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メルマガ♯がんばろう、日本!         45(02.10.31)
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▼index
□ 民主主義制度下における政党政治の自滅、
今こそ国民主権に立脚した政党を

 ■お知らせ
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□ 民主主義制度下における政党政治の自滅、今こそ国民主権に立脚した政党を
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「政党が態をなしていない」(メルマガ44)。まさに補選の結果はその通りのものと
なった。
自民党は今回の補選に際して、最近まで民主党県連幹部だった人間や、かつて民主党
候補として自民党と戦った人間を公認した。民主党も、比例議員のくら替えや、「身
代わり」候補(比例区議員の後援会長・しかも妻の介護を理由に市長を辞職した人)
を立てた。有権者からみれば、どちらも「身内の論理」「勝てるならなんでもいい」
ということだ。
候補者公募の流行も、候補者をリクルートするという政党の基本的な機能すら、失わ
れつつあることの証左であった。「やらせ」の公募に反発した地元が対立候補を立て
るというケースもあり、民意を幅広く集約するということとは正反対のベクトルが働
いている。
自民党は、創価学会なしには選挙を戦えないところまで衰亡している。どちらが「ゲ
タの雪」なのか。
「政治とカネ」のスキャンダルにからむ出直し選挙、しかも与党は分裂という条件下
にもかかわらず、「批判票」すら集められなかった民主党は、非力どころか、肝心な
もの(国民主権)がカラッポだったことが露呈した。

戦前の翼賛体制は、天皇主権の下における政党の自己解体の結果であった。今回の補
選において既存政党は、民意をいっさい反映することができないことを自ら露呈させ
た。この事態は、戦後の「疑似」国民主権(55年体制の政治文化)の下での政党の自
滅である。
ここから、危機の時代の政治の機能停止―崩落へ向かうのか、それとも、「疑似」を
脱したホンモノの国民主権に立脚した政党建設に向かうのか。国民主権の正念場であ
る。

55年体制の政治文化の命脈は尽きている。消滅へのカウントダウンにはいった社民党
はその象徴であり、自民党の「何でもアリ」はその裏返しにほかならない。しかし、
命脈が尽き、もはや腐臭を放っている旧政治の葬式を出すことができるのは、「新し
い」「生きた」国民主権に立脚した政治だけである。絶叫やパフォーマンス、あるい
はダジャレで55年体制をオチャラケにしている間に、日本再生の条件はどんどん食い
つぶされている。
【日本の国力を価値化している指標である株式時価総額は、1989年末に630兆
円であったのが、今や260兆円と370兆円もの価値が吹っ飛んでいる。しかも、
このうちの4割にあたる150兆円が、小泉政権発足後のわずか1年半で消滅してい
る。】

この事態に、主権者として、どう立ち向かうのか。
投票率が軒並み、最悪の低さになったことは、有権者の側にも「肝心なときに棄権す
る」という病が色濃く残っていることを示している。たしかに、政治に口利きや個別
利害を求めないという、意識ある有権者は確実に増えている。だがそれはまだ、「私
的な主権者意識」(疑似主権者)である。
「欲しい商品がない(投票したい候補・政党がない)」といって投票にすら行かなけ
れば、ますます政治は「利害関係者」だけのものになる。今回の参院千葉補選では、
四人に一人しか投票に行かなかった。つまり、利害関係者のそれもコアの部分以外
は、投票にさえ行かなかったわけだ。これでは「政治」はますます、政官業癒着・依
存と分配の独占市場になってしまう。

新しい市場―国民主権の政治市場を創ること。
自民党と無党派(支持政党なし)。これが現在の(疑似)二大政党だ。「無党派」
「市民」に国民主権=主権者としての責任=を訴える力がなければ、「私的な主権者
意識」ならもちつつある疑似主権者を動かすことはできない。「無党派」「市民」に
合わせることしかできなければ、疑似主権者にそっぽを向かれる。疑似主権者がイヤ
気がさすようになれば、与党に有利(低投票率なら、利害関係のコア票だけで勝て
る)。疑似主権者のニーズ(まだウォンツにまで集約されない)を反映できれば、野
党に有利。
この現状をどちらに向かって引っ張るのか。国民主権の政治市場に向かってか、それ
とも利害関係者だけの独占市場に向かってか。

「欲しい商品がない(投票したい候補・政党がない)」なら、欲しい商品・必要な商
品を創ることを要求し、また仲間を募って自らそれを創り出すという、力強き主権者
への脱皮が求められている。

現状では、「変えたい」と思って選挙事務所に行ってみても、イヤな気分になること
のほうが多いのは事実だ。
【あるサラリーマンの体験/株価が8000円台になって、倒産・リストラは誰にとって
も「明日はわが身」です。私はカード会社で働いていますが、最近ではゴールドカー
ドの強制解約のうち20パーセントが自己破産という、かつてない事態です。国民経済
を支えてきた自営業者のところで、大変なことが起こっているというのが実感です。
「変えたい」「変えなければ」と、心底思うんです。
ところが今回、補選のお手伝いに行って、ビックリしました。「反金権・反自民」と
言うのに、政権交代の「せ」の字もでてこない。街頭では「お願いします」だけなの
で、いくらなんでもと思って私がマイクをにぎった時に「政権交代」を訴えたら、次
からは排除されてしまいました。ビラに「株価8000円では・・・明日はわが身」とい
う内容を一言入れたら、と言ったら「そんなことは関係ない」「それよりオンナの怒
りだ」と言われました。家計をあずかる主婦にだって、切実な問題だと思うんです
が。
そんなこともあって、選挙事務所からは足が遠のいてしまいました。なんとか女房と
友人とで、自宅周辺の活動はしましたけれど。】

「変える」側に私的意識としては立っている候補者や議員でも、事務所・後援会をそ
れで固められているわけでは、必ずしもない。若手があれだけ頑張っている民主党で
も、党全体の構造としては、国民主権に立脚していないことは、代表選で見たとおり
だ。だからこそ、(「疑似」からの)構造的な脱皮が必要なのである。

主権者としての活動(「稼ぎ」を超えたパブリックとしての「務め」)、その組織・
仲間を創ることこそ、「疑似」からの脱皮にほかならない。
一人で「正しい」と思っている場合は、えてして「独り善がり」に陥るものである。
「正しい」ことで仲間を募ることができれば、「正しい少数派」になれる。それを五
年、十年続けるなら、「世間」が後からついてくる。(10.27懇親会での達増議員の
あいさつ)
拉致被害者の家族のねばり強い運動が、世論を変え、政府を動かしたのはその例だ。

今こそ、国民主権に立脚した政党を!
選挙結果をめぐって、「勝ちすぎ」とはしゃぐ小泉総理は「改革が支持された」と言
い、与党の側はそろって「小泉路線が支持されたわけではない」とけん制する。
沈みゆく「日本丸」の上で、絶叫する船長と「オレの支持なしにできるものか」とど
なる機関長。甲板のうえで、ワイングラスを傾けながらダジャレを飛ばしあう野党第
一党の幹部たち。この翼賛体制では日本を救うことはできない。国民の生命・生活を
守ることはできない。
この翼賛体制のアタマを飛び越えて、政権交代のための国民主権のうねりをつくりだ
すこと。その決定的なポイントは、そのための組織・仲間をつくること、その「急が
ば回れ」の戦略だ。
依存と分配の寡占市場の「外側」には、疑似主権者の手付かずの市場が潜在してい
る。それを掘り起こす、そのニーズを反映し、ウォンツに集約することができるな
ら、それが新しい広大な政治市場になる。そのための仲間をつくろう。その仲間で
「これは」と思う候補者の選挙事務所を切り回し、国民主権の選挙スタイルを創発し
よう。あるいは、候補者・政治家を育てたり、候補者や政治家・政党を品定めして
「今回はこういう理由でこの人を応援しよう」「今回はこういう理由で○○党を応援
しよう」という活動をやろう。そのために必要な勉強と、実践的訓練を積み重ねよ
う。「稼ぎ」を超えた「務め」としての活動―国民主権の活動家のスタイルを、あな
たから始めよう。

小泉「自滅」政権の受け皿は、こうした国民主権の力で準備する以外、他のどこから
も準備することはできない。この「急がば回れ」の活動を着実に蓄積していけるな
ら、永田町内部の政争を、国民主権の側から政局に転化しうる。
「改革が支持された」という小泉総理と「首相が支持されたわけではない」という
「抵抗勢力」とのガチンコ状態を、自力で突破するだけの力は、永田町の改革派には
残念ながら、ない(民主党代表選の顛末の意味)。しかし永田町の外に、国民主権の
政治市場が準備されていれば(その確実な可能性が見えれば)それに賭けようという
者はいる。そこが結びつけば、ガチンコ状態を、国民主権の側から政局に転化しう
る。
それが年末になるのか、来年になってからなのか。それは分らない。確実なことは、
小泉政権は(ガチンコ状態で)自滅に向かっていること、それを打破し日本を救うこ
とができるのは、国民主権の力だけだということだ。そのための持ち場につこう。
「急がば回れ」の戦略的な活動だけが、迫り来る危機への唯一最大の備えである。

国民主権に立脚し、国民主権を力強く発展させられる政党をつくろう。
国民主権の力で政局をひっぱり、与野党激突型の総選挙を準備しよう。
来春の統一地方選を、そのための舞台として使いこなそう。

10.27「がんばろう、日本!」国民協議会 第二回大会は、かく呼びかけるものであ
る。


□ ◆□ お知らせ □◆□

□『日本再生』283号(300円)11/1発行
政権交代の力強き主体基盤へ、戦列を整えよう!(10.27大会基調)
囲む会/「倒産から見える経営の教訓」 戸田邦司・前参院議員・新潟鉄工所管財人
「変貌する中国の政治と社会」 唐亮・横浜市立大学助教授
写真特集/10.27大会シンポジウム

□ 第43回定例講演会(パネルディスカッション)
「日米同盟の再設計―安全保障から考える」
11月24日(日)午後1時より
全逓会館(水道橋西口)
長島昭久氏(前米国外交評議会)/村田晃嗣氏(同志社大学助教授)/R.エルド
リッヂ氏(大阪大学助教授)
参加費・会員/1000円 一般/2000円

□第18回・戸田代表を囲む会
「中国の金融システムとコーポレイト・ガバナンス、その現状と課題」
講師 胥鵬氏(法政大学教授)
日時 11月9日(土)午後5時30分より
    講師のご都合で、日程が変わりました。ご注意ください。
場所 「がんばろう、日本!」国民協議会 事務所(市ヶ谷)
参加費 4000円(飲食付き)
*準備の都合上、8日正午までに参加のご都合をお知らせください。

□第19回・戸田代表を囲む会(特別編)
「戦後日本の議会政治 その歴史と今」
講師 平野貞夫・参院議員(自由党)
日時 12月22日(日)午後6時30分より
場所 「がんばろう、日本!」国民協議会 事務所(市ヶ谷)
参加費 1000円(同人会員は無料/購読会員、その他の方は1000円)
*8月の齋藤健氏の講演と同様の形式です。飲食はつきません。
 会場設営の関係上、ご参加の型は21日(土)中にご連絡ください。



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石津美知子 ishizu@ganbarou-nippon.ne.jp
民主統一同盟 「がんばろう、日本!」国民協議会
http://www.ganbarou-nippon.ne.jp
TEL:03-5215-1330 FAX:03-5215-1333