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▼index
□政治は誰かが変えてくれるのではありません。
あなたの選択が、政治を変える、そのチャンスが今ここに!

■選挙戦終盤の情勢
■終盤の攻防 自公の総力戦をあなどるな
■一票の選択を変える 主権者革命の波で「白紙委任」の道を断とう

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政治は誰かが変えてくれるのではありません。
あなたの選択が、政治を変える、そのチャンスが今ここに!
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■選挙戦終盤の情勢■

選挙戦中盤の情勢が、各新聞でいっせいに報じられている。
全体としては「自民勝敗ライン51割れ? 民主大幅増の勢い」というもの。小泉政権
の支持率は政権発足以来の最低水準(40%弱、読売は37%)となり、「不支持」と拮
抗ないしは逆転している。
ただし、選挙区では五割、比例では三割がまだ投票先を決めていない。また「必ず投
票に行く」「関心がある」はともに、前回参院選よりも低下している。注目すべきは
自民党支持層で「必ず行く」が民主より低く、無党派層では「関心がある」が五割程
度と大きく落ち込んでいること。
これは都市部における小泉支持(「純ちゃーん」に代表される)の失速と(主婦層で
「自民支持」が10ポイント低下/共同)、農村部における構造的な「自民離れ」(農
林業での「自民党支持」は14ポイント低下で47%、一方「民主支持」は1ケタ台から
10%台へ/共同)という変化を反映している。

明らかに、有権者のなかでは、小泉政権三年間の「学習効果」とそれによる構造的な
変化が始まっている。これを「一票の選択を変える」という行動にまで、もっていけ
るか。ここが最大のポイントである。

すなわち、
第一に「小泉・自公政権ではだめだ」(理由も自分なりに説明できる)という部分
を、「一票の選択を変える」という行動にまで組織すること。
第二に「よくわからない」「まだ決めていない」という部分(多くの無党派)に、
「白紙委任の道を断て」とある時は叱責し、ある時は啓蒙しつつ、投票に行かせるこ
と。
第三に中盤戦の情勢をみて、「それなら自分が投票しなくても大丈夫」となる層(無
党派的民主党支持層および選対関係者)には慢心を戒めるとともに、参院選「後」の
攻防(年金法案廃止や自民党内政局への対応=小退陣なら総選挙で信を問え、自民党
内の首のすげ替えで逃げ切らせない)へのリアリティーを問うて、最後まで緊張感を
緩めないこと。

■終盤の攻防 自公の総力戦をあなどるな■

自民党の終盤戦の戦術は、全面的な公明・創価学会依存となる。すでに民主との接戦
が報じられている10選挙区で、公明党が全面的に応援にはいることが確認された。そ
の際の条件は、「自民党候補の後援会名簿の提出」と「比例は公明」である。これを
クリアしないかぎり公明党は応援に入らない。自公の融合は、総選挙の時以上に後戻
りできない形で進行している。
もうひとつの戦術は、投票率低下である。小泉支持層が関心を失い、選挙に行かなく
なるのは、もう止められない。せめて、「小泉ではだめだ」と考え始めた部分が「そ
れなら今回は民主だ」とならないように、「小泉もだめだが民主もねぇ」と棄権にな
るようにすることである。対民主ネガティブキャンペーンはこの表れだ。

民主党の「勢い」は、それを固める組織がないから、下手をすれば上滑りとなる。そ
の発信源は残念ながら、選対関係者からとなる確率が高い。ここを止められなけれ
ば、終盤の選挙戦は流れる。これでは関心を持ち始めた有権者の足を止めることはで
きないし、ましてや投票所に向かわせるまでの迫力も、真摯な思いも伝わらない。
有権者の「静かな怒り」は、鬱憤を晴らすという投票行動にはならないから、これで
は有権者の「期待感」とのミスマッチは致命的なものとなる。

終盤戦における自公の総力戦をあなどってはいけない。
03総選挙で、2000票以内で競り負けた選挙区の敗因は、ほとんどがこの終盤戦におけ
る自公、とりわけ公明の総力戦に負けたことにある。さらに、出口調査では有利だっ
たところが、不在者投票を加えたらひっくり返ったという例もあった。また埼玉8区
の補選では、民主優勢が伝えられながら、最後の三日間、公明・創価学会が全力では
いったことで自民党が勝ったことも想起すべきである。

この終盤戦における自公の総力戦を上回るだけの主権者の波、五割の「まだ決めてい
ない」を一票一票固めていくような、投票率を60%以上に持っていくような組織戦が
できなければ、政権交代への「胸つき八丁」に手をかけることさえできない。

自公の総力戦は、要するに「身内」の締め付けである。公共事業などのバラマキを
使った締め付けは、もはや限界がある。だから自民党は、公明・創価学会票に全面的
に依存せざるをえない。一方の公明党も、今回は年金、イラクなどで支持者を説得す
る論理に乏しい。「与党の実績」と言っても、「この年金改革じゃあね」という声が
返ってくるし、周辺(いわゆる「フレンド票」といわれるような部分)からは「こん
な年金、あなたたちが悪いんじゃない」という声があがる。(今回の電話かけのなか
では、「公明党の人に今度ばかりははっきり言ってやったわよ」というのがあっ
た)。
これを説得する論理は難しいだろう。結局「そうは言っても、いいかげんな民主に任
せられるんですか?」というところに行き着く。

逆に言えば、ここを突破してしまえば、後はもう自公の側に有権者を引き止める論理
はなくなる。つまり前回、自公に入れた層と棄権した層が、はっきり「投票行動を変
える」となった時には、もうそれは止められないということだ。そして前回民主に入
れた層が、「自分だけではなくもう一票」と他者を組織することに踏み出すことだ。
ここを組織できるかどうか、そこまでの有権者の責任意識、当事者意識を呼び覚ま
し、植付け、鼓舞し、時には叱責し、ともに考えるという組織戦に全力をあげるこ
と。ここが終盤戦のポイントである。

■一票の選択を変える 主権者革命の波で「白紙委任」の道を断とう■

終盤に向かう中で「もう決めている」が少しずつ増えている。しかし3から4割は最後
の三日、あるいは前日になって「決める」。「もう決めている」層には「あと一票」
の声かけを、「まだ決めていない」層には当事者意識を植え付け、ともに考える会話
をしながら説得を。

@「もう決めている」層には、「あと一票を」と念押しするとともに、終盤の自公の
総力戦を上回る有権者の波が必要なことを共有する。周りにもあるであろう「政治不
信」や「しらけ」を説得し、あるいは叱責する方法を伝える。「ここで変わる、変え
られる」というリアリティーを共有しよう。

A「まだ決めていない」層。
ポイントは「小泉はだめだけれども・・・」という層で、政治不信のヘラズ口で「民主
党もねぇ」ではなく、「投票行動を変える」ための確信、動機付けを潜在的に求めて
いる層。ここは「小泉・自公ではダメな理由」は必要ない。「どうすれば変えられる
のか」という確信を伝えることである。
第一義的には、この参院選の結果によってこう変わる(あなたの一票でこう変えられ
る)ということを示す。
1. 小泉政権が失速(51が勝敗ライン)→その場合、民主党は解散総選挙を求める=
国民の選択の機会を求める! こういう民意をつきつけよう
2. 10月からの年金改革実施を止める→民主党は、年金改革法廃止法案を提出。年金
改革に対する民意を、この際はっきりつきつけましょう!
これは短期的な戦術。

そのうえで、「無責任・居直り・思いつき」の小泉さんか、「まっすぐに、ひたむき
に、ウソのない政治」をめざす実直・岡田さんか。どちらにこの国の未来、私たち・
子どもたちの未来を任せられると思いますか。
というような形で、選択肢をイメージ的にも明確にする。

B「でも民主党はバラバラ」とか「安全保障政策がない」とか「未納は民主党も同
じ」ということを、政治不信のヘラズ口としてではなく聞いてくる場合(こういう
ケースは、「いろいろ聞きたい」「参考にしたい」ということがベースにあるから、
ていねいに説明すれば話は聞くし、「いろいろありがとう」となる)。
個々の質問にきちんと答えるのは前提だが、その場合に必ず「政党の原則」「政党の
ありよう」という点で対比できるようにすること(「政党の評価のしかた」を教え
る)。例えば「バラバラ」について、「マニフェストに全員の署名を求める」民主と
「首相は首相、党は党」(安倍幹事長)という自民党、どちらが政党としてまとまり
があるか。あるいは「未納問題」でも「国民との信頼」で揺れた民主党と政権維持・政
局ネタとしてしか対応しなかった自民党、どちらがまっとうな政党か。etc

さらに深い話を聞く条件がある場合には、この参院の任期六年間(2010年まで)に確
実に問われる課題(高齢化・人口減少時代の社会保障、破綻寸前の財政赤字、FTA
を始めとする東アジアの統合、この秋から予定される国連安保理非常任理事国など)
に対する、現実感・危機感が、自民、民主どちらに「よりあるか」。2010年まで
に確実に問われるわが国の選択に対して、現実感も危機感もない候補者を国政に送る
べきではない、ということをきちんと伝える。
ここまで話ができる部分は限られるが、少なくとも働きかける側にこうした現実感が
あることは、最低必要。(『日本再生』303号参照)

この層のなかには、03総選挙で民主党に期待したが、その後の展開で「期待外れ」と
なっている部分が少なくないはず(『論座』8月号の世論調査では、総選挙で民主に
期待した人の四割強が「不満」、「満足」は二割弱/首都圏、近畿圏に限定の調査)
この層には、前述したような「政党の評価のしかた」や、「2010年を見すえた選択」
など、マニフェストの政治文化を今一歩深め、定着させる働きかけが重要。

C「まだ決めていない」で、投票意欲もいまひとつ、という層。政治不信と同居して
いる層ともいえる。
ここは「白紙委任の道を断つ」ことを徹底して訴える。同時にこれは、「もう決めて
いる」人たちに、周りの無党派・政治不信にカツをいれる武器としても「こう言いま
しょう」と伝える内容になる。

一般的に言えば、今回も白紙委任すればどうなるか(この先3年間小泉・自公政権が
続く)、について具体的にイメージできるように伝えて、迫る。
1. 来年は介護保険見直し。ここでも今回の年金と同様、世論を無視し、重要なデー
タを隠し、財源のツケは国民に回して、厚生利権だけは温存するというやり方がまか
り通る。それでいいのか。 
2. イラクの多国籍軍参加のような、なし崩しのやり方で今後の防衛政策、国際貢献
を決めていいのか。
3.道路公団改革の顛末が、郵政民営化でも社会保険庁でも繰り返される。etc

相手に応じて、「白紙委任」=無責任への反省を引き出す会話も必要(相手を非難す
るのではなく、お互いに一国民としてやはり考えなければいけませんよね、というよ
うな会話の流れ)。
有権者としての責任を呼び起こす、決めゼリフも必要。
「政治は、誰かが変えてくれるものではありません。あなたの選択が変えるのです。
そのチャンスなんです」(参院選〜次期総選挙にむけたロードマップのリアリティー
が、訴える側にあるかどうかが決定的)
「有権者としての選択を、これ以上先送りできますか? 年金の次は介護保険、イラ
ク多国籍軍の次は何ですか?」
「07年から日本の人口は毎年60万人減りつづけていきます。自公の年金制度では持ち
ません。破綻してからどうするかを考えるのか、その前に抜本改革をするのか。今あ
なたの意思を示さないで、いつ示すのですか? 次の選挙は三年後、2010年からは団
塊の世代が年金受給側に回ります。今決めないでいつ決めるのですか?」等々

C漠然とした小泉支持 
小泉支持層は理由を聞かれると「なんとなく〜」という以上、何もでてこない場合が
多い。
<アエラ7/12より>
(高知での小泉総理の遊説を聞いていた年配の女性)
――いまの演説で、心に残った話は何でしたか
「いやあ、よかったわよ。はっきりしてて」
――いくつかの政策課題に触れた中で印象に残ったのは?
「そうねえ、どんなのあった?」
――イラク問題がありましたね
「……そうだったかねぇ。あんまり覚えてないね。でも頑張って話していたわねぇ、
暑いのに」

これは「即効薬」は難しい。しかし、クサビを打ち込む必要はある。
例えば「人生いろいろ・・・」に「おもしろいんじゃない」と言うなら、「普通の庶
民が居酒屋で話しているなら、それでもいいかもしれないが、一国の総理がそれでい
いのか」というように、「職責」にかかわる視点から問題を提起し、たたみ掛ける。
(三菱自動車の社長が同じようなことを言っても、あなたは「おもしろい」と思うか
? なぜ政治家なら、それが「おもしろい」のか?)
あるいは「総理のワンフレーズは分かりやすいと言うが、年金もイラク多国籍軍も、
国民には説明なし。そういう『分かりやすさ』についていって、あなたは本当に安心
できるのか、これで『白紙委任』して子どもや孫はどうなるか?」などのように、自
分と関わりのある他者との関係での責任を問う、など。

前出・論座の世論調査によれば、小泉政権に対して「危うさを感じる」は01年5月に
は41.5%だったのが、今回は59.3%に増えている。小泉3年間を「プラス」と評価す
るなかでも17.2%が「危うさ」を感じている(「マイナス」評価では35.8%)。この
「危うさを感じる」という部分に、「職責」「国民としての責任」という視点から、
政治社会的な表現形態を与えていくことが必要。

*このままいけば、07年は衆参の選挙がほぼ同じ時期に行われる。日本再生の成否を
決するこの「決戦」に向けて、今回の参院選はきわめて大きな一歩である。2010年ま
でにかならず問われる選択をしかと視野にいれ、07年の決戦(参院選の結果次第では
もっと早くなるかもしれない)にむけたロードマップをきっちり描いて、終盤戦を戦
い抜こう!

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石津美知子 ishizu@ganbarou-nippon.ne.jp
民主統一同盟 「がんばろう、日本!」国民協議会
http://www.ganbarou-nippon.ne.jp
TEL:03-5215-1330 FAX:03-5215-1333