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「がんばろう、日本!」国民協議会
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▼ Index
□民意をブロックする総理と官邸がこの国を壊す前に、
主権在民の原理で国会を動かそう
 ◆民意の矜持が見えない「さもしい」人々
 ◆予算を修正する「あたりまえ」の国会に

□定例講演会のお知らせ
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民意をブロックする総理と官邸がこの国を壊す前に、
主権在民の原理で国会を動かそう

定額給付金を含む第二次補正予算は成立したが、財源の裏づけとなる関連法案の参議院での審議はこれからだ。国民の七割から八割が反対している政策が、国会では多数で通るという事態は、主権在民の原理からは到底説明できないだろう。予算(二次補正、21年度予算)をめぐる攻防は、民意をブロックする総理と官邸に対して、主権在民の原理でいかに国会を動かすか、という性質のものとなっている。

◆民意の矜持が見えない「さもしい」人々

 国民の定額給付金への反対に、与党内の一部には、「今は反対している国民も、現金を手にすれば分らんよ」という声もあるという。まさに「錦の御旗」が見えない、見たくない人たちだ。

多くの国民が定額給付金を「愚策だ」といっているのは、「いくらもらえるか」「トクかソンか」という次元からではない。「同じ二兆円を使うなら、世の中のためにもっと賢い使い方がある」ということであり、「丸投げするなら、地方が独自の判断で使えるようにしてくれ」ということだ。言い換えれば私益ではなく公益のために、賛成か反対か(の二者択一)ではなく優先順位を議論して合意せよ、といっている。

ある人たちは、これを「民意の矜持」と言う。空気のようなセロンではなく、意思を持った輿論。この「錦の御旗」が迫り出しているからこそ、究極のバラマキ、ポピュリズムにもかかわらず、麻生内閣の支持率はさらに下がるという、かつてないことになる。ところが私益の分捕りあいが政治だと思い込んでいる永田町・霞ヶ関には、この「錦の御旗」がまるで見えない。

与野党問わず主権在民を行動原則に、有権者の声を直接聞いている国会議員なら、こうした輿論は程度の差はあれ体感できる。「トクかソンか」という次元でしか考えない支持者の中だけを歩いていれば、セロンしか分らない。ここにまで「錦の御旗」を見ざるをえないようにしていくことだ。

茨城県医師会の有志は、定額給付金に対する抗議行動として、給付金を県内の民主党候補に寄付することを会員によびかけると発表した。団体名は「茨城から定額給付金で医療を変える会」。小松満代表(県医師会副会長)は記者会見で「(定額給付金の)二兆円を本当に困っている人に使うのが筋。抗議のために自民党の政策で民主党に資金が回る一番皮肉なことをやろうと思った」と話した。

 定額給付金は法律で義務づけられていない「自治事務」(自治体が独自の判断で条例を定めて行う)であるため、実施にあたっては自治体議会の議決が必要となる。国の下請け機関よろしく、「国が決めたから」というだけで議決したのでは、この国に地方分権などないと地方議会自らが宣言するようなものだ。法律の裏づけのない事務に対する住民からの訴訟リスクを負うのは、ほかならぬ自治体である。地方議会は「現金を手にすれば変わる」ような人たちの集まりなのか、健全な民意を反映しうる場なのか。ここからも、セロンではない輿論を可視化していくことが必要だろう。

 定額給付金については、七市議会が撤回を求める意見書を可決したのに対し、否決した市区議会が少なくとも十八議会、二市議会は自治体が混乱しないよう配慮を政府に求める意見書を可決している(1/20産経)。国政与党の会派が乗りやすいように、と配慮したのでは中途半端な結果になる。「国の下請けではない、地方政府の時代の議会のあり方」「議会は民意を反映しているのか」と主権在民の原則で正面から問い、それに対する分岐を促進していく、という組織戦が問われている。

◆予算を修正する「あたりまえ」の国会に
 
二次補正予算は衆参の議決が異なった結果、両院協議会で「衆院の議決を優先する」ことが確認された。衆参の議決が異なるという意味を、自公と民主の政争としかとらえなければ、「両院協を審議引き延ばしに使うな」というトンチンカンな話になる。衆参の議決が異なるというのは、(原則的には)民意がふたつある、ということだ。このときに「よりよい合意形成ができるか」が民主主義の知恵というものであり、そのためには、政府が出したものを一時一句変えずに通すという官僚内閣制の悪弊を改めることが必要になる。これが今回問われたことだ。

 国会は、政府が出したものを一時一句変えずに通す儀式の場なのか。予算を修正するのは国会の権能ではないのか。なぜ国民の「七割が反対している給付金を削除する」という修正が、国会でできないのか(そうすれば二次補正はすみやかに成立、実施される)。予算を人質にとって民意をブロックする総理と官邸に対して、(民意に従って)国会としての意思を示すとはどういうことなのか。こうしたことを引き続き、給付金の財源をめぐる予算関連法案や21年度本予算と関連法案、公務員の「渡り」をめぐる審議などで問うていかなければならない。

 問われているのは、民意を反映した国会のあり方だ。二次補正予算の関連法案について、給付金を切り離した修正案が参議院で可決されれば、衆議院は三分の二で原案を再議決するか、参議院の修正に応じるかが問われる。民意を反映して予算を修正するという、あたりまえの国会になるのか、それとも民意に逆行しても政府案を一言一句変えずに押し通すのか。まさに官僚内閣制の惰性ではなく、主権在民の原理で国会を動かすことが問われている。

この共通の基盤のうえにこそ、「国民が民主党政権を選ぶなら潔く下野して出直す」という「よき敗者」と、「勝てば官軍」を排した(よきフォロワーシップの転換に支えられる)「よき勝者」が生み出される。(政権交代があたりまえの民主政における二大政党への糸口)。
 
(「日本再生」357号 3/1発行 より)

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定例講演会のお知らせ
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□第88回定例講演会□ 
「オバマ政権発足と世界秩序の変化」
対談 中西寛・京都大学教授/李鍾元・立教大学教授
2月7日(土)15時より18時
日本青年館 504 (千駄ヶ谷駅より徒歩9分)
◆オバマ政権の発足はアメリカにとってのみならず、世界にとっても大きな変化を意味します。折からの「百年に一度」といわれる経済危機ともあいまった国際秩序の大きな変動・再編期をどうとらえるか。このなかで、日米関係や東アジアの国際関係はどのような再編の課題に直面するのか。第一人者のお二人による超ビッグ対談です!

□第89回定例講演会□ 
「政権交代への剣が峰−予算委員会の攻防」
講師 枝野幸男・衆院議員、衆院予算委員会次席理事
3月24日(火)18時30分より
総評会館 203 

***** 定例講演会の参加費 ********
会員 1000円 一般 2000円
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□第16回 関西政経セミナー□
「低炭素化時代の日本の課題」 
3月1日(日)午後2時より メルパルク京都
講師 諸富徹・京都大学大学院准教授
パネルディスカッション 諸富先生、福山哲郎・参院議員、隠塚功・京都市議
            上村 崇・京都府議、中小路健吾・京都府議
17時すぎより懇親会
会費 4000円(懇親会とも)

***** 木下敏之・前佐賀市長からのお知らせ ************

木下・前佐賀市長よりセミナーのお知らせです。
自治体・公共事業体等 人事改革セミナー
「改革の本質とその手法」
木下敏之氏×前田卓三氏

くわしくは以下をご覧ください。
http://www.ihcs.jp/

2月9日 13時20分から17時
都道府県会館 会費 3000円



******************************* 石津美知子 「がんばろう、日本!」国民協議会 http://www.ganbarou-nippon.ne.jp TEL 03-5215-1330 FAX 03-5215-1333