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「がんばろう、日本!」国民協議会
http://www.ganbarou-nippon.ne.jp
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▼ Index 
□第六回大会のご案内 「政権交代 主権者運動は次のステージへ」

□「一歩前進、それゆえの迷走」に向き合うなかから、
「参加する政治」の主体を鍛えよう

□お知らせ
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憲政史上はじめて、総選挙での国民の一票によって政権が交代し、わが国の民主政は新しいステージへと押し上げられました。「まかせる政治」から「参加する政治」へ、新しいゲームが始まりまったものの、試行錯誤の連続です。しかしこれは、私たちが「変化」を選択した結果の「一歩前進、それゆえの迷走」であって、後退・混迷ではありません。「一歩前進、それゆえの迷走」に向き合うなかから、「参加する政治」の主体を本格的に鍛える―六回大会をその一歩としたいと思います。

ぜひご参加を!

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「がんばろう、日本!」国民協議会 第六回大会
政権交代 主権者運動は次のステージへ

2010年1月11日(月・祝)
総評会館 二階大会議室 

□記念シンポジウム 13時より17時  参加費 2000円
第一部 「政権交代のダイナミズムと日本外交活性化の課題」
パネラー 前田武志・参院議員、民主党常任幹事会議長、参議院拉致問題特別委員長
          民主党核軍縮促進議員連盟会長、地球環境国際議員連盟事務総長
      中西寛・京都大学教授
      李鍾元・立教大学教授

第二部 「まかせる政治から参加する政治へ 市民自治の深化を」
パネラー 福嶋浩彦・中央学院大学教授、前我孫子市長、石川良一・稲城市長
      望月良男・有田市長、隠塚功・京都市議、堀添健・川崎市議 
中塚一宏・衆院議員、民主党組織委員長代理

□新年会 シンポジウム終了後(17時30分より)、同所にて
会費 5000円
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「一歩前進、それゆえの迷走」に向き合うなかから、「参加する政治」の主体を鍛えよう
(六回大会基調にむけて)
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 〇九年、憲政史上はじめて総選挙での国民の一票によって政権が交代し、わが国の民主政は新しいステージへと押し上げられた。新たに誕生した鳩山政権は、「本当の国民主権の実現」「内容のともなった地域主権」を柱として、統治システムと政治過程の「革命的」ともいえる転換に、矢継ぎ早に取り組んでいる。

 新しいゲームが始まった。しかし何の主体的準備もないまま新たなステージに突入したがゆえに、足元は混乱、迷走といわれてもしかたない状況(予算・税制、普天間など)だ。しかし、これを(政権交代さえできない)閉塞による混迷と同一視してはならない。あくまでも、「一歩前進した」がゆえの迷走であり、これを政党政治のイノベーションへと引き上げていく主権者運動こそが、試されている。

 「政治の話をするとき、僕は乗り物のバスに喩える。運転手は乗客たちとの契約に従って運転している。乗客たちが国民にあたり、契約が憲法にあたり、運転手が統治権力にあたる。近代国家というバスの本義は、乗客たちが運転手に、その都度目的地を告げ、徹底監視し、文句を言うことだ。

 ところが敗戦後の日本は一応『近代国家』という建前なのだが、こうしたバスの在り方からほど遠かった。乗客たちは運転手に何もかも『お任せ』してきた。目的が自明(経済的豊かさ)だから、いちいち目的地を告げないし、ルートも運転の仕方も運転手の選択に委ねてきた。それでうまくいった。

 ところがうまくいかなくなった。バスが今まで走ったことがない場所を走るようになったからだ。経済的に豊かであり続けようとしてもルートはもはや自明ではない。幸せが経済的豊かさとイコールだった時代も終わった。自明さを前提にして運転手に『お任せ』しているわけにはいかなくなった。

 乗客である我々は、運転手にその都度の目的地を告げねばならなくなった。目的地に向かって適切なルートをとっているのか、道路状況にふさわしい運転をしているのか、徹底監視せねばならなくなった。監視したうえであれこれ文句を言い、場合によっては運転手を取り替える必要も出てきた。

 そう。我々は運転手を取り替えた。愚かなくせに『とにかく任せろ』という運転手を『乗客の指示に従う』という運転手に。だがそれからが大変だ。運転手も運転経験が乏しいなら、乗客たちも命令して監視する経験が乏しい。運転手のミスや乗客たちの頓珍漢(とんちんかん)でバスはあちこちにゴッツンコ。

 そんなプロセスが始まった。『新政権の一〇〇日間ハネムーン』という言い方があるが、ミスリーディング。運転者は一〇〇日間でかなり上手になる。だが、今まで『お任せ』状態の乗客たちが、自分たちの大目的を定めたうえ、その都度の目的やルートを適切に指示できるようになるには、ずっと長くかかる」(「民主主義が一度もなかった国・日本」まえがき/宮台真司)

 新しいゲームへの「準備がない」のは既存政党、マスコミだけではない。投票と陳情以外の政治参加を知らない有権者、自分の思いや要求をぶつけることが「参加」だと信じて疑っていない市民、国民、こうした「お任せ」政治の基盤そのものこそ、「準備がない」ことの本質である。有権者を主権者へ、納税者を主権者へ、市民を自治の主体へという活動の持続性こそが、「一歩前進、それゆえの迷走」に向き合う胆力を準備する。「白紙委任」「お任せ」の観客民主主義にとどまったままでは、政権交代さえ消費の対象に替えて、未来を食いつぶすことになる。

政権交代によって、参加の風景は大きく変わろうとしている。マニフェストを媒介に、既存の組織関係を介さずに参加しようという層が、社会のいたるところに生まれている。事業仕分けに「政治過程の『見える化』だ」と反応しているのは、そういう人々である。投票と陳情以外の参加、社会をともに担うための幅広い参加をいかに創造し、深化させていくのか。それが問われている。

政権発足当初に比べて支持率は下がったとはいえ、国民は「一歩前進ゆえの迷走」に耐えて、もう少し時間を与えようとしている。だからこそ鳩山政権は、政権維持(連立維持のための目先の足し算)に右顧左眄することなく、愚直に国民との約束にこだわり、めざす方向(マニフェストに込められた政策思想の軸)をこそ国民に訴え続けるべきである。

(以下、「日本再生」368号一面へ)
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第79回 東京・戸田代表を囲む会【会員限定】
「通常国会と予算案審議」
1月18日(月)18時45分より
ゲストスピーカー 笠浩史・衆院議員、国会対策委員会筆頭副委員長
「がんばろう、日本!」国民協議会 事務所(市ヶ谷)
同人会員 2000円 購読会員 3000円(夕食付き)

鳩山政権の統治能力、マニフェストの実行が問われる2010年度予算案。その審議を行う通常国会が1月下旬から始まる予定です。政府与党の一元化、政治主導など、新たな政治過程による国会運営も本格的に問われてきます。
通常国会にいかに臨むか。国会対策の最前線で活躍する笠議員にお話しいただきます。

今回は開始時間が15分遅くなっています。笠議員は19時到着予定ですので、それまでに食事を済ませておきたいと思います。
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オススメの本をいくつか
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□なぜ若者は保守化するのか 
 山田昌弘 東洋経済新報社
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 …バブル経済の崩壊以降、経済・社会状況が変わっているのに、新卒一括採用や正規・非正規格差といった雇用システムは変わらない。人々の意識もなかなか変わらない。その間に、若者をめぐる状況はますます悪化する。それを中高年の親が20年にもわたって支え続けることによって、社会問題にならずに、問題が先送りされる。まさに、若者の「失われた20年」と言ってよいのではないか。(本書より)
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□経済学 
 諸富徹 岩波書店 シリーズ・ヒューマニティーズ
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 …経済学に今求められているのは、理論から理論を紡ぎ出すことではなく、現実との格闘の中から新しい理論を発展させていくことだ、という点である。(中略)経済学に今後求められるのは、経済のグローバル化、金融経済の肥大化とその実物経済への悪影響、そして地球規模での環境問題の解決という、人類の生存に関わる大きな問題の原因を分析し、その解決策を政策として提示しながら、セカイ経済の持続的な発展を可能にするような新しい経済社会のビジョンを打ち出すことである。(本書より)
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□民主主義が一度もなかった国・日本
宮台真司・福山哲郎  幻冬舎新書
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…日本にとって、この政権交代がいたずらに新たな苦しみを生み出すにすぎないものなのか、新しいチャレンジへの喜びと希望の扉になるのかは、政治家と良識ある有権者のまさに協同作業の結果にかかっている。(本書より)

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石津美知子
「がんばろう、日本!」国民協議会
http://www.ganbarou-nippon.ne.jp
TEL 03-5215-1330 FAX 03-5215-1333