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政治改革の迷走からの出口を開けよう
国民主権の力で、次期総選挙をマニフェストによる政権選択選挙として準備しよう

 ■お知らせ
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政治改革の迷走からの出口を開けよう
国民主権の力で、次期総選挙をマニフェストによる政権選択選挙として準備しよう 
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    イラク支援法が衆院を通過したら、一気に永田町じゃ、解散風が吹き始め
た。民主党は内閣不信任案をだすことにしたそうだが、その前にやるべきことがある
んじゃござんせんかって気が、おいらはするね。だってそうじゃないか。今度の解散
風の出所は、国民主権たぁ縁もゆかりもねえ、手前勝手なご都合主義からだろう? 
そっちのほうから仕掛けられた政局には、まず土俵が違うってところから正々堂々、
渡り合うべきだと思うがね。

    おいら、ハラの虫がどうにもおさまんねぇ。ようやく「次の選挙はマニ
フェストで」って機運がでてきたんじゃねえか。21世紀臨調のエライ方々は、「これ
は政治改革の出口だ」ってのたまっている。政治改革の10年は、政治不信・政党不信
をとてつもなく広めちまったが、政治不信・政党不信をバネにしては改革なんぞで
きっこない、ということに気がつく国民も生まれてきた。この前の統一地方選で、無
党派かどうかではなく、マニフェストを掲げた候補かどうかで首長を選ぼうという流
れができたのも、そのことだろ?
ここで解散っていうんじゃ、ようやくここまできた国民主権の芽をチャラにしようっ
てぇことじゃねえか。

    マニフェストってえ言葉は一気に流行語になったが、その意味はまだきち
んと理解されていない。その21世紀臨調が国会議員にアンケートしたら、次期総選挙
でマニフェストをつくることには約80パーセントが賛成だ。ところがその内容につい
ては、「政党の理念や政策」が42パーセント、「政治家個人の所信や政策」が39パー
セントで、「政権の方針や実現を約束する政策」という「正解」は12パーセントしか
なかった。肝心の永田町でその程度なんだから、マニフェストで総選挙をやろうと本
気で考えるなら、この秋じゃとても間に合わねぇ。

    おいらのハラの虫がおさまらないのも、そこんとこだよ。ようやく生まれ
かけた国民主権の新しい政治文化の芽を、これから定着させて育てていこうって時
に、解散っていうんじゃ、それをチャラにしちまうことになる。主権者をバカにする
のもいいかげんにしろ、と言いたいよ。

    解散風が一気に吹き始めたのは、小泉、山拓、公明党の思惑が一致したか
らだ。小泉は「抵抗勢力」を抑え込んで再選を確実にしたい。山拓はそれに乗っかる
と同時に、幹事長として自派を増やすように選挙を仕切りたい。公明党はなんとして
も同時選挙はイヤだ。参院の青木は自分が有利になるなら何でもいいと。まあ「超自
己チュー」の野合ができたわけだ。
イラク支援法は、その腹の探り合いの場にされたわけだから、派遣される自衛隊には
気の毒としかいいようがない。前原議員が6月14日のシンポジウムで言っていたよう
に(「日本再生」291号)、例えアメリカの要請であっても、日本として、どういう
大義・任務で行くのかをきちんとしなければ、行かされるほうはたまったもんじゃな
い。まして今回は、どこも戦闘地域で、占領軍の一員として行くことになるんだか
ら。こんないいかげんな出し方をしたら、今後の国家・国益に傷がつく。それを、総
裁選と選挙の日程をめぐる駆け引きの道具にしちまった罪は重いよ。
まあ小泉からすれば、10月末あたりに派遣する計画だから、死傷者がでて責任が問わ
れるようなことが起こる前に、選挙を済ませてしまおうという計算もあるんだろう。

    公明党はマニフェストに熱心に取り組んでいるようだが、与党の枠組みで
選挙をするつもりなら、自民党とのすり合わせが必要だろ? それをやらずに「きれ
いごと」や「できそうなこと」だけを並べるなら、例え数値目標とかのつじつまが
あっていたとしても、とてもまじめにやっているとは思えねぇな。真剣にマニフェス
トで選挙をやろうというのなら、自民党とすり合わせの手順を踏むのは当然だし、そ
れは総裁選が終わってからスタートなんだから、とても秋に解散なんていう話にはな
らないはずだ。
同日選が不利だというのは「お家の事情」としてはそうだろうが、それを天下のご政
道に持ち込むっていうのは、スジ違いってもんじゃねぇか。

    21世紀臨調じゃ、次期総選挙でマニフェストを提示するよう各政党に要請
しているが、それは単なる「つじつまのあった政策リスト」っていう意味じゃない。
政権獲得時に実施する政策を、@実現したかどうかを事後に検証できる具体的な目標
A主要閣僚をはじめとする実行体制B何をいつやるかを示した工程表 とともに示す
べきだっていうんだ。
つまりこういう要件を備えていなければ、マニフェストとはいえないってことだよ。
一応つじつまのあった政策リストっていう程度の「マニフェストもどき」と、マニ
フェストを区別するくらいのことは、例え秋に総選挙があったとしても、こちとらは
しっかり準備させてもらいますよってんだ。

   だからよ、今やらなければならないことは、手前勝手なご都合主義から吹
いてくる解散風に対して、国民主権の正論から堂々とこっちの土俵をつくることなん
じゃねぇのか。次期総選挙をマニフェストによる政権選択選挙にするってぇのは、一
党一派の利害のことじゃない。マニフェストで選ばれた政党が政権を取る→政権党は
政策の実現に努力し、有権者はその達成度を評価する→評価が低かったり、野党のマ
ニフェストのほうが説得力があれば、次の総選挙で政権交代が起こる、てぇのが「マ
ニフェスト・サイクル」だ(曽根泰教・慶応大学教授/朝日6.15)。
このマニフェスト・サイクルと、反自民で政権交代というのではまったく意味が違
う。どんなに改革を叫んでも、政党不信をバネにしているかぎりは絶対に前にはすす
めない。これが政界再編10年の教訓だ。だからマニフェストによって政党を紀律化す
ることが、政治改革の迷走からの出口、ということなんだ。

    この出口から次の新しいステージに進めるか、それとも出口を目の前にし
ながらそれをチャラにしちまうか。ここが勝負どころだってことだ。ここで土俵をつ
くらなけりゃ。仮に秋に総選挙になったとしても(解散権は向こうの手中にあるわけ
だから)、マニフェストとマニフェストもどきくらいは区別できる有権者が準備され
た土俵で迎え撃とうじゃないか。そうすりゃ、手前勝手なご都合主義で国民主権の成
熟をチャラにしようというものに対対する有権者の義憤を呼び起こすこともできる。
その土俵で、小泉政権の業績評価もきっちりできる。

    「純ちゃん」コールで熱狂した有権者にも、「お任せ民主主義」の延長で
は、政党不信をバネにしてしか改革を語れないってことが分かり始めた。それを乗り
越える新しい政治文化ってものも見えてきた。それをチャラにしようっていうなら、
こっちから一矢報いてやろうじゃないか。

    マニフェストという言葉が市民権を得つつある今こそ、「マニフェストで
次期総選挙を」という国民運動を大いに盛り上げ、またそれを徹底して主張していく
ことが必要なんだよ。その土俵で勝負するということで、ドーンと構える。マニフェ
ストに公然と反対する者はいない。だったらその正論で正面から問題設定して押し込
んでいけばいいんだ。国民主権の力で政局を構えるというのは、そういうことじゃな
いか?
 
    同日選を避けるために総裁選を前倒ししちまおうっていう話は、いくらな
んでも手前ミソだと、封じられた。それをやろうとすれば自民党内も紛糾するし、何
より小泉の支持率に影響するっていう計算くらいは働いたんだろう。やはり国民主権
の正論から、世論を起こしていくことだ。

    この景気なんだから、総裁選後に補正予算を組んで、それから総選挙だと
いう声もある(平沼経産相)。ところが秋に解散なら、補正予算もパスってことだ
よ。このご時世にそりゃいくらなんでも経済ってものに無責任すぎる―こういう正論
も吐くべきだ。どういう中身の補正予算か、それを論戦でやっていけば、来年度予算
(三位一体改革の具体化が問われる)をめぐっても争点化の軸が整理されてくる。経
済失政―経済政策は、政権選択の基軸なんだから、そのためにもここはしっかり与野
党とも、経済政策で論戦を構えるべきだ。それをチャラにしようっていうのでは、と
ても経済の肝心な問題に責任をもっているたぁ言えないや。


(有事法制が与野党の修正協議で成立したということは、55年体制の不毛な対立では
なく、与野党が実質的な政策競争を提示して国民が選ぶ、という政党政治のステージ
へのとば口を開けたことを意味する。したがって、今後は与野党が政策競争を通じて
合意形成をめざすべき分野=外交・安全保障・国防と、与野党が政権を争うべき分野
=経済・社会・産業という仕分けができる。そしてそれぞれにおいて、論争軸、争点
化が図られるべきである。今後の号においては、「外交・安全保障」と「経済」につ
いての論点を整理する予定です。)


□◆□ お知らせ □◆□
□日本再生 291号
国民主権の力で、次期総選挙をマニフェストによる政権選択選挙として準備しよう
定例講演会/イラク、北朝鮮 わが国の外交・安全保障のなすべきこと」
      前原誠司・衆院議員 中西寛・京都大学教授 西元徹也・元統幕議長
戸田代表を囲む会/若手議員、大いに語る
      細野豪志・衆院議員 手塚仁雄・衆院議員 /中塚一宏・衆院議員
自治体座談会/自治体議員、首長による座談会

□第50回定例講演会(パネルディスカッション)
「政治文化を変えよう〜マニフェストの使い方」
飯尾潤・政策研究大学院大学 福嶋浩彦・我孫子市長 
福山哲郎・参院議員 世耕弘成・参院議員
7月10日(木)18時30分から
総評会館203室 
参加費 会員1000円/一般 2000円


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石津美知子 ishizu@ganbarou-nippon.ne.jp
民主統一同盟 「がんばろう、日本!」国民協議会
http://www.ganbarou-nippon.ne.jp
TEL:03-5215-1330 FAX:03-5215-1333