実態調査」)

熊    今のように厚生年金の保険料がダラダラと上がり続ければ、企業はますま
す正規雇用を切って、保険料を負担しなくていいアルバイトやパートに切り替える。
小さな会社ではそうしなければもたないってところだって少なくない。そうやってま
すます、厚生年金や共済年金の枠外の人が増えていく。その国民年金が、いまでさえ
四割以上が未納。この空洞化を、この先も放置していていいのか、ということだ。

八    相変わらず与党は、昨年の「改正」が抜本改正だといい続けている。ます
ます空洞化する制度を、この先も続けていくのか、それともここで舵を切るのか、そ
の決断が問われているんだ。

熊    財源については、はっきり「年金目的消費税」を言うべきだ。何のため
か、目的がはっきりしていれば、そして徹底した歳出削減=無駄遣い一掃が伴ってい
れば、「増税」について納得する有権者は増えている。参院選でも与党が、「民主党
案は増税だ」と批判したが、支持された。ここは有権者を信じてきっちり言うべきだ
と思う。

○財政再建:無駄遣い一掃なくして増税なし!
無駄遣い放置・赤字を増やし続けた政権に任せるか、
数値目標を明確にした民主党に任せるか

八    財政再建についちゃあ、誰がやっても歳出削減か増税かしか、解決策はな
いってことははっきりしている。しかも歳出削減を徹底的にやったとしても、どこか
の時点で増税しなければならない。なにせ国と地方合わせて700兆円超(計算によっ
ては1000兆円)の借金に対して、税収は40兆円台。例えていえば、400万の年収のや
つが1億円の借金抱えてるってことだもんな。

熊    まずは毎年40兆円の収入に対して80兆円の予算を組んで、40兆円新規に借
金の山を築き続けているって状態をなんとかしなけりゃならねぇな。難しい言葉では
プライマリー・バランスというが、自民、民主どちらも2010年代初頭にこれを黒字化
すること、そのために歳出を削減する、という点は基本的に違わない。

八    だからこそ、どっちが納得できるのか、どっちが信用できるのかってこと
だ。歳出削減にしろ増税にしろ、どちらも国民にとっては「苦い薬」だ。目的や手順
が公正なものなら納得できるが、知らない間に請求書が回ってきたっていうんじゃ、
とんでもねぇ話だからな。

熊    だから選挙のときの公約は、有権者との契約だっていうんだ。そこでだ、
小泉さんの四年間、約束はどうなったか。小泉さんは財政再建のために、国債発行を
30兆円以下に抑えると言った。ところがこれが守られなかったときに言ったのが、例
の「こんな公約、守れなくたってどうってことはない」だ。700から1000兆の借金を
一発でチャラにする方法なんて、平時ではありえない以上、まずは毎年の国債発行を
極力抑え、歳出を減らす努力をする以外にない。そのための公約が、小泉さんにとっ
ては「この程度」ということだ。

八    推して知るべしというか、この四年間の赤字国債は累計で140兆円を超え
る。驚いたことに毎年の赤字国債の発行は、アノ森内閣のときには30兆円を少し超え
るくらいだったのが、今じゃ36、7兆円が当たり前。これでどこが「小さな政府」な
のか。

熊    つまり、2010年代初頭にプライマリー・バランスを黒字化というのも、実
現できなくたってどうってことはない、「その程度の公約」ということだ。少なくと
もこの間の実績では、そうならない責任の保証はどこにもない。現に自民党のマニ
フェストは従来路線の踏襲で、数値目標は示されていないんだからな。

八    財政再建の手法は歳出の削減と増税、誰がやってもこれしかないが、やっ
ぱり原則はなんといっても、「無駄遣い一掃なくして増税なし!」ということだろ
う。民主党は三年間で10兆円の削減と具体的な数値目標を掲げている。与党はいろい
ろイチャモンをつけているが、項目ごとの削減についても数値目標をきちんとはじい
ている。この間民主党は独自の予算案を作成しているから、九月に政権に就いても、
すぐに来年度予算の作成にとりかかる準備は万端だ。

熊    自民党のほうはそこがあいまいだ。象徴的なのが、公務員人件費の削減
だ。自民党は直前まで「五年で6000億円」と明記することを検討していたが、民主党
が「二割削減」と打ち出したのをみて、やめたそうだ。公共事業の削減は、自民党が
「07年度までに15%のコスト削減」、民主党が「三年で国直轄の大型事業の半減」と
掲げている。民主党のは03年マニフェストの踏襲だ。自民党のほうは、そうは言って
も高速道路は税金で造り続けるし、新規の整備新幹線にも着手したし、郵政が民営化
されれば過疎地の郵便局維持のために、新たに二兆円を積み増ししなけりゃならない
しと。一体どこをどうやって削減するのやら。

八    しかもコストを15%削減ったって、道路公団の談合で、これまでいったい
どのくらい無駄なコストを払わされていたのか。それすら明らかになっていないま
ま、民営会社になればもっと政治のチェックは効かなくなるわけだろ。

熊    さて増税のほうだ。あきれたね、自民党は「サラリーマン増税はしませ
ん」って、じゃあ政府税調ってのはいったい何なんですかってんだ。しかもサラリー
マン増税せずに、どうやって帳尻を合わせるのか、何も書いていない。要するに「サ
ラリーマン増税はしません」ってのは、ただの目くらましじゃねぇか。バカにするん
じゃねぇ。

八    しかけはちゃんと隠されている。「07年をめどに消費税を含む税体系の抜
本的改革を実現する」とね。これが減税を意味するとは誰も思わねぇよな。小泉さん
は消費税論議にフタをしちまった手前、こうやって先送りするしかないわけだ。つま
り「白紙委任しろ」ってことだな。

熊    マニフェストには一言もなかった「定率減税の廃止」=増税をやっちまっ
たという実績もあるもんな。「2006年度税制改正で定率減税の廃止と税源移譲を固
め、07年度改正で消費税の税率引き上げを議論」というのが財務省のスケジュールだ
そうだが、まったくその通りに進んでいるってわけだ。

八    増税に賛成か反対かって言われれば、賛成ってやつはいないが、目的が
はっきりしていて、無駄遣いが一掃されていれば、有権者は納得する。そういう有権
者を信じるべきだ。下手な言い訳や、ましてや「サラリーマン増税はしません」なん
ていう目くらましではなく、正面からはっきりと「無駄遣い一掃なくして増税なし
!」と。

熊    700兆円の借金をつくったのは自民党政権(自公政権)だ。彼らにこのま
ま任せて、この国はやっていけますか? 無駄遣いを一掃せずして増税なし! 民主
党に任せてください、必ずみなさんの期待にこたえます、マニフェストでしっかりお
約束しますってことだな。

八    いよいよ公示だ。小泉劇場の熱狂が醒めつつあるからこそ、しっかりと政
策を訴えていく正念場だ。政治をパフォーマンス競争にしない、という選択肢を鮮明
に示していこう。真面目に政策を訴えつづけてきた姿のほうが、「断固やる〜」のパ
フォーマンスよりも信頼できる、安心できると、有権者は必ず思う。そういう有権者
を信じて、政策で一歩もぶれずに戦い抜こう。

熊    確かに潮目は変わりつつある。問題は、これで公示前後のところで流れを
確実に変えることができるかどうかだ。「郵政」が関心の二番手に来たってことを攻
勢的に生かすことだ。漠然とした「官から民へ」支持層のなかに、民主党の改革案を
示すことで、「官から官へ」と「官から民へ」の具体的な対比を示していくことと、
同時に「税金の無駄遣いをなくす」ことができるのはどちらか、そして「税金を公正
に使う政府はどちらか」→年金改革・年金目的消費税ということをリンクして伝え
る。ここで流れを大きく転換するチャンスだってことだ。

八   「郵政ではなく年金」というだけではメッセージが届かなかった層にも、マ
ニフェストの争点設定が届くようにするチャンスだな。言い訳したり、逆に「小泉民
営化はデタラメだ」と批判したりでは、このチャンスを逃す。

【お堀の向こうからマイクの声が聞こえてきます】
小泉さんのおかげで、郵政民営化がようやくみなさんの関心を集めるようになりまし
た。ところでみなさん、小泉さんの民営化では郵貯のお金は「官から官へ」のまま
だって、知っていました? 〔竹中答弁と民主党改革案〕どちらが「官から民へ」で
すか。官が大きなお金を握ったまま、形だけ民営化すれば、政官業の癒着がやりたい
放題になりますよ。ソ連や中国の民営化はそうなったでしょう。改革の目的は、税金
の無駄遣いをなくすことです。自民党にできましたか? 私たち民主党はマニフェス
トでしっかりお約束しています。無駄遣いを放置して700兆円の借金の山を築いた自
民党に、この先もこのまま任せますか? 人口減少はもう今年から、予想よりも早い
のです。無駄遣いを一掃し、公正な年金制度に改革する―民主党に任せてください。
必ずみなさんの期待に答えます。


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