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「がんばろう、日本!」国民協議会
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Index 
□反・非立憲政治を止める! 
市民自治の集積から、立憲民主主義の主体感覚を創り出そう

●民主主義をバージョンアップする 
「任せて文句を言う」民主主義から「参加して引き受ける」民主主義へ
●経済に民主主義を 再分配なくして成長なし

□「囲む会」のご案内 
 引き続き「凡庸の善で考え続けるために」
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反・非立憲政治を止める!
市民自治の集積から、立憲民主主義の主体感覚を創り出そう
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●民主主義をバージョンアップする 
「任せて文句を言う」民主主義から「参加して引き受ける」民主主義へ

 安保法の施行日となった3月29日、国会前には主催者発表で三万七千人の市民 が集まったのをはじめ、全国37都市で さまざまな抗議行動が行われた。法律が成立してから半年たっても運動が続いているのは、おそらくはじめてのことだろう。「民主主義ってな んだ」という問いと行動が持続的に広がっている。その焦点のひとつは、今年夏に行われる参院選(同日選もありうる)だ。任期中の改憲 をめ ざす安倍総理は、参議院でも改憲勢力の三分の二議席獲得を目指している。
 「私が最高責任者だ。その私が決めて何 が悪い」という総理をはじめとする安倍政権の振る舞い、政治的態度に対して、多くの人々が「これは民主主義ではない」と直感的に感じ、 「主権者は私(たち)だ」と声をあげた。こうして体感され始めた立憲民主主義を、どのようにしてさらに日常の暮らしの なかにまで浸透させていくか。

 選挙はその重要な場のひとつだが、「民主主義ってなんだ」という問いと行動は、その選挙の構図も変えつつある。民 進党の結党、参院選での野党共闘という 流れは、民意の盛り上がりに押されたものだ。院外の民主主義が院内の民主主義を変えつつある。
 こうした動きは、台湾のひまわり学生運動が総統選・立法院選を大きく動かし、 ウォールストリート占拠運動がアメリカ 大統領選候補者選びでの、民主党・サンダース候補の躍進を生み出していることとも通底している。機能不全に陥った既存の政治や制度を批判 すると同時に、民主主義の新しい回路を創りだす営みだ。

 「ポピュリズムは民主政における鬼子だ。ポピュリズムと無縁な民主政はなかっ たし、これからもないだろう。ただしポ ピュリズムは、硬直化し劣化した政治を流動化させ、それまで取り上げられなかった争点を政治に持ち込むことで、代表制と民意の間で不可避 的に生まれる不一致を解消する契機ともなる」(吉田徹 日経「経済教室」2/4)
 「こうした民主政の絶えざるバージョンアップ、すなわち統治されるものと統治 するものの一致が実現され、民主政の持 つ本来の理念が生かされる」(同前)という参加民主主義のステージを開いていこう。

 この国会では、「保育園落ちた、日本死ね」というブログが大きな論議となった。いや正確に言えば、これを紹介して待機児童問題を質問し た女性議員に対して、「匿名では確認し ようがない」と総理が答弁、与党議員からもヤジが飛んだことに抗議して、「保育園落ちたの私だ」とプラカードを持つ人が国会前に集まり、 「保育園落ちたの私と私の仲間だ」という署名が短期間に三万名近く集まった。問題の深刻さとともに、現実の国民生活の問題に向き合お うと しない既成政治への怒り、不信がこうした形で表面化した。

 選挙を控え、さすがに与党も形だけは対策を打ち出す。待機児童対策だけではな い。低所得の高齢者にカネを配るなら、 低所得の若者にも商品券を。学生には給付型の奨学金を。非正規雇用対策には「同一労働同一賃金」をetc。
 そこで問われるのは有権者だ。スローガンだけで判断するのか。自分の損得だけ で判断するのか。お任せして、ダメ出し する消費者的態度にとどまるのか。参加して引き受ける主権者的態度へ脱皮するのか。成果を消費するだけなのか。さまざまな制約条件の下で の課題解決を模索する―その合意形成の一端を引き受ける―という当事者感覚を持つか。ここでも「民主主義ってなんだ」が問われる。

 民主的な意思決定とは、単なる多数決ではない。意思決定に至る過程―討議・合 意形成過程にこそ、「民主主義ってなん だ」が問われる。「数の力」「金の力」に代わる言論の力、熟議の力。個別利害に分断されたまま、「あれも、これも」と要求する消費者的態 度では、ぶんどり合いと相互不信にしかならない。さまざまな制約条件を検討・共有したうえで「あれか、これか」を模索する「参加して 引き 受ける」民主主義、その公共空間が問われる。(マニフェスト政治文化の本来の目的。地方自治の領域では、そうした政治文化は着実に集積さ れつつある。)

 ここでは当事者性の涵養が決定的だ。総会で廣瀬・法政大学教授は「空き家問 題」を切り口に、当事者性の涵養について 提起した。政治における消費者的態度は、住宅においてはオーナーシップが希薄なまま、「高価な消費財」として使い捨てるという行動様式に なり、その結果が放置された空き家の点在→ゴーストタウン化となる。ここでは特定の場所、地域で生活することに対する責任の実感が欠 如し ている。
 これをせめてマンションの管理組合のように、規約に基づいて管理責任を果たす という当事者性、オーナーシップへと転 換し、地域の区分所有者としての責任と可能性への気づきとしていくべきではないか。立憲主義は、こうした社会に対するオーナーシップの再 建(あるいは創建)によってこそ支えられる、と。

 「空き家問題」という「小さな」問題を社会の当事者性へと拡張し、さらにその 当事者性を地域、自治という手の届く範 囲での成功体験≠フ積み重ねのなかから涵養することで、立憲民主主義の主体性を鍛えていく。保育園問題でも若者の貧困でも少子化でも、 あらゆる社会・暮らしの問題において、こうしたプラスの循環をつくりだそう。こうした立憲民主主義のフォロワーシップを発揮していこ う。

●経済に民主主義を 再分配なくして成長なし

 衆参同日選を視野に、消費増税の再延期が取りざたされている。サミットをその 口実にしようなどという、「先進国」に あるまじき政局主義は脇に置くとしても、増税再延期ならアベノミクスは失敗したと明言すべきだ。そして、この増税ははじめて「税と社会保 障」をセットにしたものなのだから、増税を見送るなら、その分の社会保障の充実策も見送るのか、それとも別の何かを削って財源に充て るの か、あるいは将来世代へのツケ(赤字国債)を積み増して財源とするのか、明言すべきだ。「この道しかない」(2014年総選挙)は、もう うんざりだ。

 アべノミクスに効果がないのは、すでに明らかだ(むしろ逆回転)。グローバル なマネー資本主義の暴走に追従して「世 界一、企業が活躍しやすい」(安倍総理)国や社会にするのか、この暴走を多少なりともコントロールしたり、緩和する国や社会にするのか。 問題はこう設定されている。
 例えば「格差」問題は一国内の再分配にとどまらず、世界人口の半分と同じだけ の富が62人の富豪に集中しているとい う、グローバルなアンバランスと関連している。同時にこれまでは、「格差」は戦争と革命を介した再分配によって調整されてきた(ピケ ティ)。それでは今日、グローバルな格差を前に戦争、革命を介在させずに再分配は可能なのか。そのツールとして、国民国家の税・財政 をど う再構築しうるのか。
 アメリカ大統領選挙におけるトランプ現象からは、そのような再分配機能が働か ない国家は、国民国家としての一体性を 毀損していくことになることが伺える。

 「注目すべきは、格差拡大などを背景に、 世界的に同じような政治の潮流が生まれていることである。
 米シンクタンク『ニュー・アメリカ財団』のヤシャ・モンク氏は、世界各国が直面 する大きな課題として『拡大する経済格差』『社会的流動性の低下』『中間層の生活レベルの低下』の3つを挙げる。
 そして民主主義の危機の原因の1つは、 旧世代より新世代の生活レベルが低下していることであり、『親の世代よりもよい賃金を得て、長生き し、より多くの時間を余暇に当てられるようになる』と誰もが考えてきたことが当然視できなくなっていることだと指摘している。
 そうであれば、我々がアメリカ大統領選 で目撃している乱気流に飲み込まれたかのような政治、社会の動向は決して他人事ではないだろう。格差の拡大は確実にその社会を不安定化さ せ、その帰結として政治を不安定化させていくのである」(スティグリッツ教授 3/22ハフィントンポスト)

 再分配とは単なる「救済」ではない。格差縮小は短期的にも、長期的にも、経済 パフォーマンスを改善する(スティグリッツ教授・仮訳 国際 金融経済分析会合資料 首相官邸ホームページより)成長政策であり、民主主義の基盤 だ。こうした再分配は個別利害ごとに細分化され、対象を選別して行われるものではなく(これでは、奪い合いと相互不信の連鎖→分断社 会)、全体を底上げする普遍主義的なものであるべきだ。 

 経済にも再分配にも「民主主義ってなんだ」が問われている。例えば次のよう に。
 「かつてのような正社員になりたいわけ じゃない。サービス残業死ぬほどやって企業の言うこと聞いてたまに過労死する人が出るような働き方はしたくない。一方で、非正規の多くが ワーキングプア。僕らにはブラック企業かワーキングプアか、或いは会社人間かといった自由しかありません。これは自由でしょうか?」(3/20エキタス新宿街頭宣伝 雨宮処 凜 ハフィントンポスト3/24)。

 また地域経済の再構築・強化なくしては、グローバルなマネー資本主義に人間的 な営みを収奪されつくしてしまう、とい う課題は先進国、途上国それぞれで形態は異なっても、本質は共有されつつある。マネー資本主義に異議を唱えるだけではなく、それに収奪さ れない社会や暮らしのあり方を、どう創りだしていくか。それに資する制度や経済のありかたとは、という課題設定は、国境を超えた社会 的連 帯を生み出す可能性でもある。

 同時にここからは、急速に高齢化に向かうアジアにおいて、日本が、持続可能な 社会をつくる上での課題先進国になりう るのか、なりうるとすればどういう政策転換が迫られているのか、も見えてくる。逆に、このリアリティーが見えない度合いに応じて、20世 紀型の経済、社会システムの二番煎じに終始することになる(アベノミクス)。

 さらに昨年末のCOP21で締結されたパリ協定にみられるように、経済の「脱 炭素化」、気候変動対策への投資は、有 望かつ有効な需要創出策である。環境と経済成長は補完関係となっている。このリアリティーが見えない度合いで、エネルギーも経済も20世 紀型に終始する。
 経済にもエネルギーにも、新しい民主主義を。

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囲む会のご案内  「凡庸の善で考え続けるために」
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《東京・戸田代表を囲む会》
「がんばろう、日本!」国民協議会 事務所(市ヶ谷)
参加費 同人会員1000円/購読会員 2000円

●第158回
「非正規雇用四割時代に、労働法制のあり 方を考える」
4月4日(月)1845から2100
ゲストスピーカー 野川忍・明治大学教授 

●第159回
「アベノミクスの正体」
5月11日(水) 1845から2100
ゲストスピーカー 尾立源幸・参議院議員

●第160回
「少子化日本〜課題先進国になるのか、衰退途上国になるのか」
5月20日(金) 1845から2100
ゲストスピーカー 山田昌弘・中央大学教授

《第104回 シンポジウム》
「アジアの地域統合と日米中」
パネリスト:川島真・東京大学教授 李鍾元・早稲田 大学教授
      大庭三枝・東京理科大学教授 柳澤協二・元内閣官 房副長官補
4月23日(土)1330から1700
TKP赤坂駅カンファレンスセンター ホール14B(国際新赤坂ビル東館14 階)
参加費:2000円

《第28回 関西政経セミナー》
「地域自治・住民自治を立憲民主主義で語ろう」
パネリスト:新川達郎・同志社大学教授 田中誠太・ 八尾市長 隠塚功・京都市会議員
      山本拓史・京都市会議員 白川秀嗣・越谷市議会議員 ほか
5月15日(日)1330から1730
コープイン京都
参加費:1000円(学生500円)

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石津美知子
「がんばろう、日本!」国民協議会
http://www.ganbarou-nippon.ne.jp