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▼ Index
□変えるのはあなた、政治家ではない
世論から「総スカン」を食う政権と、「新たな参加」を組織する政権

□定例講演会のお知らせ
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変えるのはあなた、政治家ではない
世論から「総スカン」を食う政権と、「新たな参加」を組織する政権


 麻生内閣がいよいよ「総スカン」状態になった。二月の世論調査では軒並み、支持率はぎりぎり十%台前半、不支持率は八割という数字が出ている。自民党支持層でさえ支持35%、不支持46%と、支持と不支持が逆転した。「今すぐ辞任を」と「予算成立まで」がともに39%と、八割が退陣を要求している(毎日2/23)。まさに「総選挙で混迷を断て」が民意である。その民意をブロックしているのは誰か。

 「今自民党は『麻生では持たない。総裁選を前倒ししよう』と興奮している。念のため『持たないってどういうことですか?』と質問すると『あんた、本当に記者さん? 常識でしょう。麻生さんでは選挙に勝てない。自民党は負ける。我々は落選するということですよ』と笑う。『なぜ、負けるんですか?』と重ねて聞く。今度は『世論調査の支持率ですよ。理由はそれだけで十分』と怒る。世論調査は『国民が今、政治に何を求めているか?』を聞くための手段だが、彼らは内閣支持率と麻生さんの人気(小沢さんの人気)以外に関心がない。世論調査を〔選挙で〕『自らの生活』を守るためのデータと心得ている」(毎日2/24夕刊「牧太郎の大きな声では言えないが…」〔〕は引用者)

 質問と答えがかみ合っていないのは、「もうろう会見」だけではないらしい。選挙を人気投票と考える人々と、一票で政権を選択する機会と考える人々とでは、見えている世界が全く違うので、質問と答えがかみ合わない。そして「日本の民主政のためには政権交代があったほうがよい」が七割の民意になるなかで、主権在民の常識が通じない永田町が「総スカン」を食らいつつある。

リーダー論も変わりつつある。「郵政民営化に賛成ではなかった」という麻生総理の発言に「怒るというより笑っちゃうくらい、あきれている」と批判し、一躍脚光を浴びた小泉元総理。しかし、郵政民営化に対する麻生首相の一連の発言を「評価しない」が八割にもかかわらず、それを批判した小泉氏の発言を「評価する」は36%にとどまり、「評価しない」が56%にのぼった。また小泉氏が定額給付金を含む第二次補正予算関連法案の衆院再議決を棄権する、としたことについても、「再議決自体に反対」が六割にもかかわらず、小泉氏の意向を「理解できる」は46%、「理解できない」も46%だ。(産経2/24)

これは何を意味するか。「ポスト麻生」や「第三極」「政界再編」といった類の「自民党内政局」で政治のリーダーを語る時代は終わった、ということだ。言い換えれば中選挙区時代の発想、習慣をひきずって「リーダーがいるか、いないか」といっていれば、「ポスト麻生はドングリの背比べ」「『小沢も麻生もダメ』が依然として六割」、としか見えないことになる。ここにあるのは、傍観者としてのフォロワーと「白紙委任」「お任せ」のリーダーという関係だ。

主権在民、有権者の一票で政権を選ぶ―その基準から、フォロワーがリーダーに対する“目利き”を始めた(まずは消去法から)。このフォロワーからの迫り出しが見えるかどうか。オバマ政権と対比すると、このことは鮮明になる。

「変えるのはあなた、政治家ではない」。これはオバマ大統領が就任から三日後の演説の中に盛り込んだ言葉だ。経済、イラク戦争、環境など米国が直面する危機を解決するために、ボランティア活動を積極的に展開してほしい、と呼びかけた。「責任の時代」「民主主義の構成者はコストを支払わなくてはならない」という就任演説での訴えには、国民の政治参加=ボランティア精神なくして問題は解決できない、という意味がある。そこには、フォロワーシップを転換するムーブメント(社会的連帯)を呼びかけようという姿勢がうかがえる。

オバマ陣営が立ち上げたUSAservice.orgというサイトは、政権運営にかかわる草の根のボランティアに参加しやすい環境を整えているという。近所で予定されているボランティア・イベントを探し参加登録することができる一方、イベントの主催者がイベント掲示をして、参加者を募ることも可能になっている。例えば、ワシントンDC近郊50マイルで予定されているイベントを探すと「読み書き・算数を教えるボランティアを探しています」「軍人への寄付を募ります」「献血募集」など、70以上の様々な内容が書き込まれている。(横江公美 日経ビジネスオンライン2/12「O列車で行こう」より)

「大統領選挙は制度的には大統領を選ぶ作業にすぎず、本来は決まればそれでおしまいのはずである。しかし、キャンペーンの過程で巻き起こった『運動』は、継続的なインパクトをもたらすことがある。第一に、アフリカ系大統領誕生によるアメリカのマイノリティ社会の意識転換である。(中略)第二に、若年層のシニシズムの解消である。政治に関心はあっても、所詮コメディショーで『消費』するジョークの対象にしかすぎなかった政治に対して、若年層の間に参加意欲を喚起させた。この他にもネットによるコミュニケーションのモデルの転換、公共心の鼓舞など様々な事例がある。  いずれにしても、オバマ選挙は勝つための選挙ではあったが、勝ったあとにもキャンペーンの『副産物』が残る選挙だったといえよう。無論、それがどのように具体的にオバマ政権の政策実現に効果をもたらすかは未知数だ。しかし、キャンペーンをキャンペーンで終わらせない、キャンペーン過程で市民意識が覚醒され、新たな市民同士のネットワークも活性化し、『オバマ運動』に触発された、様々なグループが地域の医療活動、環境対策、教育改革などの『運動』を自主的に立ち上げるとすればどうだろうか」(渡辺将人 アメリカNOW第32号 東京財団ホームページより)

主権在民のリーダーシップとは、フォロワーシップの転換、新たな政治参加を不断に生み出していく「関係性」のことである。(「リーダーはフォロワーに依存すると同時に部分的にはフォロワーによって形成される。・・・『カリスマ』はフォロワーから与えられることが多い」ジョセフ・ナイ著『リーダーパワー』)そうした主権在民のリーダーシップを、傍観者の「ないものねだり」ではなく、「あるもの磨き」のなかから迫り出していくこと。これが、われわれにとってのフォロワーシップの転換の課題にほかならない。これによって「求む! まともな政府」の基準をフォロワーから示していこう。
(「日本再生」358号より)

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定例講演会のお知らせ
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参加費 会員1000円  一般2000円

□ 第89回定例講演会□ 
「政権交代への剣が峰−予算委員会の攻防」
講師 枝野幸男・衆院議員、衆院予算委員会次席理事
3月24日(火)18時30分より
総評会館 203
 
□ 第90回定例講演会□ 
「総選挙、われら自民党 かく戦う」(パネルディスカッション)
水野賢一・衆院議員、山内康一・衆院議員、亀井善太郎・衆院議員、
上野賢一郎・衆院議員 柴山昌彦・衆院議員 
コメンテイター/飯尾潤・政策研究大学院大学教授
4月8日(水)18時30分より
アルカディア市ヶ谷(私学会館)4階「鳳凰」

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石津美知子
「がんばろう、日本!」国民協議会
http://www.ganbarou-nippon.ne.jp
TEL 03-5215-1330 FAX 03-5215-1333