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「がんばろう、日本!」国民協議会
http://www.ganbarou-nippon.ne.jp
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Index 
□ 分断と対立ではなく、連帯と協働の当事者性と関係性へ

 ●「空虚な選挙」の後にこそ問われる
   当事者性と関係性を創りだす多様な場≠テくり
 ●政治決定を創造していく過程に関わっているという当事者性の涵養
 ●自治分権の関係性は、多様性を広げる とともに分断を拒否する

□お知らせ
 ◆囲む会&総会(東京、京都)
 ◆北川先生退任講演 ほか

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分断と対立ではなく、連帯と協働の当事者性と関係性へ
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●「空虚な選挙」の後にこそ問われる
当事者性と関係性を創りだす多様な場≠テくり

 過去最低の投票率となった年末総選挙。ある人にとっては「もはや過去」となり、ある人にとっては「虚しさ」だけが残 るが、ある人にとっては「空虚な選挙」に代わる何か、の始まりとなりつつある。(沖縄からは、選挙―市長選、知事選、国政選挙―で繰り返 し示された民意が一顧だにされないこの国に民主主義はあるのか、という怒りを伴って。)

 「日本の未来を決める大事な選挙! 大切 な一票! その通り。でも、わたしたちはその大切な一票をどこに入れたら良いのか」と、投票日まで考えに考え抜いた有権者は、今回の総選挙ではこれまで以上に多かったのではないか。

 津田大介氏が開設したネット上のメディア「ポリタス 総選挙特集http://politas.jp/は、選挙期間中に305万ページビュー、146万人の訪問者を数えたという。掲載記事のうち二番目にアクセスの多かった、いとうせいこ う「一羽の鳥について(あらゆる選挙によせて)」は5万以上シェアされ、全国紙にも転載された。(渡り鳥が飛び立つ瞬間は、「誰か」が決 めるのではなく、「私」という一羽が決める。「政治不信」というある種のキャンペーンで無力さを刷り込まれた「私たち」のなかで、「私」 が変わることで「私たち」が変わる、と。)

 確かにそれらはまだ小さな兆し、微かな羽音にすぎないだろう。しかしそれに耳を傾け、最後まで考えようという民意に メッセージを届けようとする人々は、「今回はこれまでになく、選挙後のほうが反応が深まっている」という手ごたえを感じ取っている。
 「空虚な選挙」の後にこそ、民主主義の当事者性と関係性を創りだす多様な場≠テくりが、よりリアルに見えてくる。

 「選挙で信を問うことのできる争点、民意が反応できる争点とは、それが論争分断的なものに限られる。強度が強くて知 識を有する必要のないもの(心情的な争点/引用者)こそが、選挙政治で決せられるのにふさわしい。しかし、期待値の操作で合意的争点 (「消費増税延期」のように、政党間で対立しない争点/引用者)での優位な地位にある与党は、自らが不利になるような分断的な争点(例え ば憲法改正や原発再稼働など、世論が割れる争点/引用者)をあえて掲げようとはしない。そして、政権担当能力を示さなければ得票できない 野党勢は、合意的争点をめぐる対立軸でもってでしか与党と対峙できないため、結果的に選挙で問われることは限られてきてしまうのである。

 簡単にいってしまえば、政党がもはや特定の世界観でもって選挙を戦うのでない以上、さらに財政赤字とグローバル化に よって国内政治が空洞化している以上、選挙で決することのできるものは、少なくなってきている。フェイクな争点設定でもって権力を維持す るための選挙は、さらに空虚なもので、そして政治からの問いかけが空虚ならば、答えも自ずと空虚なものにならざるを得ない」(吉田徹  「世界」2月号)

 政権交代可能な政治は、与野党間に大きな違いがないように見える政治(合意的争点が肥大化する)と表裏一体でもあ る、ということだ。しかもそれが、「フェイクな争点設定で権力を維持するための選挙」ならば、空虚な選挙になるのは当たり前だろう。

 それで、どうする?

 「選挙政治やその結果に政治が持つ意味合いの全てを込めてしまえば、そこで生まれるのは、結局政治では何も達成し得 ないという敗北主義と政治不信か、あるいはその反動としての極端な政治化、つまり選挙で勝てば何でも可能にしてよい、という選挙至上主義 でしかない。有権者の高度の政治不信と、権力の恣意的な介入は、実際には相互に共犯関係がある。そこには、政治の重力を選挙に求めすぎる マスコミも加担している」(吉田 前出)

 供給側に要求するだけの消費者民主主義では、参加は選挙の投票に限定される。「空虚な選挙」に代わって見えてきたの は、選挙の投票に限定されない「参加」の多様性・多層性という新しいステージにほかならない。その意味では、開票翌日こそが始まりだ。

 民主政における政治参加は、次のように類型化される。「ひとつは、選挙に代表される公式的な領域で、政党の掲げる争 点について投票する政治参加。次に、それまで公式的な領域で争点化されてこなかった課題を政治化するため、たとえばキャンペーンやロビイ ングなどを通じた政治参加。最近の日本ではヘイトスピーチ規制やジェンダーにまつわる問題などがここに含まれるだろう。さらには、公式的 な政治で取り上げられる争点について、意識的な無視や非参加を決め込むような政治参加のありかたもある。これは政治権力や政党が、一方的 な争点化でもって自らに優位な状況を生み出そうとすることに抵抗する参加のあり方だ。SNSやネットメディアを介した政治や政治家へのシ ニシズムの表明や揶揄も、これに入れることができるかもしれない。最後には、非公式的で私的領域における政治参加がある。代表例として は、不買運動や倫理的な消費活動などがあげられる。

 この四つを駆使することで、民主政治は維持されていかなければならない。選挙や投票が公式的な政治参加のモデルであ りつつも、これが空洞化しているのであれば、それに代わる政治参加のありかた、すなわち日常生活での非公式的な政治参加を、それだけ政治 に注入していかなければならない。だから、少なくとも、依然として政治参加の主な手段に選挙が真っ先に挙げられる日本以外の先進国では、 この非公式的な政治参加の潮流が太くなっている」(吉田 前出)

(以下、「日本再生」429号 2/1発行 一面に続く)

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□ お知らせ
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《東京》
◆第147回 東京・戸田代表を囲む会
 「ローカルから、政治をとらえなおす」(仮)
 ゲストスピーカー 上神貴佳・高知大学准教授
 3月2日(月)午後6時45分から9時
 「がんばろう、日本!」国民協議会 事務所(市ヶ谷)
 参加費 同人1000円/購読会員2000円

◆第七回大会 第五回総会
「住民自治の涵養・地域主体の地域再生」の視点から、統一地方選の問題設定を共有する
問題提起 廣瀬克哉・法政大学教授 ほか
2月22日(日) 13時から18時
「がんばろう、日本!」国民協議会事務所(市ヶ谷)

《京都》 
◆第24回 東京・戸田代表を囲む会in京都
「香港の民主化運動に思うこと―日本の若者の政治離れと比較して」
ゲストスピーカー 山田昌弘・中央大学教授
1月30日(金) 18時45分から
ハートピア京都 第五会議室
参加費 1000円

◆第25回 東京・戸田代表を囲む会in京都
「住民自治の涵養・地域主体の地域再生」の視点から、統一地方選の問題設定を共有する
2月23日(月) 18時45分から
コープイン京都 
参加費 1000円

◆第一回社会サロンat京町家
 「京町家でソーシャルイノベーションを語る」(仮題)
 メインスピーカー 今里 滋・同志社大学教授
 3月9日(月)午後6時半〜    江湖館
 会費:実費(事前登録制)

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□ 北川正恭先生 退任講義&統一地方選に向けて
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「政策のチカラが選挙を変える〜マ二 フェストスイッチプロジェクト〜」 ■日 時:2015年2月4日(水)14時〜17時 ■場所:早稲田大学 早稲田キャンパス 井深大記念ホール ■主 催:早稲田大学マニフェスト研究所 ■共 催:ローカル・マニフェスト推進首長連盟、ローカル・マニフェスト推進地方議 員連盟、ローカル・マニフェスト推進ネットワーク
くわしくは http://www.maniken.jp/ より

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□ 4回目の3.11が・・・
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2011.3.11 津波と地震で道路が寸断され、孤立した南三陸町歌津地区では、
地域住民が力を合わせて、地権者の合意を取り付け、自分たちで山を切り拓き、
全国からの支援を受けて、いち早く道路を作りました。
その名も「未来道」。
事業が壊滅的打撃を受ける中、「とにかく地域のために」と奔走した歌津小太郎さんも
ようやく第二工場建設にこぎつけ、先日地鎮祭が行われました。
http://www.musicsecurities.com/blog/community_news.php?ba=b10820a33161

とはいえ、第二工場建設資金のためのファンドは、あと一息(86%)。
(ファンドは1口1万円から。半分は寄付になります。)
阪神大震災の被災者からは、「4、5年後が一番厳しかった」という声も聞かれます。
復興への長い道のりを支える力は、まだまだ必要です。

レポート/震災から4年。現在の課題と求められるもの
http://www.musicsecurities.com/blog/community_news.php?st=cal&bl=120&cg=51
--
石津美知子
「がんばろう、日本!」国民協議会
http://www.ganbarou-nippon.ne.jp