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メルマガ♯がんばろう、日本!         №304(23.12.1)
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「がんばろう、日本!」国民協議会
http://www.ganbarou-nippon.ne.jp
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Index 
□ カオスの世界化の中で衰退途上・日本の再生は可能か

●人権の観点から国際協調、民主主義を再構築する
●衰退途上・日本の再生は可能か、という問題設定

□ 東京 囲む会(12/5)望年会(12/16)
□ 京都望年会(12/15)
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カオスの世界化の中で衰退途上・日本の再生は可能か
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【人権の観点から国際協調、民主主義を再構築する】

 11月29日はパレスチナ人民連帯国際デー。国連の国際デーのひとつで、11月29日はパレスチナ分割決議(1947)が採択された日でもある。人道的大惨事のなかで迎えたこの日、グテーレス国連事務総長はメッセージで次のように述べた。
「何よりも、今日という日は、パレスチナの人々との国際的な連帯を、そしてパレスチナの人々が平和と尊厳の内に生きる権利を再確認する日です。
そのためには、まず長期的な人道的停戦、人命に係わる支援への無制限のアクセス、すべての人質の解放、民間人の保護、そして国際人道法違反の終了から始めなければなりません。私たちは団結して、占領とガザの封鎖を止めるよう求めなければならないのです」
(国連広報センター https://www.unic.or.jp/news_press/messages_speeches/sg/49151/)。
 平和と尊厳の内に生きる権利は、すべての人々に保障される普遍的な権利であり、ハマスとイスラエルの戦争でなによりも破壊されているのは、パレスチナの人々のこの権利にほかならない。イスラエルに自衛権が認められるとしても、それは国際人道法を遵守したうえであり、現状は明らかに国際法違反だ。
 現状、ハマスとイスラエルの間で人質と「囚人」の交換のために、短い期間の戦闘休止が合意されているが、イスラエルは軍事作戦の再開・南部への侵攻拡大を明言している。空から爆弾が降ってこない束の間、子どもたちは口々に「何よりも平和が続きますように」と願う。彼らに以前にも増して苛烈な暴力と破壊、人道危機が訪れるなら、この「戦闘休止」は残酷極まりないものになってしまう。

国際社会はこれ以上の人道危機を食い止めなければならない。医療機関も破壊されたガザでは、感染症と飢えの危機が深刻化しつつあるという。これはハマスとイスラエル、どちらを支持するか/正しいかという問題ではなく、人権や人道主義という普遍的価値の問題だ。ここにダブルスタンダードはあってはならない。
G7外相会議(議長国は日本)は声明で、すべての人質の解放を求めたが、ハマスが拘束している人質に加え、イスラエルが拘束しているパレスチナ人の解放も求めるべきではないか。ハマスの人質拘束はテロであり違法だが、イスラエルもパレスチナ人を起訴も裁判もないまま無制限に拘束(行政拘束)している。(イスラエルが釈放のパレスチナ人、半数以上は起訴なしの拘禁 - CNN.co.jp https://www.cnn.co.jp/world/35212052.html)
(今回、その一部が釈放されたが、同時にイスラエルはそれ以上の数の人々を西岸地区で拘束している。)人権にダブルスタンダードを設けるべきではない。

その点から言えば、イスラエルによる国際法違反に力を与えてきた「対テロ戦争」の論理――この20年間に対テロの名目で人権侵害が横行してきた――について厳しく総括する必要がある。アメリカは法的根拠なしにテロリストと見なされた人々をキューバのグアンタナモ基地に収容・拷問し、中国は新疆ウイグル自治区の「再教育施設」にウイグル人を送り込んできた。ロシアも対テロの名分で国内外での弾圧を正当化してきた。
今回ハマスが行ったことはテロ攻撃だが、だからといってイスラエルの「対テロ」に白紙委任状が与えられるわけではない。イスラエルによる人権侵害や国際人道法違反を「対テロ」の名目で正当化させない、という世論が国境を超えて響き合い、イスラエル寄りの姿勢をとる欧米各国政府にも影響を与えつつある。
例えばアメリカでは、若い世代を中心にパレスチナ寄りの世論が鮮明になっており、ブラック・ライブズ・マター以来の「人権」を起点とした社会意識が根付いているといえる。国連安保理での停戦決議で、アメリカがはじめて拒否権を行使せず棄権に回ったのも、こうした国内外の世論の高まりが背景にある。

力の論理が前面に出る国際政治の世界では、人権や人道主義などはただの「キレイごと」でしかないのか。国連人権理事会で「対テロリズムと人権」の特別報告者を務める大学教授、フィオヌアラ・ニ・エーライン氏はこう述べる(朝日デジタル11/8)。 
「――とはいえ、いまの状況を見ていると、「法の支配」は教科書の中だけの話かと思ってしまいます。なぜ私たちは、学ぶことができないのでしょうか。
 難しいですね。私はルールにこだわり、ルールを守ることを大切にしてきました。
 ルールブックを放り投げてしまえば、第2次大戦後のルールに基づく秩序は終わりを告げてしまいます。ジャーナリストであれ、教授であれ、国連職員であれ、私たちの仕事はみな、ルールに固執することです。もちろん、それで問題が解決するわけではないのですが。
 イスラエル政府やイスラエル軍も「ルールを守っている」と言い続けています。つまり、「どの国も、ルールを気にしていないことはない」ということです。少なくともルールがあることを認識しています。
 日本はいま、国連安全保障理事会のメンバーですよね。非常に重要な役割を担っています。日本は国際社会から尊敬されていますし、ルールに基づく秩序を常に守ってきました。
 ところが、その発言は選択的で、熟慮の上で慎重になされています。日本のような国が、イスラエルに対して「あなたたちのやっていることは好ましくなく、ルールに基づく秩序を守っていないと懸念している」と発言すれば、それは極めて重要な意味を持ちます。米国と緊密な関係にあり、最高レベルで働きかけることもできます。そういう意味で、日本は大きな影響力を持っていると、私は思っています」。

 「対テロ」の名目で人権侵害が横行する一方、ルールに基づく世界を曲がりなりにも求めてきたのもポスト冷戦の時代だ。戦争犯罪を追及する国際刑事裁判所(ICC)の設置とその活動は、その一例だろう(527号 越智萌・立命館大学准教授インタビュー参照)。ICCに期待されるのは、力まかせの秩序に踏みにじられた道理の回復だ。ウクライナにおいても、パレスチナにおいても。
「「道理」を求める声は、国際社会の大海の中でまだ、小さな流れに過ぎない。ICCの影響力は限られ、活動はしばしば批判や妨害に直面する。楽観的ではいられない一方で、多くの被害者がその試みに希望を寄せているのも確かである。
「ルールに基づく国際秩序」の擁護を責務と位置づけてきた日本は、この流れを拡大させ、定着させる役目を担うべきだろう。米国も中国も参加しないICCで日本は最大の分担金拠出国であり、そのイニシアチブを期待する声はICC内部にも強い」(国末憲人 GLOBE+ 11/28 https://globe.asahi.com/article/15062962)

人権や人道主義を「キレイごと」と冷笑するのは誰か。彼らの言う「民主主義」は「勝てば官軍」の多数決民主主義、「自由」は「ヘイトの自由」ではないのか。私たちが望むのは、そういう社会なのか。そして、私たちが望む「国際社会における名誉ある地位」とは。
人権の観点から国際協調を再構築する、人権の観点から民主主義を再構築する、という問題設定が必要だ。これは若い世代を軸に国境を超えて響き合う問題設定であり、それにどこまで呼応できるか、というところから〝凡庸の悪〟と〝凡庸の善〟の分岐も走るだろう。
私たちはまだ微力かもしれない、だが決して無力ではない。

【衰退途上・日本の再生は可能か、という問題設定】
「地獄の釜の蓋が開いた」――イスラエル・ハマス戦争はこう言われている。「帝国の解体」の失敗―第一次大戦以降の植民地主義の清算の失敗、オスロ合意(1993)の破綻―ポスト冷戦期の失敗など、国際社会が「蓋」をしてきた20世紀以降の不都合な真実に否応なく直面せざるを得ない。
一方、危機的な少子化や経済・社会の衰退など「失われた30年」の結末、コロナ禍で暴き出された新自由主義の不正義と不合理など、ここでも「地獄の釜の蓋が開いた」。
時代が大きく転換するときには、ある人々は啓発され、ある人々は愚鈍に打ちひしがれる。右肩上がりを前提とした一億総無責任連鎖のなかからも、一方では「今だけ、カネだけ、自分だけ」や「あきらめるしかない」へ、他方では「あきらめない」「あきらめるわけにはいかない」へという主体の分岐が走るようになる。
うまれはじめた「あきらめない」という主体的な意志を、さらに能動的な主体へとどのように育み、また社会的な変化と政治的な変化として表出・蓄積していくか。「衰退途上・日本の再生は可能か」という問いには、このように応答していく必要があるだろう。

これは「大きな主体」の話ではない。〝いのちとくらし〟の視点から民主主義や自由、人権、平和を再構築する営みは、少なくとも自分の人生は自分がオーナーだ、という小さな自律性と自立性を共有するところから始まる。例えばこのように。
「2、3年ごとに転勤がついてまわる全国紙記者は、どんなまちに行っても、その地域に深く根ざして暮らすことがない。・・・大きな見出しが立つような「ネタ」や、バズりそうな話題こそ追えど、そのまちが抱える課題を問題提起し、そのまちの読者とともにじっくり考えていく、という気概はほぼ見られない。地域の高齢者福祉、子育て施策、学校教育といったエリアになると、まるで当事者意識もない。
全員がそうではもちろんないが、本社の記者たちが書く記事は問題提起の力は大きいが、「地域」をすっ飛ばして「国」を語り、とかく主語が大きくなりがちだ。地域社会や市民社会に分け入って草の根の取材をするような記者を「活動家か」と冷笑する空気さえある。
記者は記者である以前に、地域社会に根を張って生きる一人の生活者。そんな当たり前が蔑ろにされている報道では、読者が離れていくのは当然ではないだろうか」
「わたしが暮らす広島もまた、自己矛盾に陥っている。~中略~「国益」の名の下、地域で暮らすわたしたちの権利や尊厳が蔑ろにされていないか。大きな力によって何かが脇に追いやられていないだろうか。民主主義や平和が形骸化していないだろうか。・・・わたしも微力ながら、総理大臣のお膝元である自称「平和都市」で、足元の民主主義を問うていきたい」(宮崎園子 PRESIDENT Online 2023/11/28)。

〝いのちとくらし〟の視点が蔑ろにされたままでは、新聞も政治家も不信を越えて「何も期待しない」となるのは当然だろう。その衰退に〝いのちとくらし〟の当事者性から向き合い、再生への道を見出していこう。
(「日本再生」535号 一面より)
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【参考に】

●ガザ 自由への闘い | ドキュメンタリー映画|アジアンドキュメンタリーズ (asiandocs.co.jp)
無料公開中 会員登録(無料)すれば視聴できます。

●UNRWA国連パレスチナ難民救済事業機関 日本語特設サイト
 イスラエルの攻撃ですでに100人以上の職員が亡くなっているなか、人道支援活動にあたっている国連機関。
日本円での寄付も受け付けています。
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東京・囲む会 12月5日 ゲストスピーカー・小川淳也衆院議員
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第216回 東京・戸田代表を囲む会【会員限定】
12月5日(火) 18時30分から
ゲストスピーカー 小川淳也・衆院議員
タイトル 未定(国会報告など)
「がんばろう、日本!」国民協議会 市ヶ谷事務所

【オンライン配信申し込み】
無題のフォーム - Google フォーム
締め切り 12月4日 18時
12月4日 18時以降、申し込みのあったアドレスにURLを送ります。
【注意】
*アドレスの誤記入でURLが送信できないことがあります。ご注意ください。
*パソコンからのメールを受信できるアドレスで申し込んでください。
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東京・望年会
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12月17日(日) 16時から19時
「がんばろう、日本!」国民協議会 市ヶ谷事務所
会費 1500円(予定)

【オンライン配信申し込み】
無題のフォーム - Google フォーム
締め切り 12月16日 18時
12月16日 18時以降、申し込みのあったアドレスにURLを送ります。
【注意】
*アドレスの誤記入でURLが送信できないことがあります。ご注意ください。
*パソコンからのメールを受信できるアドレスで申し込んでください。
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2023望年会in京都
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2023年12月15日(金)18:30~21:00
東華菜館本店(四条大橋南西詰)
ゲストスピーカー:川勝健志 京都府立大学教授
講演テーマ「脱炭素と持続可能な交通まちづくり」
会 費:9,000円(飲食代含む)
申込先:℡075-692-2400
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石津美知子
「がんばろう、日本!」国民協議会
http://www.ganbarou-nippon.ne.jp