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「がんばろう、日本!」国民協議会
http://www.ganbarou-nippon.ne.jp
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未来を搾取する社会から、未来へ投資する社会へ。
反省しろよ、民主党。それでも、もう一度やってみろよ、民主党。
反省しろよ、自民党。「失われた20年」の政権党だってことを忘れて、
「3.11以前の日本に戻せ」なんて、まさか言わないよね?

●選挙は、憂さばらし、ドンチャン騒ぎじゃない。「何が大切か」落ち着いて考えよう。
●2030年の日本が見えているか。
●3.11以前の日本に戻させない。
●政権交代でできた、国民が政治を動かすツールを後退させるな。
●政権運営能力では、「たたみ方」のマネジメントを問おう。

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未来を搾取する社会から、未来へ投資する社会へ。
反省しろよ、民主党。それでも、もう一度やってみろよ、民主党。
反省しろよ、自民党。「失われた20年」の政権党だってことを忘れて、
「3.11以前の日本に戻せ」なんて、まさか言わないよね?

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●選挙は、憂さばらし、ドンチャン騒ぎじゃない。「何が大切か」落ち着いて考えよう。

総選挙の日程が決まったとたん、マスコミでは連日、政局ショーだ。でも私たちが知りたいのは、そんなことじゃない。選挙を、憂さ晴らしやドンチャン騒ぎとして消費するのは、もうやめよう。

「…『郵政選挙』の国家的集団ヒステリーのようなブームに踊らされて『刺激物』に飛びついてむなしさが残った経験と、今の政権を見て国民が学んだ『魅惑的な公約はあてにならない』という教訓をステップにして、何が大事なことかを冷静に見る機会が、近いうちに訪れるのではないか」(松尾貴史 毎日7/28夕)。

現状を否定するだけの、「わかりやすい」「スカッとする」スローガンに飛びつくのは、簡単だ。しかしそれで何が残るのか。また「ガッカリだ」と文句を言って、憂さを晴らすのか。

自民党政権が続くことを前提に、「誰がやっても同じ」と冷笑したり、「お灸をすえて、憂さを晴らそう」という時代では、もはやない。私たちの一票で政権は変わるし、私たちの一票で政権は選べる。だからこそ「何が大切か」、落ちついて考えよう。未来を選ぶのは、私たちの責任なのだから。
政局ショーの観客席に座ったまま、期待と失望を繰り返す受益者市民から、「何が大切か、自分たちで決めよう」という主権者になるチャンスだ。

確かに現状はヒドイ。民主党政権はボロクソだ。しかし、選挙のときの公約がどこまでできたのか、何ができていないのか、その理由は何か、どうすればできるのか、といったことが検証されたことが、これまでにあっただろうか。
郵政選挙のときの公約を、自民党が検証しただろうか。曲がりなりにも民主党は、マニフェストの検証をしている。http://www.dpj.or.jp/article/101565

マニフェストを掲げたからこそ、検証にもさらされる。それを恐れて、選挙のときに政党が、あいまいで漠然としたことや、打ち上げ花火のようなスローガンしか言わなければ、私たちはまともに選ぶことはできない。
そんな選挙に戻させるわけにはいかない。「お願いから約束へ」というマニフェスト選挙文化、その土俵に乗れる政党、候補者を選ぶことは最低限の必要条件だ。

政党や候補者に、こう問うてみよう。
「あなた(たち)は検証可能なマニフェスト(政権公約でもいい)を提示するか。そのマニフェストで検証され、責任を問われることを約束するか」と。

●2030年の日本が見えているか。

政党や候補者の公約をどこから判断したらいいのだろう。
まずは、「2030年の日本が見えているか」と問いたい。

2030年―今から18年後。今年生まれた子どもは高校卒業の時期を迎える。社会の中堅を担っているのは平成生まれだ。高齢化率は、30%を超すと見られている。年金財源でいえば、現役二人で高齢者一人を支える時代になる。おそらく家族構成のトップは、単身世帯となっているだろう。(2011年の国勢調査で、単身世帯は総世帯の30%を超えた。)
2030年の日本は、依然として続く少子高齢化の急坂をのぼる途上にある(ピークは2050年代)。GDPの二倍にのぼる債務をはじめとする「依存と分配」の負債を、これ以上、次の世代につけ回すことができるだろうか。そういう視点を持っている政党、候補者なのか。

昨年、日本はGDPで中国に抜かれたが、2030年にはインドにも抜かれているだろう。米ブルッキングス研究所の予測では、2030年の中間層消費額上位10カ国のうち、アジアからは1位インド、2位中国、4位インドネシア、5位日本となっている。好むと好まざるとにかかわらず、日本はアジアでもはや「ナンバーワン」ではない。
一方で、急速な高齢化にともなう社会保障、環境、エネルギー、都市問題など、日本が直面している問題に、アジア諸国も直面している。

こうした2030年のアジアで、「課題先進国」の位置取りができるのか。それはここで、「右肩上がり」からの転換ができるかどうか、にかかっている。エネルギーシステムの転換、低炭素まちづくり、医療・社会保障の改革、TPPなど、どれもここに係わってくる。そういう視点を持った政党、候補者なのか。

●3.11以前の日本に戻させない。

もうひとつ大切なことは、「3.11以前には戻させない」ということだ。

これまで騙しだましやってきた「戦後」のシステムは、3.11で最終的に破綻した。技術の粋を集めたはずの原発の事故は、その象徴だ。どこでどのように電気が作られているのか、気にも留めずに好きなだけ消費していた私たちの生活も、変わらざるをえなくなった。3.11を契機に、生活や働き方を見直した人たちは大勢いたはずだ。そして、みんなが節電することで、電力会社にコントロールされるのではなく、自分たちで電力をコントロールできることを、実感できたのではないか。

被災地の復興で問われていることは、じつは震災前からの課題である高齢化、過疎化、第一次産業の衰退などに対して、旧来型ではない、21世紀型アプローチのまちづくりができるか、ということだ。立派な堤防も漁港もできたが担い手はいなくなった、ということでは、復興にならない。そのためには、政府が決めて行政が主導するのではなく、地域の人々が自分たちで決めることだ。時間はかかるが、3.11以前のやり方で、被災地の復興はできない。

エネルギー政策も、大きく変わった。これまで密室で決められていたエネルギー政策が、はじめて国民的議論のプロセスを経て決められるようになった。3.11以前のやり方で、3.11後のエネルギー政策を決めることはできないのだ。

たしかに、足りないところはいっぱいある。しかし、「3.11以前には戻させない」という民意が強力なリミッターにならなければ、永田町も霞ヶ関も簡単に3.11以前に戻ってしまう。今回の選挙で、「3.11以前には戻さない」という強い民意を示し、次の政権はその監視にさらされることを、思い知らせよう。

候補者には、こう問いかけてみてはどうか。「あなたは3.11後、何をしたか。生活をどう変えたのか、行動をどう変えたのか」「あなたにとって、『3.11以前に戻さない』とはどういうことか」と。

●政権交代でできた、国民が政治を動かすツールを後退させるな。

民主党政権は迷走、混乱、ときには逆走もあったが、それでも政権交代によって、国民が政治を動かすツールは明らかに増えた。それらを後退させるわけにはいかない。

いくつかポイントを挙げてみよう。

@政策決定過程のオープン化/エネルギー政策の決定過程では、はじめて国民的議論が行われ(もちろん十分というわけではないが)、委員会の資料、試算などもオープンにされた。今後のエネルギー政策はもちろん、社会保障国民会議の議論なども、これを最低基準に、さらにオープン化していくべきだ。
もし政権が変わっても、密室に戻るなんてことは、まさかしないよね? 

A事業仕分け。これもオープンガバメントのひとつ。仕分けの結果がどれだけ反映されているか、という課題は残っているが、事業仕分けの最大の功績は、政府の予算に国民の目が届くようになったこと。文句を言うだけではなく、「私たちは政治を変える道具を手に入れた」(加藤秀樹氏)http://bylines.news.yahoo.co.jp/katohideki/20121109-00022376/
もし政権が変わっても、「事業仕分けは、やーめた」なんて言わないよね?

B一括交付金化。国に指図される補助金から、自治体が自らの裁量と責任で使い道を決める一括交付金へ。これもまだまだ途上ではあるが、方向性ははっきりしている。「依存と分配」の自治体と、自治分権の自治体の格差も次第に出てくるだろう。すでに依存体質のところからは、(責任を取らなくて済む)ヒモつき補助金に戻してくれ、との声も上がっている。
もし政権が変わっても、自治分権の足を引っ張るなんてことは、しないよね?

C新しい公共―政府だけでは解決できない社会の問題に、自分たちで取り組む。そういう公共の担い手を支える税制などの仕組みは、さらに前に進めることはあっても、後退させたりはしないよね?

Dマニフェストもボロクソに言われるが、これがあったからこそ、何ができて、何ができていないのか、理由は何か、といったことが検証できる。政権交代以前には、選挙のときの公約なんか、誰も覚えていなかっただろう。そして検証できるからこそ、反省すべきところは率直に反省するようになる。「お願いから約束へ」は、ようやく1サイクル目が回ろうとしている。
このマニフェスト政治文化を、まさかチャラにはしないよね?

●政権運営能力では、「たたみ方」のマネジメントを問おう。

民主党に政権運営能力があったかといえば、疑問符がつく。しかし同時に、3.11後の政権運営は、それ以前とはまったく異なるものであることも間違いない。原発を増設し、エネルギーを右肩上がりで増やしていくのが当たり前のときの政権運営と、原発のたたみ方が問われる―原発に依存して成り立っていた社会、経済システムを別のものへ転換させるプロセスのマネジメントとでは、求められる政権運営能力はまったく違うはずだ。

右肩上がりで、人口も経済のパイも増えていった時代の政権運営の経験はあるが、人口が減少するなか、これまでの構造の「たたみ方」が問われるときのマネジメントは、今回がはじめてだ。その経験値が問われる。踏みとどまった民主党から、それが始まる。
3.11後に問うべき政権運営能力は、リアルでポジティブな「たたみ方」のマネジメントだ。

マネジメントついでに。石原都知事の登庁は、週に2,3日だったとのこと。そして今は大阪府知事も大阪市長も、総選挙に全力を傾けているらしい。首長が留守でも業務に支障が出ないのは、自治体職員(地方公務員)がよほど優秀だから?
地方自治を担う首長の職責、公務は、国政の片手間にやれるようなものなのか? 
大阪府民、大阪市民は国政を変えるために、自分たちの税金で知事や市長を選んだのか? 

(「未来を搾取する社会から、未来へ投資する社会へ」は、国家戦略会議・繁栄のフロンティア部会報告のタイトルです。)

(これから総選挙にむけて、随時発行していきます。)
******************************* 石津美知子 「がんばろう、日本!」国民協議会 http://www.ganbarou-nippon.ne.jp TEL 03-5215-1330 FAX 03-5215-1333