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▼index
シリーズ・年金改革とマニフェスト その3

□ マニフェストの政治文化をオチャラケにさせる「掛け合い」にも巻き込まれず
  「政治不信」の空騒ぎにも負けず
  ひたすら主権者運動に励む
  ソウイウヒトに、ワタシはナリタイ
 
■年金法案は白紙にせよ
■マニフェストの政治文化を定着させる主権者運動を

■お知らせ
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ソウイウヒトに、ワタシはナリタイ
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□ 年金法案は白紙にせよ (ワイドショー編)

キャスターA   驚くべきことですが、この番組の視聴者アンケートでは、100
パーセントの方が今の年金法案については、いったんやり直すべきだと答えました。
しかしこの年金法案について、与野党で「将来の一元化」を盛り込んだ修正を加えて
衆議院を通過させるということで合意が図られました。

キャスターB   この合意では「年金制度の一元化を含む社会保障制度全般の一体
的見直しを行い」「2007年をめどに結論を得て」とありますが、ずいぶんあいまいな
内容じゃありませんか? これだと、2007年に「一元化はできません」という結論に
なることもあるわけですよね?

コメンテイター  これでは何の担保にもなっていませんよ。だいたい、1984年に
「1995年をめどに一元化を完了する」と閣議決定しているんですよ。今から19年も前
の話です。これで基礎年金が一元化され、それまで任意加入だった国民年金は、強制
加入(義務)になったんです(当時、学生は対象外)。ところがこの閣議決定は実行
されていない。今回の「合意」はそれよりもさらにあいまいな内容でしょう。こんな
ことで、一元化への道が開けたとはとても思えませんね。

キャスターA   民主党はこの合意ができたら、賛成するんですか?

民主党議員    いゃ、法案に賛成するんじゃなくて、採決には応じるということ
で・・・。この合意ができれば、政府案は実質的に2007年までの暫定措置ということ
になるわけですから・・・。

キャスターA   でも通す、ということなんでしょ。あれだけ批判していたのに。
自民党は、この合意で一元化に本当に取り組むんですか?

自民党議員   いやぁ、一元化というのは、言うはたやすいんですが実際にやると
なるといろいろ大変なんですよ。厚生年金と共済年金の一本化はなんとかなると思い
ますが、国民年金と一元化するとなると、自営業者の所得把握をどうするかとか、大
変なんですよ。ですからね、何年までにと区切るというのはねぇ、なかなか難しいと
思うんですよ・・・。

コメンテイター  今回の合意は、民主党にとってはきわめて「危険」ですね。菅さ
んの年金未納問題が出ている時にこういう動きをすると、国民からは「取り引きをし
た」と見られます。そういう意図がなくても。しかも先ほどから言われているよう
に、合意内容がきわめてあいまいですからね。民主党がいう「一元化」にむけて、何
一つ担保をとっていません。
それともうひとつ、もっと本質的なことですが、これで法案が成立すると、国民がよ
うやくこれから年金問題を議論しようという時に、野党第一党がその芽をつむことに
なるということです。国民が理解し、納得しない法律を国会で通してはいけないんで
す。とくに年金のような、国民の人生設計にかかわる問題については。ようやく国民
が年金問題について、自分のこととして関心を持ち始めた。これからきちんと議論し
ていかなければならないのに、これで年金は参議院選挙の争点から完全に外れること
になります。
 
キャスターB  ただいまニュースが入りました。福田官房長官が、年金未納問題の
責任をとって辞任するということです。

コメンテイター  これで閣僚の未納問題は完全に「菅さんの去就」にすり替えられ
ましたね。さすが自民党は、政局の手練手管では民主党より、一枚も二枚も上手だと
いうことです。しかし、福田さんの辞任は「瞬間芸」としてはかなり効果があります
が、今後の政権運営はかなりダメージを蒙ることになると思います。内閣をまとめよ
う、という人がほかにいませんからね。もっとも菅さんが辞任しない間は、この瞬間
芸の効果は続くんですが・・・。

キャスターA   しかしこれではもう完全に、年金問題の本質から逸れた話になっ
てしまいますね。福田さんは「国民の政治不信を助長した責任」とか言っているよう
ですが、国民としては情けないですよ。閣僚や議員の未納問題をあげつらって「政治
不信」や「政治家不信」でうさをはらす、という国民もいるでしょう。でも例えば冒
頭にご紹介したように、視聴者アンケートで100パーセントが「いったんやり直すべ
き」という法律って、そうはありませんよ。私には政治不信だけで、そう言っている
とは思えませんね。未納問題だって、たしかに議員の特権とか制度の不公平という問
題はありますが、これを契機に「自分はちゃんとしているか」とわが身を振り返った
人は多いと思いますよ。他人の非をあげつらってうさをはらす、というレベルで関心
が高まっているわけじゃない。国民としての責任は果たそうと、だからこそ政府の責
任を問いたいと。でも悲しいことに、それを受け止めるところがどこにもない、とい
うことなんですよね。

コメンテイター  マニフェストというのは本来、そういう国民と政府、政党と有権
者の責任関係を明確にするためのものなんです。そういう新しい政治文化を定着させ
ていく努力が伴わないと、「無党派対策」というレベルに終わってしまう。自民党は
まさにそうですね。昨年の総選挙で都市部の得票が増えたのも、まさにマニフェスト
効果です。まぁはっきり言ってしまえば、菅さんの理解もこれと同じようなものだっ
たということが、今回はっきりしたということでしょうか。

□ マニフェストの政治文化を定着させる主権者運動を(長屋編)
 
ワイドショーを見終わって
熊     やれやれ、年金問題でようやく少し、問題設定の違いというところに入
り始めるところまできたのに、菅と福田の掛け合いで一気にオチャラケになっちまっ
たな。

八     ある意味でこれは、補選の結果だよ。マニフェストの政治文化ってもの
が、どれほど定着していないか、それを定着させる道のりがどういうものか。それが
少し見えたってことで「敗北の教訓」を語れるか、だな。

熊     「政策は支持しないが内閣は支持する」っていう、小泉支持構造の問題
ということだな。これは政策を知らなくて支持とか、見た目がいいから支持というこ
とじゃない。「責任を問わない」ことを自覚したうえでの支持だ。年金問題で言え
ば、政治家の未納をあげつらって自分の「政治不信」を正当化するってわけだ。そ
れって、国民の義務の放棄じゃねぇか、と問うまでの主権者運動の力がないから、補
選の投票率も最悪、結果がこのザマというわけか。

八     この構造におもねれば、マニフェストは「無党派対策」ということにな
る。総選挙のときにはワァーツと騒いで気分よく投票に行ってもらえばいいが、補選
なんかのときには「政治不信」で寝ていてくれたほうが、自民党にとっては都合がい
いわけだ。公明票の威力はさらに高まる。

熊     未納問題というのはたしかに、ミスとかうっかりという側面があるのは
分かるが、本質的には立法に携わる公職にあるものが一国民としての義務を果たして
いるのか、がストレートに初めて問われたわけだ。その時に言い訳をしたり、誰かの
せいにしたり制度のせいにしたりというのでは、それで失格だ。「一国民としての義
務を果たしていなかった」ということに対する率直で真摯な姿勢があるかどうか。そ
れはひるがえって、われわれ自身の問題でもあるから、「自分はちゃんとしている
か」と問い合わせる人で役所は混雑していたっていうじゃないか。

八    リーダーもフォロワーも「一国民としての義務を果たす」という上にたっ
て初めて、主権者としての関係ができる。それがあってこそ、マニフェストは「国民
との契約」という本来の意味を持ちうる。その土台がないところ、「政治不信」という
無責任な土台にマニフェストを持ち込めばどうなるか、それが小泉支持基盤の問題
だ。

熊    だからそこに、「それは政治家の問題ではなく、一国民の義務の問題だ。
あなたはそれを果たしているのか」と問い、「果たしているなら、一有権者として、
選挙の時のみずからの判断の根拠とその責任をマニフェストに基づいて自覚するべき
だ」というところまで問う、その主権者運動の力をつけなければならないわけだ。そ
の非力を、「民主党がしっかりしないから」とか「菅じゃだめだ」と評論しているよ
うでは、マニフェストの政治文化とはほど遠い、ということにならぁな。

八    そういうことだ。菅さんの去就や福田辞任の瞬間芸を評論しているヒマが
あったら、マニフェストの政治文化を定着させるための主権者運動に力をつける方策
を、ひとつでも考え、実践し、その仲間を創るために、わずかばかりの脳みそを使
い、体を動かすべきだってことよ。

熊    危ない、危ない。あやうく、菅・福田の掛け合いに巻き込まれて、オイラ
もここまでのマニフェスト文化の蓄積をオチャラケにしそうになっちまった。一国民
の義務の自覚―責任意識を政権交代の力にまで開花させる、そのために何をすべき
か。ここに全てを焦点化させていかなけりゃ、主権者運動とは言えねぇや。

マニフェストの政治文化をオチャラケにさせる「掛け合い」にも巻き込まれず
「政治不信」の空騒ぎにも負けず
ひたすら主権者運動に励む
ソウイウヒトニ、ワタシはナリタイ

□◆□ お知らせ □◆□

□ 「がんばろう、日本!」国民協議会 第三回大会
昨年は総選挙のため、全国的な催しは見送りました。02年10月の第二回大会に続く、
三回目の大会です。
5月23日(日)13時より
砂防会館
○基調講演とシンポジウム 13時より18時 2000円
日本再生の戦略と政治意思を
〜リーダーの矜持とフォロワーの決断〜
基調講演 戸田政康 「がんばろう、日本!」国民協議会代表
シンポジウム 原口一博 民主党「次の内閣」大臣(規制改革など)
       古川元久 民主党「次の内閣」厚生労働大臣
       中塚一宏 民主党「次の内閣」経済財政金融担当副大臣
       長島昭久 民主党「次の内閣」安全保障担当副大臣
       中西寛  京都大学教授
       添谷芳秀 慶応大学教授
       飯尾潤  政策研究大学院大学教授
       福嶋浩彦 千葉県我孫子市長
○懇親会  18時30分より  5000円


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石津美知子 ishizu@ganbarou-nippon.ne.jp
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