電子瓦版(転送はご自由にどうぞ) ━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━ メルマガ♯がんばろう、日本! 66(04.6.4) ━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━ ▼index シリーズ・年金改革とマニフェスト その5 □ 道理を蹴散らして無理を通す小泉・自公政権に、国民的常識の一票でレッドカー ドを! ■人生いろいろ、社員もいろいろ・・・総理もイロイロ・・・で、いいワケないだ ろッ ■詐欺商法まがいの「年金改革」法案、強行採決 道理を蹴散らして無理を通す小泉・自公政権に、国民的常識の一票でレッドカードを ! ■お知らせ ====================================== 道理を蹴散らして無理を通す小泉・自公政権に、国民的常識の一票でレッドカードを ! ====================================== □人生いろいろ、社員もいろいろ・・・総理もイロイロ・・・で、いいワケないだ ろッ 【岡田・民主党新代表と小泉総理の「初対決」となった衆院決算委員会(6月3 日)】 岡田 日本国総理大臣が、勤務実態がないのに厚生年金制度を利用し加入していた。 これはやはりまずい。謝った方がいい。総理が言い訳するのは見苦しい。 小泉 何を謝らなければならないのか、さっぱりわかりませんね。35年も前のこと を問題にする方がおかしい。人生いろいろ、会社もいろいろ、社員もいろいろだ。家 にいてもいい、海外旅行してもいい、という会社もあるんですよ。そういう見返りを 求めない方に支えられて今日の私があるんですッ。 岡田 それが総理大臣の言うことか。総理がそういうことで、籍だけ会社において厚 生年金に入るといった制度の悪用―できるならやりたい人はいっぱいいますよ、有利 なんですから―を非難できるんですか。これは国の制度の根幹を揺るがす問題なんで すよ! 【外堀長屋にて】 熊 小泉の「人生いろいろ・・・」にゃ、まいったな。呆れてものも言えない や。公的制度を悪用してズル(不正)している、という意味がまったく分かっていな い(概念にない)のか、それとも分かったうえでの確信犯なのか。なんせ自民党には 同じように、支援会社の厚生年金に加入している(幽霊社員扱いの)議員が相当いる (いた)らしいからな。年金加入状況をガンとして公開しないのも、それが理由だ。 八 今回は、愚直に理を説いていくという岡田さんの姿勢が、小泉の開き直り を際立たせたと言ってもいいだろうな。ワイドショーあたりでも「いいかげんにし ろッ」という雰囲気が圧倒的だ。 熊 ただしここに止まるなら、参院選の投票率は低くなるだけだ。小泉劇場の 空虚さには多くの人が気がついているが、一方に「無責任だからこそオモシロイ」と いう支持構造が厳然と存在しているのも事実だ。「何を言ってもムダ」に止まれば、 向こうの思うツボ、投票率が低くなればなるほど、ますます公明票の動向が決定的と いうことになっちまう。 八 ここまでくると、はっきりするよな。「人生いろいろ」に「おもしろいん じゃない?」と(本当に面白いと思っているか、冷めたふりをしてそう言っているか は別にして)反応する国民と、「いいかげんにしろッ」「そういう問題じゃないだろ う」と怒る国民と、はっきり社会性が分かれてきている。三年前は「自民党をぶっ潰 す〜」の絶叫に「純ちゃーん」の声援だったが、ここにも分岐が入り始めてるってこ とだ。 熊 この間、絶妙な週刊誌の見出しを見つけたよ。 「独断即決しかも非常識! 小泉純一郎思いつき勝利学!/『すげぇよなぁ。突然 の“訪朝”で首相の年金未加入問題が過去の話になっちゃったもん』 思いつきとし か思えない言動の連続なのに連戦連勝!? 『総理は思いつきでものを言う』は、もは や常識。……よし、オレらも“思いつき”でいくぜ!」(週刊プレイボーイより) こうなるともう、オレオレ詐欺の精神世界じゃないか。小泉支持の基礎は、こういう 反社会性に違和感のない部分、それと同居できる部分ってことだ。 八 そして上部構造は、「規制緩和」の名分で旧い利権に取って代わって 「公」を占拠した新興勢力だ。野中(広務)に言わせりゃ「東京に住んでいる、年収 一千万以上のカタカナ商売の連中」、俗に言う「勝ち組」ってことだな。竹中大臣は 「規制緩和をすれば『よいことをする自由』も『悪いことをする自由』も増える」 と、のたまったそうだ。『悪いことをする自由』って何だよ!? スーパーフリーか ? 自由が反社会性とイコールになっちまっている世界だよ。 熊 それと同居できる「無党派」とは何なのかってことを、問わなけりゃなら ねぇわけだ。ここまでくると、無党派イコール無責任ということだろう。ここをどう 崩すか。「未納」問題では、「政治家なんてみんな同じ」と政治不信を正当化した部 分と、「これは国民の義務の問題なんだから、一国民として政府や政治家の責任はど うするんですか? と問うているんだ」となった部分とに世論も分かれ始めた。国民 のなかでは、自己責任と国民主権のラインに沿って分岐が走り始めているってこと だ。 八 国民主権の常識と無責任・無党派の非常識。ここの決着戦を構えなければ ならないわけだ。そのことを外して永田町のアレコレを評論しても、二大政党とマニ フェストの政治文化には一歩も近づかないってことだよ。 熊 小泉の開き直りに、いちいち怒っていたらたしかに「空しい」よ。まっと うな神経の持ち主なら、いいかげんイヤになる。しかし「何を言ってもムダ」となっ たら、今度は日本人と日本社会が根っこからダメになっちまう。ここのせめぎあい だ。ここでの責任感、真摯さ、それを共有したリーダーとフォロワーの関係にしなけ りゃならない。そういう意味では、岡田新代表の政治姿勢に期待したい。 八 俺らフォロワーも「どっちもどっち」じゃなくて、国民主権の常識・規範 の側にいるのはどっちか、無責任・無党派の非常識の側にいるのはどっちなのか。こ こでリーダーも見ていかなけりゃならないし、フォロワー同士もそれをお互いに問い あわなけりゃならねぇってことだよな。参院選は、そういう国民的常識の「底」を打 つための組織戦だ。 □ 詐欺商法まがいの「年金改革」法案、強行採決 道理を蹴散らして無理を通す小泉・自公政権に、国民的常識の一票でレッドカードを ! 国民の七割が「見送るべき」としている年金「改革」法案が、ついに3日、参議院厚 生労働委員会で強行採決された。「会期末だからしかたない」(小泉総理)、「野党 は質問する気がなかった」(細田官房長官)。国民主権の道理を蹴散らして無理を押 し通す小泉・自公政権の姿が、ここに端的に表れている。 【異例の強行採決】 3日の強行採決は、異例ずくめだった。総理出席時の強行採決も異例なら、野党の 質問を切り捨てての強行採決も異例である(今期引退でこれが最後の質問になるはず だった西川きよし議員は、「質問もできず、採決にも加われず、“卒業式”ができな かった」と嘆いた)。この年金法案では、首相や担当大臣の答弁のいいかげんさ、与 党の審議日程運びの乱暴さは目にあまるものがあった。 サミット日程をにらみ、参院選前の成立を目指しての、なにがなんでも強行採決とい う自公には、国民の七割の世論は視野にないのか、あっても「この程度(!)のこと なら世論などはどうにでもなる」と思っているのか。国民の生活、人生設計にかかわ る重要法案だからこそ、「年金には関心があるが、政治には関心がない」という部分 まで論議に参入してきた。だからこそ、こうした部分のところにまで、「政治日程か らすると・・・」というような分かったふりの永田町の評論話ではなく、「こんなこ とでいいのか!」という常識の底を打つように、「政治教育」していくこと。これこ そバッジをつけない主権者の役割である。 【詐欺商法まがいの「百年安心」】 政府・与党がアピールしてきた「百年安心」「負担の上限設定と現役世代の50%以 上の給付水準確保」といった金看板も、次々とメッキがはげ落ちた。最大の問題点 は、保険料負担、年金受給額をめぐる説明が極めて不適切だったことだ。 政府・与党は平成29年(2017年)の保険料負担について、厚生年金保険料率は年収 の18.30%(労使折半)、国民年金保険料は月額16900円を上限に固定すると強調して きた。ところが国民年金法には、この上限額を「16年度価格」とするただし書きがあ り、29年時点の実際の保険料はそれまでの賃金上昇率を加味するため、政府の試算で 20860円、2027年には25680円となる。 現役世代の平均手取り年収月額(月給)の「50%以上確保」としている厚生年金の 給付水準も、政府試算のモデル世帯は、四十年間同じ会社で平均賃金で働き続けたサ ラリーマンの夫と任意加入時代を含めて一度も国民年金に加入したことがない専業主 婦の夫妻。こうしたモデルが現実離れしているが、このモデル世帯が受給する年金は 16年度は59.3%。制度維持のために水準は徐々に引き下げるが、計算上は50.2%で固 定できる見通しというのが政府の説明だった。 ただし、これは年金受給を請求した年に限定される。翌年以降の受給額は基本的に 物価にしか連動しないため、一般的に物価上昇率より伸びが大きい賃金上昇率に基づ いて上がる現役世代の平均賃金との開きは年々大きくなる。このため、50%以上の給 付水準が守られるのは年金受給開始直後だけで、瞬く間に40%台に下がる。 独身男性の場合には、受給開始時点で36%、20年後には30%を切る。これでは老後 の安心には程遠い。 制度設計の前提数値の見通しの甘さも指摘されている。例えば「合計特殊出生率」 は02年は1.32だが、政府は2050年に1.39に回復することを前提にしている。03年度マ イナス0.3%だった物価上昇率についても08年度で1.9%、09年度以降は1.0%と見積 もっている。 国民年金保険料の未納率は、達成見込みすらない今後の改善を織り込み、02年度の 37.2%が07年度には「目標」の20%に改善する前提。しかし保険料率引き上げによる 負担増を回避するため、企業が正社員をリストラする動きさえ予想され、制度設計は 根底から覆りかねない。(産経新聞6/4をベースに加筆) これでは政府の説明は「利率何パーセントを保証!」などという(詐欺まがいの) 金融商品の広告と同じようなものではないか。ここでも、詐欺にひっかからない国民 的常識の底が必要だ。 (以下は、枝野幸男オープンミーティング/「日本再生」301号掲載より) 政府案が「五十年、百年もつ」というのであれば、つまり今後五十年、百年、政府が 計算しているとおりの経済成長率、物価上昇率、出生率であるならば、そして政府が 考えているとおりに積立金の運用益が出るなら、政府案でも五十年、百年もつかもし れません。しかし誰がそんなことを信用しますか? ですから「将来いくらもらえます」と約束すること自体が、幻想なんです。年金の 議論は、制度として、ルールとして合理的なのか、公平なのかを求めなければなりま せん。「将来いくらもらえるか」という約束をあてにしてはいけないんです。そんな 約束は成り立たないのです。例えばこの十年間、誰も予測できなかったデフレが続い ています。予測できないことがすでに起こっているのです。五十年、百年先までの経 済見通しなど、できないのが当たり前です。 人口の増加と経済成長率はほぼ連動しています。これから人口は減っていくわけで すから、経済成長はむしろマイナスかゼロだと思ったほうがいい(政府の見通しでは プラス成長)。しかも正社員がますます減って、パートやアルバイトがますます増え れば、厚生年金と国民年金の加入者割合も現在とは変わってきます。こういうことを 考えたら、政府案が前提としている推計でいくら「将来これだけもらえます」と計算 しても、ほとんど意味がありません。むしろ国民に幻想を与えるだけです(幻想は不 信に変わる/編集部)。 そうではなく、制度の枠組みとしてどちらが公平なのかということを求めなければ ならないでしょう。(年金財源の)足りない分を税金で補うのか、それとも保険料の 値上げで補うのか。どちらがより公平なのか。そして国民年金、厚生年金、共済年金 というようにバラバラな制度のままがいいのか、それとも一本化したほうがいいの か。どちらがより公平なのかということです。(引用終わり) 「いくらもらえるか」ではなく「どういう制度がより公平なのか」。ここから年金 制度を議論していく国民的土台(合意)をつくること、「ソンかトクか」で参入して きた人たちも、ここに合流するようにすること。これが「詐欺まがい商法」にひっか からない国民常識の「底」である。ここをマニフェストを検証していく政治文化、そ の作法の基礎打ちとしよう。 【参院選・自民党マニフェストで、三党合意はどうなっているか】 政府の経済財政諮問会議が3日に決定する「骨太の方針第四弾」の最終案で、年金制 度改革に関して原案に明記されていた「公的年金の一元化」の文言が削除されたこと が2日、明らかになった。年金一元化については、政府・与党内に厚生、共済両年金 と仕組みが大きく異なる国民年金を含めることに慎重論が強く、「政権公約」につな がる骨太の方針に明記することを嫌ったものとみられる。年金制度改革については原 案にあった「公的年金の一元化を展望し、体系の在り方について検討する」との表現 が「社会保障制度全般についての一体的見直しにあわせて体系の在り方を検討する」 と書き換えられた。 政府・与党内には、国民年金を含めた一元化について「自営業者の所得捕捉が難し く非現実的だ」(厚生労働省幹部)という否定的な意見が多く、小泉純一郎首相が国 民年金を含めた一元化に言及していることについて自民党は「首相は首相」(安倍晋 三幹事長)との受け止め方。(産経新聞6/2より) 昨年の総選挙では、自民・公明は統一したマニフェストを提示せず、「小泉マニフェ スト」では「04年中に年金の抜本改革をします」とだけ(選挙中の論戦でも逃げっぱ なし)。それが形になったのが、今回の「百年安心プラン」だ。ところが「三党合 意」では「百年安心」の前提を否定するような「年金制度の一元化」(「百年安心」 は暫定措置にすぎないことになる)と言いながら、参院選のマニフェストでは「先送 り」。こうした事実経過そのものが、明白なマニフェスト違反ではないのか。 この意味を、「年金には関心があるが、政治には関心がない」という人たちに、し かと伝えること。これが、バッジをつけない主権者の任務だ。 小泉政権を支持するにせよ、支持しないにせよ、それをマニフェストに基づいて説 明する―これがマニフェストと二大政党の政治文化であり、作法である。そこに向け た基礎打ちとして、参院選はマニフェストに基づく政権の中間評価としなければなら ない。 総選挙では自民党と民主党のマニフェストを見たことがあり、年金の記述の違いもあ る程度知らないわけではなく、そのうえで「小泉マニフェスト」に投票し、今回の年 金改革には納得できないと感じている有権者が、この間の事実経過をマニフェストに 基づいてとらえられるようにすること。ここから、マニフェストの国民的常識の第一 歩が始まる。 あるいは昨年の総選挙で、「マニフェストを投票の参考にした」のは全体では47% であったのに対し、無党派では39%に止まっている。ここの落差をどこまで引き上げ るか、ということでもある。 参議院選挙は、国民主権の常識と無責任の非常識との組織戦である。ここでマニフェ ストと二大政党の政治文化に「底」を打とう。小泉・自公政権の中間評価の基準は、 国民主権の道理を蹴散らすことを容認するのかどうか、である。「民主党も頼りな い」「どっちもどっち」「分かるけど棄権」というのは、国民的常識からの逸脱であ る。 国民主権の常識・規範の側にいるのはどちらか、無責任・無党派の非常識の側にいる のはどちらなのか。ここをしかと問うことが、バッジをつけた主権者とバッジをつけ ない主権者の役割である。 道理を蹴散らして無理を通すやり方に、国民的常識の一票でレッドカードを! □ ◆□ お知らせ □◆□ □第57回定例講演会 「主権移譲を目前にいたイラク情勢とわが国の課題」 大野元裕・中東調査会上席研究員 6月10日(木)午後6時30分より 総評会館 204室 □第58回定例講演会 「人口減時代の社会保障のありかたと定常型社会」 広井良典・千葉大学教授 7月27日(火)午後6時30分より 総評会館 203室 ●いずれも参加費は 会員1000円/一般2000円 □第20回 千葉・戸田代表を囲む会 「住民主権とマニフェスト文化」 ゲストスピーカー 福嶋浩彦・我孫子市長 6月13日(日)午後1時より セミナーハウス クロスウェーブ(船橋市本町2-9-7) 参加費 1000円 □■メルマガ配布先 募集中■□ 登録は、http://www.ganbarou-nippon.ne.jp より、どうぞ。 ====================== 石津美知子 ishizu@ganbarou-nippon.ne.jp 民主統一同盟 「がんばろう、日本!」国民協議会 http://www.ganbarou-nippon.ne.jp TEL:03-5215-1330 FAX:03-5215-1333 |