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メルマガ♯がんばろう、日本!         52(03.10.7)
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マニフェスト対決はおもしろい!
□ のるか、逃げるか、マニフェスト対決
□ 改革vs抵抗勢力のクサイ芝居はもう飽きた  政策論争を百倍おもしろく

 ■お知らせ

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マニフェスト対決はおもしろい!
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□ のるか、逃げるか、マニフェスト対決

熊    今日(6日)の朝刊各紙にはどれも、民主党マニフェストの一面広告が
載っていたな。いよいよマニフェスト選挙の火ぶたが切って落とされたわけだ。

八    さっそく自民党のほうは、藤井道路公団総裁の首切りをぶつけてきた。こ
れがなけりゃ、今日の朝刊一面トップは、前日の合併大会だったんだがな。しかしそ
のあたりはもう、ワイドショーあたりでも見透かされているぜ。「な〜んだ、またい
つもの手か」ってな。

熊    「サプライズ」ってのは、前よりもインパクトのあるものでないと、「サ
プライズ」にはならねぇからな。藤井更迭を早々とここでぶつけたら、小泉にタマは
それほど残っていないだろう。あるとすれば、投票日直前に拉致被害者の家族が突然
帰って来る、とかな。ブッシュとの会談で、イラク支援と引き換えに、そのあたりの
了解をとりつける、なーんてことも、やるかもしれない。

八    拉致問題は、歴代自民党政権が国家主権、国民の生命を守るってぇ基本を
サボってきた問題だ。それを棚にあげて、テメエに有利な政局の駒につかおうって根
性が、あれこれ言う前に言語道断だ!

熊    なんといっても、小泉のほうは完全に、65%の世論にターゲットを絞って
いるからな。ここへの受けねらいのためには、なんでもありというのが、近頃ますま
す露骨になっている。

【65%の世論】埼玉県知事選挙は35%という低投票率にもかかわらず、マニフェスト
を掲げた上田氏が圧勝した。従来であれば、35%なら自民・公明の組織選挙が圧倒的
に有利である。しかし、例えば自民党の職域団体の党員数は三年前と比べて、大樹会
(特定郵便局)が24万から10.6万人、建設が18万から8.6万人、看護連盟が12.4万か
ら4.3万人のように軒並み大幅に減少しているように、利害関係者を囲い込む選挙戦
の足腰は衰えている。替わりに、マニフェストに反応できる層が投票所に足を運んだ
結果である。逆に自民党は残りの65%の世論にターゲットを絞った。

八    マニフェストだって、総裁選が始まる前は積極的だったが(「踏絵」
云々)、総裁選に政局テクニックを駆使して圧勝した後は、「政策」なんかそっちの
け、もっぱら65%受けのする「顔」をどう揃えるかがすべてのポイントになった。

熊    マニフェストを選挙期間中に配布できるように公職選挙法を改正すること
だって、「野党を利する」「個々の候補者をマニフェストで点検されてはたまらな
い」と大抵抗だった。それが新聞やテレビで「自民党はマニフェストに消極的」と報
じられると、一日でコロッと「公選法改正」に賛成となった。ようするに選挙を前に
して、65%にどう見られるかという計算しかアタマにないんだ。

八    まぁここまでの勝負では、民主党が正攻法で押している。安倍幹事長効果
も、思ったほど続かないかもしれないな。一面トップは奪われたとはいえ、マスコミ
が民主党のマニフェストを報じているときに、「選挙目当ての合併は不真面目」なん
てコメントをだしているんじゃな。仮にも政権与党の幹事長だぜ。「マニフェスト勝
負を受けて立つ」くらいのことがいえなけりゃあ。みかけはスマートでも、中身は案
外「旧い自民党」だ。

熊     それも35%の世界の話だ。自民党のターゲットは65%だ。マニフェスト
そのものの勝負なら、民主党が圧倒的に有利だが権力闘争というのは、「正しいこ
と」を言っているかどうかで勝負が決まるわけじゃねぇ。自民党の「強み」は、権力
への執着心だ。与党の座を降りたらどうなるか。93年細川政権の時の比じゃないこと
は、自分たちがよーく分かっているはずだ。

八     そのためになりふり構わずってわけだ。まず、民主党のマニフェストを
「実現不可能な無責任なものだ」とこき下ろすことに全力をつくすところから、反撃
が始まるのかな。

熊     民主党には、自分たちのマニフェストをきちんと説明できるものはそれ
なりにいる。チームでつくっているからな。だが、「こき下ろす」ことくらいならで
きるってのは、自民党には百人は軽くいる。安倍みたいに「揶揄」するんじゃなく
て、高村や石原の息子みたいに、それらしい数字や政策めいたことをいって、「野党
は無責任」と。それを迎え撃って民主党の各候補が、さらに論争的攻勢的にマニフェ
ストを訴えられるか。ここが最初の勝負になると、おいらは見るね。

八     論戦でつっこまれればボロがでることは、自民党のほうはよく分かって
いる。解散すれば国会論戦という「見せ場」はなくなるし、テレビでもおそらく野党
との論戦の形式なら、三役クラスは出演を拒否するだろうな。そうなると、公開の場
での論戦の機会はほぼなくなるから、個々の候補者が、マニフェストの内容をどこま
で論争的に提起できるかだ。自分の論理の枠のなかで、きちんとつじつまがあってる
ように説明できる、ということと、相手の土俵で相撲をとっても勝てる、というのと
では、大きく違うからな。

□ 改革vs抵抗勢力のクサイ芝居はもう飽きた  政策論争を百倍おもしろく

熊     例えば、予算委員会で石原の息子は民主党の「高速道路無料化」つい
て、「道路維持の財源はどうするのか」と切り返した。これを聞いて、自民党がいっ
せいにこれを言い出した。石原本人は細かい数字を挙げて「政策通」のつもりだろう
が、「道路の作り方をどうするのか/このままなのか、変えるのか」という大きな構
図が見えていないから、こいつを落とし穴にはめるのは簡単だ。
「だから『高速道路の無料化』というのは、『高速道路の国道化』なんだと。だから
道路公団―要するに、赤字になる有料道路を作りつづける仕組み―は廃止するん
だ」って、より争点をはっきりさせられる。

八    返す刀で、「それでは今ある道路公団の赤字はどうするんだ」と。税金で
穴埋めするのかどうか。税金で穴埋めしないというなら、民営化推進委員会の答申ど
おり、料金収入を新たな道路建設費に流用する、というやり方はできないはずだ。と
ころが石原の息子は、これを新たな道路建設に流用しようとしている。「これはどう
なんだ」と。要するに、赤字の有料道路を作りつづける仕組みを、このまま続けるの
か/変えるのか。ここが争点だってことをはっきりさせるために、使いこなせるかど
うかが腕のみせどころってわけだ。ここをどう「おもしろく」見せるられるかだ。

熊     道路公団といやぁ、藤井総裁の更迭で「改革劇」を演出しようとした小
泉の思惑が、意外な抵抗にあっている。更迭は夏の段階で既定路線だった。それを先
延ばしにして、政局に使おうとしたツケだよ。おかげで65%のほうにも、「道路公団
? 総裁のクビひとつにこれだけてこずっているなら、廃止しちゃったほうがスッキ
リするんじゃないの」という気分がでてくる。そこに「だから高速道路は無料にして
(赤字の有料道路をつくるのは止めて)、国道と同じにすればいいんです」とスッと
納得させられるか。

八     ついでに今でも、道路特定財源(2兆8千億)のうち3千億は本四公団の
債務返済など、道路公団の埋め合わせに流用されている。さらに本来の道路建設に使
われているのは2兆弱。それ以外は地下鉄の整備や土地区画など、道路と直接関係の
ない、しかし国交省関連の公共事業にちゃっかり流用されている(03年度予算ベー
ス)。こーんないいかげんなことでいいのか!と。

熊     道路特定財源を一般財源にするというのは、一度は小泉がいって、大抵
抗にあって引っ込めた。税収を減らしたくない財務省、既得権を手放したくない国交
省、族議員の利害が一致した結果が、このいいかげんな分配だ。政官業の聖域は、表
向きの形を変えて温存されたままだってことが、これでよく分かる。

八     民営化推進委員会・小泉vs抵抗勢力という「くさい芝居」はもう終わり
だ。抵抗勢力とやらも、この総裁選で小泉「改革」の枠に収まったわけだ。「民主党
マニフェストは財源もいいかげんで無責任」という「反撃」をうまくつかって(でき
れば誘発して)、小泉「改革」の本質(形を変えた政官業癒着の温存)を明らかに
し、返す刀で「民主党はそれをこう断ち切る」という形で。マニフェストをより攻勢
的に使いこなすことだ。

熊     ワイドショーを見ている65%は、「どっちがおもしろいか」だ。こうい
う政策論争のほうが、「石原家のナントカ」とか「プリンス安倍の素顔」とかより
ずっとおもしろい! というところへもっていくには、フォロワーからも盛り上げて
いかなけりゃな。

八     ところで郵政民営化はどうだ? 小泉は「郵政民営化を民主党はいえな
いじゃないか」と絶叫したが、自民党の面々も自分たちのことは棚にあげて、これを
言い出すんじゃないか? 一応、自民党のマニフェストには、中身は白紙のまま「郵
政民営化」という言葉だけは入るみたいだからな。

熊     願ったりかなったり、じゃねぇか。郵政民営化の本丸は350兆にのぼる
「郵貯、簡保」をどうするか、だ。まあ自民党は選挙後に決めるってぇんだから、
「白紙委任しろ」といっているようなもんだ。だがもっと攻勢的にいえばこうじゃ
ねぇか。経済財政諮問会議は、郵政民営化の五原則とやらを決めた(10/3)。ポイン
トは「郵便局網の維持」だ。特定郵便局のうち、郵便の集配業務を実施しているのは
二割に満たず、残りは郵貯・簡保の営業拠点だ。つまりこれが維持されるということ
は、民営化でも何も変わらない、ということだ。国民からカネを集めて特殊法人に流
し込む―特殊法人はこれを垂れ流すという仕組みは、何一つ変わらない。何が民営化
なのか。

八     返す刀でこうだ。特殊法人に流したカネ(郵貯・簡保が原資)の少なく
ない部分が不良債権化していると考えられる。政権をとったらこの問題をきちんと精
査したうえで、特殊法人の改革(基本は廃止)とあわせて郵貯・簡保を国民経済によ
りよい形で生かす方策を提起する、と。

熊     郵政民営化という言葉さえ入れば、後のことは小泉には興味はない。そ
のことが分かったから、自民党のほうも声高に「郵政民営化反対」などと言わずに実
をとるほうが賢いことに気づいたわけだ。「既存のネットワークの維持」「雇用への
配慮」「国民の利便性」などはそのための仕掛けだ。

八     郵政民営化という言葉は入っても、それ以上は付き合いたくない、これ
を選挙で訴える気など毛頭ない、というのが自民党の空気のようだ。だから「民主党
は郵政民営化を言えないじゃないか。労働組合がバックにいるからだ」と、こきおろ
しにくるやつがいるなら、そいつをうまーく落とし穴にはめて、「既存のネットワー
クの維持」「雇用への配慮」を原則にかかげた民営化の中身を問い詰めて、きりかえ
せばいいわけだ。

熊     どちらにせよ、マニフェスト対決なのだから、政策論戦をもりあげるこ
とが勝負のカギだ。論戦になれば、自民党にはボロがでるのははっきりしているが、
それをどこまで「うまく」みせるか。ある意味、65%にとって「おもしろい」という
ところまで見せるには、訴えるほうが論争的に争点を提起することが必要だ。

八     フォロワーにとっても、改革に賛成か反対か、改革派vs抵抗勢力という
水戸黄門的「分かりやすさ」を卒業して、改革A対改革Bを比べて判断するというこ
とが必要になる。そのためにフォロワーの側からも、論戦を盛り上げ、自民党候補に
も積極的に質問を浴びせていくことだな。そうすりゃ、マニフェストの理解ももっと
深まるってもんじゃねぇか。

熊     他人に説明するうえでも、教科書風にうまく説明できるってぇのと、論
戦を組み込んで説明できるのとでは、説得力が大きく違うからな。そうと分かって
りゃ、もっと早くから訓練しておきゃよかったぜ。

八     まだ間に合うさ。さっそく「日本再生」を論争的につかいこなすための
学習会だ。294号の枝野さんと大塚さん、293号の枝野さんと原口さんを、自民党との
論戦に使いこなせるようにな。

 

□◆□ お知らせ □◆□

□日本再生 294号(10/1)
政権公約による政権選択選挙へ/脱無党派―有権者の試練の秋(とき)
オープンミーティング/「政権交代へ、民主党はかく戦う」 枝野幸男・民主党政調会長
名古屋学習会/ゲストスピーカー 大塚耕平・参院議員 「マニフェストと地域経済」
インタビュー/「混迷するイラク統治」 酒井啓子・アジア経済研究所主任研究員
 
□日本再生 293号(9/1)
「政治改革十年」の集約と飛躍をかける次期総選挙と有権者の試練
定例講演会/「次期総選挙を政権選択選挙に」 枝野幸男・民主党政調会長 
戸田代表を囲む会/わが国の防衛のありかた 金田秀昭・元海将 
戸田代表を囲む会in福岡/ゲストスピーカー 原口一博・衆院議員
 
□秋季特別シンポジウム「新時代の外交・安全保障」
10月13日(月・祝)午後1時より6時まで
総評会館 2階 大会議室
パネラー 中西寛(京都大学教授) 森本敏(拓殖大学教授) 村田晃嗣(同志社大
学助教授) 西元徹也(元統幕議長) 添谷芳秀(慶応大学教授)
コメンテイター 康仁徳(元韓国統一相)
参加費 2000円
 
* 衆議院議員 原口一博君を励ます会 *
若手論客として活躍している原口さんの選挙にむけた資金パーティーです。
ご協力いただける方はぜひご協力ください。
10月22日(水)12時より  ルポール麹町(麹町会館)
20000円
(2万円は厳しいが、少しなら協力できるという方は、カンパという形でも結構です。ご協力ください。)
 
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石津美知子 ishizu@ganbarou-nippon.ne.jp
民主統一同盟 「がんばろう、日本!」国民協議会
http://www.ganbarou-nippon.ne.jp
TEL:03-5215-1330 FAX:03-5215-1333