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「がんばろう、日本!」国民協議会
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▼Index 
軌道の変更と新しい担い手の登場へ  そのための社会的多数派形成を

□不可逆的な変化を主権者の意思へ
□制約を前提としない政策論はありえない 必要なのは一流の実行力
□新しい多数派形成のための社会運動、生活革命を

◆「囲む会」「総会」のご案内
◆いくつかのお知らせ

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軌道の変更と新しい担い手の登場へ そのための社会的多数派形成を
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●不可逆的な変化を主権者の意思へ
3・11以前から、すでに「戦後日本」が機能不全をきたして久しいこと、そして転換の大まかな方向性、課題については、それなりに議論は収斂されていた。しかしその転換のベクトルは「失われた二十年」の間、遅々として働かなかった。3・11はその障害をいわば強制的に取り除き、社会の不可逆的な変化が始まった。この流れを確実なものとして、「軌道の変更」と「担い手の変更」という本格的なイノベーションへと、いかにつなげていくかが問われている。

 「シュンペーター)は、新結合の遂行とそれを経営体などに具体化したものを『企業』、そしてその担い手を『企業家』と名づけた。新結合の推進者は、最初こそ旧結合の担い手と並存するが、やがて競争を経て旧結合の担い手と闘争しつつ彼らを凌駕し、ついには新結合における生産過程や流通過程の支配的地位につくのである。こうして経済の発展過程には、『二重の非連続性』が存在するとシュンペーターは主張する。
 つまり、第一種の非連続性は、『軌道の変更』を指すのに対して、第二種の非連続性は『発展の担い手の変更』を意味する。第一の『軌道の変更』とは、経済の航路がこれまでの延長を進んでいくのではなく、〜中略〜今までとは異なる新しい結合が行われることで非連続的な変化が引き起こされ、経済の新しい軌道が敷設されて、そこを進むようになることを指す。第二の『担い手の変更』は、経済の担い手が、旧結合の担い手から新結合の担い手に移行することを指す。しかも、旧結合から新結合への移行過程で淘汰が生じ、新結合の担い手の社会的地位が上昇するとともに、他方で、旧結合の担い手の社会的地位の下落という現象が生じることにもシュンペーターは注意を促している」(諸富徹「低炭素経済への道」岩波新書)

 発展の航路がこれまでの延長にはないこと―すなわち制約要因を明確にし、それを前提にするところから、「軌道の変更」は起こる。温暖化対策→二酸化炭素排出規制というのは、発展の制約要因を明らかにし、規制という形にすることで、いわば人為的に「軌道の変更」を起こそうというものである。厳しい規制は、旧結合からは経済の発展を阻害するものであるが、他方で市場メカニズムを上手に取り込んでスマートに設計された規制は、新結合を生み出すチャンスともなる。現にいち早く環境規制に取り組んだ欧米諸国では、再生可能エネルギーとそれにともなう技術革新(蓄電池やスマートグリッドなど)によって発展の新しい軌道が敷設されつつあり、新旧の地位の交代は不可避となっている。

 この転換を先送りし続けてきた日本でもようやく、3・11を契機に「電力不足」という形で半ば強制的に、軌道の変更を迫られざるをえない事態となった。そして「原発事故による電力不足から逃れるための緊急対策が、意図せざる形で(省エネ、次世代電力網、電気自動車などの)新しいビジネスと産業発展の条件を創り出し、さらに長期的には、電力多消費型の経済・産業構造を改革する条件を形成していく側面に注目する必要がある」(諸富徹「原発を終わらせる」岩波新書)という光景も見えて来つつある。

ただしこの転換は、意思をもってあえて厳しい規制を選択し(新しい多数派を形成し)、野心的な課題を自らに課してきたドイツなどから比べれば、あくまでも状況対応型の非主体的なものでしかない。日本社会の変化は不可逆的なものだが、その主体はこうした「弱さ」を内包している。これを主権者の輿論(セロンとは区別されるヨロン)にまで高めていかなければならない。

「ドイツの決断(原発からの撤退、再生可能エネルギーの全面的普及/引用者)は、社会の幅広い層の多数意見に支えられている。国内では長年にわたって、原子力の非軍事的利用をめぐる議論が徹底的に行われてきた。そして、技術面、また計画性や経済性の観点からも、エネルギー政策の転換は実現可能であるという幅広い民主的な合意ができたのだ」(独外相「私の視点」7/23朝日)。
3・11契機に始まった変化は不可逆的なものだ。これを主権者の意思へと集約していこう。
(以下、「日本再生」388号へ続く)

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388号には、野田内閣で入閣した前田武志参院議員(国土交通大臣)
古川元久衆院議員(国家戦略担当相)のお話も掲載しています。
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◆「囲む会」のご案内【会員限定】
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□第103回 東京・戸田代表を囲む会
「原発・再生可能エネルギー/エネルギー政策をどうするか」
ゲストスピーカー 水野賢一・参院議員
9月22日(木)18時45分から21時
会費 同人 1000円  購読会員2000円
「がんばろう、日本!」国民協議会事務所(市ヶ谷)

□第104回 東京・戸田代表を囲む会
「女性を活躍させない国は、財政破綻する? 男女共同参画の経済的必要性」
ゲストスピーカー 山田昌弘・中央大学教授
10月20日(木)18時45分から21時
会費 同人 1000円  購読会員2000円
「がんばろう、日本!」国民協議会事務所(市ヶ谷)

□望年会
●京都 12月8日(木)18時より コープイン京都
第一部 講演 「2012年の国際社会を展望する」村田晃嗣・同志社大学教授
会費 1000円
第二部 懇親会 会費 3500円
●東京 12月10日(土)16時より  会費2000円
「がんばろう、日本!」国民協議会事務所(市ヶ谷)

□第7回大会
2012年1月7日(土)総評会館
13時より 記念シンポジウム  会費 2000円
17時より 懇親会(新年会)   会費 5000円

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◆いくつかのお知らせ
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●消費者庁が放射線測定機器を自治体に貸し出します。

消費者庁は10月くらいから、自治体に放射線測定機器を貸し出すそうです。http://www.caa.go.jp/jisin/index.html#m02

現在発注中で、まず50台をメド、来年には100台をめざす。機器の使い方、またリスクコミュニケーションのやり方などについても、サポートするとのこと。
現在は農水省が貸し出しているが、農産品に限定などの制約がある。
消費者庁の場合は、消費者が持ち込むものなら可。生産者でもOK、ということのようです。

放射線の問題では、市民に身近な自治体の役割が重要になります。
(計測された数値を、どう判断したらいいのか、という主体性においても。)
その意味でも、自治体が計測機器を持って(借りて)、市民とともに使いこなすことは重要だと思います。市議などと協力して、積極的に「取りに行く」ことをお勧めします。

●被災地応援ファンド説明会に地元のみなさんが参加。
以前にもご紹介した被災地応援ファンド。その説明会が東京で開催されます。出資対象となる地元事業者のみなさんが参加します。復興にかける熱い思いを直接聞く機会です。
http://www.musicsecurities.com/blog/community_news.php?ba=b10820a30704

なお、いち早くファンドが満額達成となり、事業再開のスタートを切った斉吉商店さんが、
9月7日より一週間、伊勢丹新宿本店地下1階に出店します。
http://www.musicsecurities.com/blog/community_news.php?st=cal&bl=120&cg=9

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石津美知子
「がんばろう、日本!」国民協議会
http://www.ganbarou-nippon.ne.jp
TEL 03-5215-1330 FAX 03-5215-1333