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□ 政権選択選挙の「共有地」
「既存政党の党員や支持者になる意思はないが、
政党政治がきちんと機能するために、
有権者としてできることがあればやる意思はある」という主権者意識
(「日本再生」325号(5/1)の内容の一部です)

□ お知らせ
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「既存政党の党員や支持者になる意思はないが、
政党政治がきちんと機能するために、
有権者としてできることがあればやる意思はある」という主権者意識
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◆バッジをつけない市井の賢人、政治の現状に警鐘を鳴らす◆

 四月十四日、21世紀臨調幹事会は「政党は政治をどう守るのか〜マニフェスト『以
前』問題を問う〜」との声明を発表し、政党政治の現状について政党、政治家はもと
よりマスコミ、有権者に対しても警鐘を鳴らし、問題提起を行った。

 「日本の政党政治は大きな転換点に立っている。
 古い支持組織は崩壊し、官僚制は昔日の力を失い、政党はいよいよ自らの足で立つ
しかなくなっている。そのためには政党がマニフェスト『以前』問題を解決し、組織
実態として一定の水準に到達していることが絶対に必要である。
 この間に見られた野党第一党の自壊現象とでもいうべきものは正にこの水準の問題
がなお大きな課題であることを明白にした。そこが克服できなければ全ては砂上の楼
閣であろう」と提起して、マニフェスト「以前」問題として以下の四点を問うてい
る。

 「政党政治は集団である政党を主体とする政治であるが、政党が候補者を集め、選
挙を行うことは当然として、それ以外に集団としての凝集性を高め、涵養していくど
のような方策を採っているのか。およそ政党が一つの主体であろうとする限り、その
構成員を教育し、それを通して一定の紀律化をはからなければならないが、それはど
う行われているのか。政治のこれまでの経験はどのように継承され、蓄積されていっ
ているのか。一言で言えば、政党はメンバーの品質管理と政治的英知のストック化と
いう問題をそもそもどう考えているのか」

 「政党活動を密室で行うわけには行かず、説明責任を果たすことへの要望がますま
す高まり、一部にはポピュリズム現象を指摘する見解もある。こうした中で、政治家
たちが『どのように』それを果たすかについて政党として何かルールが設けられてい
るのか。それとも事態を全く放置し、成り行き任せにしているのか。それを果たす一
つの場として政治家のメディア等への登場について何か政党としてのルールがあるの
か。各政治家たちはそうした場での発言についてどのような責任を負っているのか」

 「政治を『面白いもの』として印象づける試みが政治の周辺を含めますます活発化
している。政治をこうした形で『消費』の対象とする動きに対して政党はどのように
対処するつもりか。こうした動きと説明責任を果たすことと同じなのか、それとも違
うのか。こうした傾向に対してどう政治と政治家を守るのか、守るとすればどのよう
な対処方箋があるのか。そもそも政治という活動は俗な意味で『面白いもの』なの
か。政治をどのようなものと考え、それをどう社会に対して発信するつもりなのか」

 「これらの諸点に与党は政権の運用という日常活動を通してそれなりに対応してい
るように見える一方、野党はこうした枠組みなしにいわば自由に活動することになる
が、しかし、与党以上に徹底した創意工夫をこらすことなしには政権交代は望むべく
もない。野党は自らの役割と任務をそもそもどのように設定し、それを実行に移す態
勢をどう整備するのか。党首を頻繁に代えることで澄むような話でないとすれば、ど
のような仕組みや制度が与党以上に政党としての凝集性を高め、単なる政策人の集ま
りを超えた政党経営のノウハウを蓄積する上で不可欠であろうか」(声明の全文は21
世紀臨調ホームページhttp://www.secj.jp/)

◆「あろうべき政党政治」「あろうべき主権者」が、具体的な判断基準となり始めた


 既存政党の現状に対して、バッジをつけない“市井の賢人”の側が「あろうべき政
党政治とは」という観点・価値観から警鐘を鳴らし、叱咤する―これはこれまでには
なかったことだ。「あろうべき政党政治」「あろうべき主権者」ということが、抽象
的一般的なこととしてしか理解できなかった時と、これが具体的行動提起として入る
ようになった時とでは、見えてくる風景が大きく変わってくる。

 例えば千葉7区の補欠選挙。ここでの民意を、単なる「有権者のバランス感覚」
(自民党に勝たせ過ぎた)ととらえるのか、それとも「日本の民主主義のためには二
大政党が機能する必要がある」というものととらえるのか。前者のなかには、小選挙
区、政権選択選挙という判断・その当事者意識はいっさい入っていない。これでは、
昨年の911総選挙で「自分の一票が政権のあり方を決める」と実感した有権者にアプ
ローチすることは到底できない。「有権者のバランス感覚」と評した小泉総理、チル
ドレンを始めお寒いパフォーマンスを繰り出した武部幹事長。自民党の敗因はまさに
ここにある。

 これを「やはり『風頼み』ではダメだ。来年の参院選には支持組織との関係を修復
しなければ勝てない」と総括してしまえば、小泉総理が「ぶっ潰した」はずの「旧
い」自民党に先祖帰りすることになる。「小さな政府」という新綱領で紀律化された
政党への脱皮の糸口がつかめるのか。あるいは「劇場」型へさらに走り、政党政治の
基盤を弱体化させるのか。自民党の正念場であるとともに、民主党にも「政党として
の水準問題」(21世紀臨調声明)が厳しく問われる。

政党が一発勝負やセンセーショナリズム、人気の高い党首が全てなどという「出たと
こ勝負」の体質から抜け出せなければ、小選挙区、マニフェストという(政党政治・
政権選択選挙の)道具は「宝の持ち腐れ」となってしまう。メール事件でガタガタと
なった民主党、ポスト小泉をめぐる自民党ともに、ここが問われている。これにどう
答えるか。「バランス感覚」とか「無党派」といっていたのでは、有権者のなかに芽
生えつつある当事者意識は見えてこない。

有権者は、民主党がしっかりしているから、あるいは民主党候補のほうが自民党候補
より有能で即戦力になるから、といって投票したのではない。「日本の民主主義のた
めには二大政党が機能する必要がある」という価値判断、二大政党―政権選択選挙の
当事者意識、そうしたものが有権者の投票行動の基準となりつつある。

◆既存政党の党員や支持者になる意思はないが、政党政治がきちんと機能するため
に、有権者としてできることがあればやる意思はある◆

有権者の政党を見る目線、距離感は明らかに変わりつつある。(党首や議員が)好き
か嫌いか、(政策にしろ議員にしろ)支持するかしないか、というのでは「政治を面
白いものとして消費する」ことと本質的には違わない(その意味が生活実感で分か
る)。この五年間で形成された「小泉さんは支持するが、自民党は支持しない」とい
う独特の中間項を媒介として、「既存政党の党員や支持者になる意思はないが、政党
政治を否定するものではない。むしろ政党政治がきちんと機能するために、有権者と
してできることがあればやる意思はある」という(疑似主権者の時とは明らかに違
う)「バッジをつけない主権者」の空間が生まれている。既存政党から相対的に独立
した、(政権選択選挙における)有権者としての当事者意識とでも言うべきものであ
る。

この「共有地」をさらに発展させるために、何をなすべきか。この「共有地」を自分
の保身や功名のために食い散らそうとするもの、「面白おかしく」消費しようとする
ものと、いかに戦うか。主権者運動の役割はこのようになるだろう。この主権者運動
の豊かな土壌のうえに〇七年統一地方選挙、そして参院選を準備できるかが、「あろ
うべき二大政党」へ向けた次のステージを切り開くうえでの決定的な鍵になる。

(以下、続きは「日本再生」325号)

□◆□お知らせ□◆□

□ 選挙情報 □
伊勢崎市議選  3/19投票  森田修 会員 1824票 (26位/定数34)

みなかみ町議選 4/23投票  島崎栄一 会員 当選(434票 最下位ながら村議時
より得票を増やして当選)
 
松戸市長選  6/11告示 6/18投票  本郷谷健次 同人(立候補予定)

□ 第73回定例講演会 □
政党政治の現状とローカルマニフェストの展望
北川正恭・早稲田大学大学院教授
6月5日(月)18時30分より
アルカディア市ヶ谷(私学会館)6階「阿蘇」
会員1000円/一般2000円

□  第四回大会 □
6月18日(日)13時より
基調提起/記念シンポジウム「外交」「分権」
懇親会(18時30分より)
砂防会館(東京・平河町)
シンポジウム2000円/懇親会6000円

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石津美知子 ishizu@ganbarou-nippon.ne.jp
 「がんばろう、日本!」国民協議会
http://www.ganbarou-nippon.ne.jp
TEL:03-5215-1330 FAX:03-5215-1333