電子瓦版(転送はご自由にどうぞ)
━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━ 
メルマガ♯がんばろう、日本!         117(08.9.12)
━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━
「がんばろう、日本!」国民協議会
http://www.ganbarou-nippon.ne.jp
==================================
▼ Index
□官僚内閣制の惰性を断ち切る政権交代を
●堂々たる政権選択選挙へ、最善の舞台がダメなら次善、次々善の舞台を
●だれが官僚内閣制の惰性を止めるのか
〜独立変数としての主権者運動、その投票基準
==================================
官僚内閣制の惰性を断ち切る政権交代を
==================================

●堂々たる政権選択選挙へ、最善の舞台がダメなら次善、次々善の舞台を

熊   自民党総裁選が始まった。五人の候補者が「公約」とやらをがなりたてているが、「何か忘れちゃいませんか」って言いたいね。

八   そもそもこの時期に、二年続けてソーサイセンとやらをやらなけりゃならなくなったのは、ボンボン宰相が二代続けて投げ出したからだろ。立候補している御仁はどなたさんも、この二代の政権で閣僚や党の要職を占めていたはずだ。「あれをやります、これをやります」という前に何か一言、言うべきことがあるだろうが。

熊   安倍さんの辞任も内閣改造の直後。役員を選任した直後に社長が誰にも相談せずに辞める、なんてことは普通の社会では考えられない。それが平気でまかり通るってのは、「政権担当能力があるかないか」という以前の問題だ。

八   福田さんは「ワクワクするような総裁選をやってほしい」と、のたまった。よくもまあ、とあきれ返るが、この総裁選は政策を託すリーダー選びとはおよそかけ離れた、文字通り「目先の総選挙の顔」選びになった。

熊   民主党の代表選も堂々たる政策論争をスルーして、「まずは政権交代」ということで無投票となったが、「目先の総選挙の顔選び」に比べりゃ、こっちのほうがちっとはマシってことかな。

八   堂々たる政権選択選挙の最善の舞台は、自民党も民主党もしっかりとしたマニフェストをつくって、首相候補、政権枠組みとともにセットで国民に信を問う、というものだ。だが自民党は二代続けて総理の座を放り出し、政策以前の目先の延命に走っている。民主党も残念ながら、堂々たる政策論争による党首選を回避した。だが、最善の舞台がダメになったからといって、ここであきらめたんじゃあ、主権者運動の名がすたる。

熊   永田町に従属しない、独立変数としての主権者運動だもんな! 最善の策がとれないなら次善の策、次善の策もダメなら次々善の策を講じよう。自民党総裁選の構図は、目先の生き残りのためのドンチャン騒ぎに国民を巻き込んで(ワイドショーに露出して!)、その勢いで総選挙へ、ということだ。これに有権者がどこまで巻き込まれるのか、巻き込まれないのか。まずはここが第一関門だろう。

八   既存政党からはプラスの発信はないのだから、永田町の動向に対する態度表明や評論では主体的に対応できない。下手に評論すれば、政治不信を撒き散らすことにしかならない。まさに、独立変数の度合いがストレートに問われるわけだ。

熊   この間の世論調査ではずっと、政党支持率は自民、民主で拮抗しているが、「次の選挙でどちらに勝たせたいか」では、民主が自民を大幅に上回っていた。総裁選の騒ぎが始まってから、一部でここの数字が少し揺らいでいる。これに右往左往して、「メディア対応」に走るのか、「だからこそしっかりとしたマニフェストと争点設定」で踏ん張るのか。独立変数の度合いは、ここでも問われるってことだ。

八   2001年くらいから、自民党の基礎票は選挙のたびに1600万から2100万の間を動くが、民主党の基礎票は2000万を崩していない。これは2005年の郵政選挙のときにも崩れなかった。そこをベースに、「民主党に政権担当能力があるかないか、ではなく、日本の民主主義のためには政権交代が必要だ」という層が作られてきた。それがこの間の世論調査の数字だ。ここが、総裁選のお祭り騒ぎに巻き込まれる程度のものなのか、国民主権の発展という判断基準をさらに一歩具体化できるのか。

熊   ふらついているのがどこかは、はっきりしている。都市部の無党派だ。小選挙区は5、6パーセントの票の動きで決まる。ここにワイドショー型選挙で「二匹目のドジョウ」を狙いに行くのか、それとも「日本の民主主義のためには政権交代」という独立変数からの世論形成ができるのか。これが次善の舞台を準備する一歩だろう。

● だれが官僚内閣制の惰性を止めるのか
〜独立変数としての主権者運動、その投票基準

熊  政権交代というと、「民主党に政権担当能力があるのか」という話が出てくるが、これはちょっと違う。日本の民主主義のためには政権交代が必要だ、ということは、一方で自民党を健全に再生させるためには政権交代が必要だ、ということでもある。また、政権担当能力が、霞ヶ関とうまくやっていく能力ということなら、そんなものはないほうがいい。

八   1993年の政治改革から十五年。さまざまな制度改革もやり、連立政権もやり、マニフェスト選挙もやり、「ねじれ」国会もやった。結局は愚直に政権交代をしていく以外に、政治を動かす道はないということだ。郵政選挙のような奇手を使っても、官僚内閣制の惰性は止まらなかった。これを止めるには、政権交代以外ない。

熊   その意味で、小沢さんが政権交代したら100人以上の政治家を副大臣、政務官として役所に送り込むといっているのは、まさに官僚内閣制の惰性を止める一歩になる。

******河野太郎議員のメルマガより*********
「ごまめの歯ぎしり」9/9

総理の突然の辞任と総裁選挙の狭間で、日本はNSG(原子力供給国グループ)の臨時総会でNPTに加入していないインドを例外扱いする米印原子力協定に基づく原子力関連のインドへの禁輸を解禁することに賛成した。
外務省は、これまでこの問題に関して、まったく態度を鮮明にしてこなかった。それだけでなく、外務省のホームページを見ても事務次官の会見記録はあるが、外務大臣の会見記録はない。
この問題に関しては、柴山外務政務官が猛烈に反対するべきだと外務省内で主張していたはずである。政府に入った政治家が明確に反対を主張しているにもかかわらず、なぜ、日本はこれを支持したのか。
しかも、政治が議論することなしに、日本の態度が決められたことに不信感をぬぐえない。
柴山政務官には、ぜひ、外務省内での議論を国民に説明してもらいたい。
NPT体制の弱体化はこれで避けられず、究極的な核廃絶を訴えているはずの日本の立場は極めてあいまいなものになった。
高村外務大臣の不信任が衆議院で議論されるべき程の問題だ。
これで日本が安保理の常任理事国になる意義も薄れたといわざるを得ない。対米追随、主張しない日本なら安保理に入らずとも良い。それならそれで外務省の核軍縮関係の部局を廃止し、その予算を廃止するべきだろう。

*****引用おわり********

八   これまで言われてきた「政権担当能力」がどういうシロモノか。こういう官僚内閣制の惰性を誰が止めるのか、政権交代以外に止められるのか、ということだ。

熊   だから民主党はこの間に、「メディア対策」なんぞにうつつを抜かさずに、官僚内閣制の惰性を止める政権交代の争点設定と、そのロードマップをきちんと仕上げるべきだ。それで自民党の新総裁に論戦を挑むべきだ。

*****「日本再生」352号より*****

私自身の簡単な話でいうと、政権を取らせてもらったら三年間で税金の無駄遣いを全部明らかにする。今、年間十二兆円、千七百団体という特殊法人に金がぶち込まれて、ほぼ随意契約で持っていかれています。これを全部表に出して、どれが必要でどれが必要でないかという仕分けをして、三年間でこれだけ税金の無駄遣いを明らかにして財源を作りました、これを踏まえて消費税を上げてさせてください、年金制度を全部変えましょうと。これで選挙をやらせてくださいと言って、二回目の政権で安定政権を作って、分権も含めて根本的にやっていくというのが、私なりのシナリオです」(福山哲郎参院議員)

*******引用おわり*********

八   いずれにしろ、官僚内閣制の惰性を止める、その確実な一歩となる総選挙にしなければならない。それはなによりも、独立変数としての主権者の側にかかっている。政権交代が一番確実な道だ。そうしたら民主党は一年間かけて、自民党・無駄遣い撲滅プロジェクトチームが行ったような「政策棚卸し」を、連日国会の委員会審議でやればいい。補助金全廃―地方へ一括、ということにしたって、どこにどういう補助金がどれだけ配られているのか、誰にも全体像はわかっていない。官僚内閣制の惰性は、それこそ「細部に宿っている」。それを徹底的に委員会審議で表に出し、そのなかで政策転換を図り、翌年の予算編成を大きく変える。

熊   それと並行して、年金や医療などの大きな制度設計の話を詰める。財源問題は結局は「国民が納得する」ことがすべてだが、それ以前に、官僚内閣制が延命する限り、数字だってまともに出てこないことは、この間の社会保険庁のメチャクチャぶりでもはっきりしている。

八   政務官、副大臣を100人以上送り込むにしろ、委員会で「政策棚卸し」の議論をするにしろ、そのためには「役所の言いなり」や「役所に口利き・口出しする」議員では、与野党ともに使いものにならないということだ。もちろん役所にメモを書いてもらって委員会で質問するような議員にも退場願う。当然、週一度の党首討論に耐えられないような党首を選んじゃダメだ。

熊   つまり、主権者運動としての投票基準は、こういうことだろ? 官僚内閣制の惰性を止める、その一歩としての政権交代を(日本の民主主義のためには政権交代が必要だ)。
そのためには
@委員会で「政策棚卸し」の議論ができる者、役所に頼らずに議員立法の活動ができる者、そういう候補者を国会に送る。
A小選挙区で、自民、民主の候補者がどちらもその資質を持っていた場合には、政権交代のために今回は民主の候補者は小選挙区で、自民の候補者は比例トップで当選するような「戦略的投票」を。
B@の活動の主体者ではないが、理解する、協力する、最低限ジャマをしない、足をひっぱらない、という者を国会に送る。

八   自民、民主どちらが政権に就いたとしても、総選挙後の国会の委員会審議では、自民党からは「政策棚卸し」のようなメンバーが、民主党からは議員立法を自力でつくってきたようなメンバーが、片や質問者となり、片や大臣・副大臣・政務官として答弁する、という構図に様変わりさせなけりゃならないってことだな。

****「政策棚卸し」****
自民党無駄遣い撲滅プロジェクト・河野太郎チームが行っているもので、省庁の政策事業についてゼロベースで検証、仕分けをしていく作業。8月に文部科学省、9月に環境省について実施。
【参照】「日本再生」352号 「政策棚卸し 傍聴記」/亀井善太郎衆院議員インタビュー
* 第一弾文部科学省政策棚卸しの報告 http://www.kosonippon.org/project/detail.phpm_project_cd=681&m_category_cd=16


******************************* 石津美知子 「がんばろう、日本!」国民協議会 http://www.ganbarou-nippon.ne.jp TEL 03-5215-1330 FAX 03-5215-1333