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メルマガ♯がんばろう、日本!         74(05.6.25)
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□ 小泉改革の決算を、東京から!

□ お知らせ
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小泉改革の決算を、東京から!
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熊    都議選が始まったが、街の関心はどうにもサッパリだな。これじゃ、投票
率が思いやられるぜ。

八    思い起こせば、四年前は小泉旋風だったが、「純ちゃーん」と熱狂した無
党派層もここまで来ると「なーんだ、もう手品はないのか」と飽きている。今度は、
石原人気に頼ろうというのも、例の浜渦騒動もあったりして、どうもそうもいかな
い。この件では珍しく、都庁へも石原批判の声がきているそうだ。これまでなら「よ
くやった」という類が圧倒的だったが、今度ばかりはそうもいかねぇようだな。

熊    つまりは、無党派の無責任な風とやらは、今回は吹かねぇってことだな。
当たり前のことだが、それぞれの政党、候補者の地力が問われる勝負ってことだ。そ
の意味じゃ、「小泉人気」「石原人気」でつっかい棒をしてきた自民党に対して、03
年総選挙、04年参院選と、マニフェストを訴えて票をとってきた民主党の地力が試さ
れるってことでもあるわけだ。

八    だからよ、東京マニフェストとやらの中身を、誰に向かって、どういう層
から票を取ってくるのか、ターゲットを明確にして訴え切ることができるかどうか
だ。漫然と、「正しい政策」を間違わずに訴えていても、何も伝わらない。それ
じゃ、有権者を振り向かせ、投票にまで行かせることはできねぇからな。

熊    前回都議選、つまり小泉旋風の時の投票率は50%、03年総選挙の投票率
(東京都平均)は58%、04年参院選の時は56%だ。今回は「風」が吹かないから40%
に届くかどうかって話だろう? 前々回の都議選の投票率が41%だから、簡単に言え
ば、小泉効果で10ポイント上がったところを、今回はマニフェストでつかむかってこ
とじゃねぇか?

八    おもしれぇ話がある。郵政で今、民営化の広告を竹中大臣の秘書官関係者
に不正契約させたんじゃねぇかって話をつついているだろう。その広告の企画案に、
ターゲットはB層とある。これはIQが低い層だっていうんだな。それで「B小泉内
閣支持基盤/・主婦層&子供を中心・シルバー層/具体的なことはわからないが、小
泉総理のキャラクターを支持する層、内閣閣僚を支持する層」と。
まぁ正直っていやぁ正直だわな。要するにそういう層に「改革の手品」を見せてつな
いできたが、そろそろネタも尽きてきた、さてどういう見世物を見せようかと、こう
いう浅知恵ってわけだ。

熊     問題は、そういう「勢い」を見て「これなら変わるかもしれない」と期
待した改革期待票だ。そこが03年総選挙、04年参院選ではマニフェストに反応して民
主党に投票する流れを作っているはずだ。ここが都議選で「争点が見えない」「石原
さんもなぁ・・・」と、足が止まる可能性がある。ここにマニフェストをどう訴える
か、だな。

八     例えば「地震対策」だ。民主党はマニフェストのトップに最重点項目と
して挙げているが、自民党は羅列のなかのひとつ、しかも「石原都知事との強力な連
携のもとに」「17年度内にまとめられる予定の政府の対策を検討・改善し」と、取り
組みの差は歴然だ。

熊     地震被害のポイントは家屋の倒壊、つまり「倒れない家を増やす」こと
が、震災対策のポイントだ。阪神大震災から十年が経つというのに、その対策は一向
に進んでいない。簡単に言えば、家屋調査の費用と耐震補強の費用を投じる(補助、
税の減免など)という合意を形成できるか、マニフェストがそれを問う内容になって
いるかどうか。地震対策一般(具体的中身の提示なし)の自民党に比べれば、民主党
のほうの出来は、はるかに上だな。問題はそれを誰にどう伝えるか、だ。

八     埼玉で痴呆老人をだました住宅リフォームの事件があっただろ。あれは
「詐欺」で問題になったが、しかし住宅の質ってことに関しちゃあ、手抜きや欠陥が
あるんじゃないか、と誰もが不安を持っている。その典型が地震だろう? 「お試
し」も「保証書」も何もなしに、一生に一度の買い物をさせられているんだぜ。下手
すりゃ、借金だけが残るって話だ。

熊    年金もそうだが、郵政だなんだと「花火」を挙げている間に、足元の肝心
な改革―生活の安全と安心は完全に置き去りにされてきた。これが小泉改革の決算
だ、ということだ。そして石原知事は、こういう肝心な問題にはいっさい関心がない
と。週に二、三回しか登庁しないんじゃ、当然だな。知事の仕事をしてもらわない
と、「広告塔」じゃ困りますよ、というNOが出始めた。これまでの「ちょっとやり
すぎじゃ・・・」という懸念に代わって、はっきりしたNOだ。

八    役人と与党(地方議会で「与党」ってなんだ?)にとっちゃ、「広告塔」
として使い勝手がよかったんだろうがな。つまりは「職責」ってことだ。知事の職責
は「広告塔」じゃないし、議員の職責は「首長のチェック」だ。それが「与党」って
のはヘンじゃありませんか?ってことに、気がつき始めたわけだ。

熊    まあ、住宅ローン減税みたいに、デフレ時代に借金して住宅を買えって政
府が奨励するのも、ヒドイ話だよな。おまけに都心じゃ、マンションバブルだ。これ
から人口が減るって時に、十年後のメンテナンスも三十年後の更新のメドも立たない
ような、廃墟になるしかないことが分かっているマンションやビルを、バブル時代以
上につくってどうするんだ?
今、住宅のことを心配する人たち、ローンを組もうとする人たちは、今の経済社会の
なかで「生きている」人たちだ。年金のことも、「自分がもらえるかどうか」だけで
はなく、「次の世代までの公正さとは」という問題設定に反応できる人たちが基本
だ。この層が「郵政よりも先にやることがあるじゃないか」と言い始めているわけ
だ。

八    郵政があがってしまえば、もう「手品」も「花火」もない。これまで置き
去りにしてきた問題が、いろいろなところから否応なく噴出する。年金もそうだが、
この住宅も「一生ものの買い物」だから、人生設計にかかわる。そういう問題とし
て、ターゲットをしっかり絞って「地震対策」を提起するのと、そういうターゲット
が見えていなくて、間違っていないマニフェストを間違えずに説明できる、というの
とでは伝達能力が雲泥の差ということになる。

熊    住宅問題で言えば、地震対策もそうだが、高度成長時代のニュータウンが
オールドタウンになり、これからゴーストタウンになっていくという問題もある。人
口減少というのは、田舎の問題じゃない。田舎はもうとっくに高齢化していて、すで
に安定期だ。人口減少、高齢化のインパクトが一番大きいのは東京だし、それに対応
したパラダイムチェンジが、一番できていないのも東京だ。いまだに右肩上がり・バ
ブル再来型で発想している。ここを変えるのか、このままでいいのか、ということ
だ。
右肩上がりの時代に計画したダム建設を止めて、地震対策に税金を回す、そういう合
意をみなさんと約束する、私たちが議会で過半数を取ればそういう条例をつくって、
知事に実行させますと。

八    第三セクターの見直しも、同じ性格だな。右肩上がりの惰性で税金を垂れ
流しているのを止めると。そして破綻をしても誰も責任をとらない、この無責任構造
を追及することだ。ここは「責任」というキーワードが抜けると、「○○叩き」に終
わる。税金の無駄使い一般では、「豪華視察旅行」まで、一緒くたにされちまって、
政治不信を助長するだけだ(まあ共産党は政治不信を助長して投票率を下げる作戦な
のかもしれねぇが?)。
さらに一歩踏み込んで、「破綻の責任を問うのは、誰ですか? 民間会社なら株主が
問うし、世間が問います。第三セクターは税金で運営されています。税金を払ってい
るのは皆さんです、責任を問うのは皆さんじゃありませんか? それともこのままで
いいと、白紙委任を続けますか? 私たちは、この責任を問うことを皆さんと約束し
ます」と、有権者の責任を問うところまで言われれば、「国政選挙には行くが、地方
選挙には関心がない」と気取っているほうも、ハッとさせられるんじゃないか。

熊    つまりは、小泉改革の決算をつけようと。小泉改革が置き去りにしてき
た、「われわれの人生設計」に必要な改革―年金や住宅など―に正面から取り組む、
それをマニフェストで約束しますと。
そして「右肩上がり」から「右肩下がり」へのパラダイムチェンジが問われていると
きに、それを石原都政とその「与党」に白紙委任できますか?と。私たちは、これか
らの時代、「われわれの人生設計」に必要な改革のために、議会の職務である条例制
定に取り組み、その観点から石原都政をチェックしますと。
そしてこの東京の選択を、次の国政の転換へ―政権交代へつなげようと。

・・・おや、駅前のほうから、なにやら演説の声が聞こえてきたようです。

「みなさんが望んだ改革は、郵便局がコンビニになって便利になることですか? 来
年か再来年から、日本は右肩下がりの時代に入ります。それに見合った転換が、東京
都政で出来ていますか? 40年前、右肩上がりの時代のダム建設計画(工事未着工)
すら、転換できていないのですよ。みなさんは、このままダラダラと続けていくと、
白紙委任しますか? それともここで、東京からパラダイムチェンジをしていきます
か? 私たちは、マニフェストでこうしたパラダイムチェンジのための議会活動―条
例制定と知事のチェック―を約束します。みなさんの選択は、次の日本の選択につな
がります。これからの時代に生きる次世代のための公正さと、われわれの人生設計に
必要な改革、そのための選択を東京から! 次のステップは国政での転換へ!」

□◆□ お知らせ □◆□
□第68回定例講演会
「北東アジアの戦略的環境変化と日韓関係」
李鍾元・立教大学教授
7月14日(木)18時30分より
総評会館
参加費 会員1000円/一般2000円

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石津美知子 ishizu@ganbarou-nippon.ne.jp
 「がんばろう、日本!」国民協議会
http://www.ganbarou-nippon.ne.jp
TEL:03-5215-1330 FAX:03-5215-1333