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メルマガ♯がんばろう、日本!         No.43(02.9.26)
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▼index
□大山鳴動ならずして、ドバト一羽?
□有権者革命(草莽崛起)の組織戦略を!
 
 ■お知らせ
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□大山鳴動ならずして、ドバト一羽?
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    民主党の新人事、ありゃなんだ。55年体制の政治文化が、そのまんまじゃ
ないか。鳩山があそこまでズレてるとは思わなかったな。これで自民党は、当面安泰
だ。

    政調会長を打診された野田さんは正式に断ったが、鳩山のほうは「みなさ
んの心がなごむまで待つ」なんて、ズレまくりだ。そんな時間が今の日本にあるの
かって! 若手の反発を受けて人事案を白紙にしたそうだが、いっそこの際、「代表
を含めて白紙」にしたほうがいいんじゃないの?

    まぁ、中野を幹事長に起用した時点で、選挙に勝つとか政権交代とか、ま
して日本を救うとか、そういうこととは完全に無縁な「内輪の都合」に終始している
ことが露呈したわけだ。無責任きわまりないよ。おまけに昨日は「ニュー鳩寛」でダ
ジャレ行脚だっていうんだから、まともな国民はみんな「ひいてる」ぜ。

    こうなりゃ、鳩山―中野グループで人事をやればいいんだ。選挙で選ばれ
た代表が、自分の考えで人事を決めるってのは当たり前のことだ。それを派閥均衡と
か順送りとか、おかしなことをやってきたのが自民党政治であり、55年体制の政治文
化だ。若手は、「ニュー鳩寛」が立ち往生してるから、「民主党のために」なんとか
しよう、なんて中途半端に思わないほうがいい。ますます国民には、「なんだ若手も
結局、55年体制の政治文化を断ち切る胆力がないんじゃないか」とますますソッポを
向かれる。菅も、これで鳩山に恩を売ろうとか考えずに、「三多摩で一兵卒としてが
んばる」(決選投票の時のあいさつ)べきだ。それが選挙で決めるってことだろう。

    この際、民主党(ダジャレ派)と、民主党(再生派)と、はっきりさせた
ほうがいいよ。俺らも今度の補選、来年の統一地方選、次の総選挙ではよ、民主党の
候補者には「どっちの側か」をはっきり聞いて、そいつに投票するかどうか考えたほ
うがいいってことだな。それで総選挙で決着をつけるしかないよ。まだ投げ出さず
に、日本をなんとかしようと思っているんならな。

    課題もはっきりしたわけだ。55年体制の政治文化と同居したままでは、政
権交代はできない。その55年体制の政治文化を解体する組織戦の弱さがでたってこと
だ。
サポーターの投票率が5割ってのは、そのことだ。

      これは有権者をまきこんだ権力闘争だ。党内の派閥力学や永田町の合
従連衡で「政権が替わる」のではなく、国民主権で政権交代するってのはそのことだ
からな。
鳩山陣営が同盟系労組を中心に組織票をまとめたのは事実だろうが、それを上回る
「政権交代期待票」を組織できなかったってことを考えるべきだ。若手の側には、自
民党型の組織動員選挙と戦って議席を獲得してきた連中が多いが、政治の流れを変え
る権力闘争に主権者を参加させるワザは、まだまだ鍛えなきゃならないってことだ。

    しかしまぁこうしてみると、民主党には上にも下にも、自民党的延命の危
機感すらもない者バッチリいるってことが、よーく分ったよ。森政権末期の自民党は
「このままではダメだ」という危機バネが効いて、「自民党を解体する」という小泉
を党員自身が選んだが、民主党の場合は決選投票では、国会議員・予定候補のほうが
まだ「選挙のことを考えれば、この際、鳩山よりは菅だ」という計算ができる者はい
くらかいたわけだが、支持基盤のほうは自民党以上に「現状維持」派だったってわけ
だから。

    こういう支持基盤じゃ、身動きできないな。「政権交代に期待する」って
いっても結局、そのために何かをするということのない、評論風をふかしてたっての
が、相当いるんじゃないか。「若手の決起」に対して、「まだ修行が足りない」なん
て説教していた連中もいたもんな。

    この期に及んでまだ、「現状維持」でなんとかなると思っているのは、ど
ういう連中だと思う? 株価が9000円を割り込むってことは、「仕事があっても倒産
する」状況だ。年金もどうなるか分らない。生活設計が立たなくなっているときにま
だ、「不安を感じない」というのは、鉄飯椀の連中だよ。

    そいつは、中国の国営企業の労働者・経営者のことだな。まだ、お上にぶ
らさがっていられる公務員や団体職員の類、それに食い逃げ・逃げ切り世代、ようす
るに「日本型社会主義」の本隊ってことか。土建業界だって、生き残りをかけた利権
分捕り合戦をするか、ここまできたらむしろ談合がないほうがマシだとソロバンをは
じけるんだ。公務員だって現業はリストラがある。だけど中央官庁なんざ左ウチワだ
から、責任意識なんかうまれるわけがない。

     そういうヘラズ口を相手に、いくら「政権交代」とか「日本を救う」と
か言っても、「大山鳴動せず、ドバト一羽」ってことにしかならない。今回、若手は
候補者一本化も含めて、大いに成長したと思うよ。「政官業癒着と戦う」「55年体制
の政治文化を断ち切る」「日本を救うために賭ける」と言い切れる矜持あるリーダー
群像は確かに確実に見えてきた。だけどそれだけじゃ、旧い政治権力を覆す権力闘争
を有権者参加でやりきるリーダーシップには十分じゃないってことが、今回分ったわ
けだ。

    サポーターの投票率50%というのは、冷厳な事実だし、結局そこで負けて
いるわけだからな。既存の民主党の支持基盤が、「民主党に期待している」有権者に
比べてかなりどうしようもないシロモノだと分ったが、それに替わる支持基盤をつく
るのはもう、あっち側の仕事じゃない。有権者革命の組織戦略と、それをもったリー
ダー群像をこっち側につくるしかない。それが再生の道だ。

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□有権者革命(草莽崛起)の組織戦略を!
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ご隠居  これまでの「改革論」は、はよ言えば、「自分は困らんが、困る人がいる
ようだから改革を」という程度のものじゃ。例えば安政の大獄以前の改革論は、徳川
慶喜や松平春嶽、吉田松蔭や橋本左内といった、体制側も体制批判側も一定の層の中
での話じゃったろう。だから安政の大獄で対処できたわけじゃ。しかしその後、改革
のためには命もかけるという者たちが、蛤御門にむかっていった。そこでようやく、
熊・八のレベルでも「改革ってのは、勝ち組や学者先生の話、それと似たような“絶
叫芝居”だけじゃなくて、命をかけるってヤツもいるんだ」ということが分ってくる
ようになる。そこからがようやく、草莽崛起というわけじゃ。今で言えば、有権者革
命じゃな。今は、そのとば口にたったというわけじゃ。

    たしかに経済だってここまでくると、勝ち組とか負け組なんて話じゃなく
て、仕事があっても倒産するって状態だもんな。「どうせ何もできない」「どうせ変
わらない」という奇妙な均衡そのものが、崩れつつある。何もしないよりは、三塁か
ら二塁、一塁へと逆走するようなこと(*)でも、やらないよりはマシかって話に
なってくるくらいだ。
(*大塚耕平・参院議員はメルマガで、日銀による銀行保有株買い取りという「奇
策」をこう評している)

    いよいよ、国民経済を食いつぶして、ツジツマを合わせるってことだよ。
これまであまりオレらにゃ実感のなかった「不良債権」とか「国債値崩れ」とか「天
文学的財政赤字」とかが、生活の場面に現れる―生活設計がたたないって形でな。
「国が破綻しても目先の道路」なんて話じゃ誰も聞かないし、実感なき「不良債権を
めぐる認識論争」(竹中大臣は、この期に及んで「経済政策を大いに議論する」と
言っている)や「不良債権処理? やってるでしょ」(小泉劇場)では、鳩山同様に
国民感情逆なでだ。

ご隠居  有権者は当事者意識をもってきているということじゃ。そうすると有権者
革命のためには、経済や景気対策についても、有権者との会話のしかたを変えなけれ
ばならん。
例えば飯尾先生は、この間の講演会(「日本再生」282号掲載予定)で、こんなこと
を言っておる。

しかし悠長なことは言っていられないと言って、誰かに任せてバァーンとやってもら
おうとか、やることは決まっているんだとか言っても、やることは決まっていないん
ですよ。いざやって痛い目にあったらそれをどうするかという話になるし、景気をど
うするかと言っても財政がこういう事態ではトレードオフが必ず起こるわけです。こ
ちらを立てればあちらが立たずという状況の中では真剣な政策論争をしていかないと
いけないのに、すべてがうまく行くような政策を一つだけ出してほしいと言ってもこ
れは無理な話で、一般の有権者もそこのところはもう少し認識を深めないといけない
ところです。

要するに、自己責任はクリアしているまともな国民の「変えよう」というウォンツを
組織集約できるか、そういう政策論議の会話の仕方かが問われるわけじゃ。
 
    北朝鮮訪問でも、小泉を評価するっていう世論と同じくらい「拉致問題の
ケジメがつかないままの交渉はおかしい」っていう世論がある。「外交や国益は庶民
の感情で左右されるべきでない」という外務省くんだりの分ったふりが、「大きな道
理は分らなくても、小さな無理には屈しない」という庶民の前に、じつはテメエの保
身・延命でしかないと明らかにされているわけだ。外交や国益っていう「庶民が軽々
に論じるべきでない」と言われた領域でも、国民主権で論じきることができるかが問
われている。

    大きな“公益”のためには小さな無理には目をつぶるってのがはびこる
と、東電、日ハム、雪印、長銀、外務省・・・になるわけだ。そういう「公益」がパ
ブリックとはエンもユカリもないシロモノだったことは、ムネオ問題以下、イヤとい
うほど明らかだ。そういう「分ったふり」というのは女房のほうは「純ちゃんと叫ん
だワタシがバカだった」っていうワイドショー奥さん、亭主のほうは東電、日ハム、
外務省と同窓・オトモダチという層だろう?

    ここを相手にして、オペラだ、ファッションショーだ、ホームパーティー
だとやってる生活感・感性は、小泉も鳩山も見事に同じだ。そこが「分ったふり」で
やってきた経済や外交をめぐる会話が、熊・八の「世論」に揺さぶられるようにな
るってことだ。

ご隠居  外交でも、奇妙な均衡は崩れるわな。「ならずもの国家」の時間稼ぎにい
つまで付き合うのか、そろそろケジメをつけなければならんじゃろ。ドイツの選挙も
終わったし。イラク攻撃については、小泉的な「対米追従」には国民からの反発が強
いだろうが、さりとて55年体制的な「平和主義」や反米主義では、まともな国民は耳
をかさない。「日米同盟の再設計」という論理を準備するところからしか、国民の
「変えたい」というウォンツは集約できんわな。

(それで、第二回大会を補選の日に設定して、次の定例講演会は「日米同盟の再設
計」11/24と準備しているんですね。しかも聞くところによれば、10月27日は「草莽
崛起」を唱えた吉田松蔭先生のご命日だとか・・・)

    拉致問題は、そう簡単にすすまないだろうな。なにせ宣言には一言もな
い、単なる「独裁者の口約束」にすぎないんだから。「調査が終わるまで帰ってくる
な」と田中某を残してきてりゃ、ちっとは話が別かもしれないが。
韓国にも、拉致問題は波及している。年末の韓国大統領選の争点になるかもしれな
い。FTA(自由貿易圏)だけじゃなく、全体主義国家に拉致査察を要求する自由と
民主主義のための日韓の国民運動ってことだって、考えていいんじゃないか。   

ご隠居  どちらにしろ、小泉・総無責任連鎖との関係で自己責任を意識するという
段階から、日本を救う―国の方向をめぐる当事者意識へと、国民の責任意識が深まり
つつあるし、内外の激動は、否応なくそれを加速するじゃろう。
そこに有権者革命―国民主権で権力を取り替える―のための会話のしかた、政策の論
じ方、そしてなによりも組織戦略をもって対応しようという組織戦を、すぐにこの補
選にむけて開始しなければならんのじゃよ。

     これまでの日本の政党のあり方(依存と分配)からすると、政党の党員
や支持者になることと国民、とくにパブリック的な要素のある国民との間にはまだ距
離がある。今必要なのは、自己責任はクリアしている国民の「変えたい」というウォ
ンツをキャッチし、そこと会話できるネットワークであり、それを政権交代―国民主
権の権力闘争にまでまとめあげていく力だ。
若手のがんばってる民主党の議員は、個人としてはそういう基盤をある程度つくって
いる。だから今回の代表選でも、権力闘争の発議まではいったんだが、その延長に権
力をとる力にはならないってことだ。ここが次の課題だ。

     有権者も、「おねだり」でない政治家との付き合い方や「ひいきスジ」
としてだけでない付き合い方を学習しなければならないな。そのための政治参加とし
ても、補選、そして来年春の統一地方選挙は重要だ。民主党(再生派)のほうは、地
元にしっかり、考えてる有権者が共感できるような候補をどんどん立てていくべき
だ。労組系現職は、安泰だった自分の議席が脅かされると抵抗するだろうが、そこを
打破していかなければ、「変えよう」というウォンツを確実にキャッチしていくこと
はできないよ。

     55年体制の政治文化、その人間形成と同居したままでは「変えよう」と
いうウォンツは集約できないってことだ。「大山鳴動せず、ドバトが一羽」で唖然と
したところへ、「中野“未寛成”」なんてどうしようもないダジャレがとんで、一気
にイヤ気がさしちまったが、気を取り直してがんばるか。

     オレら、日本を捨ててどこかへ逃げるってわけにもいかないし、やっぱ
ここで日本を建て直すために、ふんばるしかないもんな。ドバトにゃガックリきたけ
れど、考えてみりゃ、拉致された人たちの家族は、あのどうしようもない外務省、自
民党、社会党・社民党、共産党以下、戦後のニセ「リベラル」社会をまるごと相手に
して、それでも道理を訴えつづけてきたんだ。しかも今回の件でまた、在日朝鮮人へ
のいやがらせが起こっているが、それに対しても毅然と批判している。それを思え
ば、おれらも自分たちの「務め」をはたさなけりゃなぁ。

□ ◆□ お知らせ □◆□

□第17回 東京・戸田代表を囲む会
ゲストスピーカー・戸田邦司氏(前参院議員・新潟鉄工管財人)
「企業再生―問題点と課題」
10月7日(月)午後6時30分より
「がんばろう、日本!」国民協議会 事務所(市ヶ谷)
参加費 2500円(飲食付き)

□『日本再生』281号・発売中(300円)
活動報告/全国幹事会、「囲む会」(齋藤健氏)、平成の草莽崛起
議員インタビュー/武正公一、松崎公昭(衆院議員)
地球環境/青山俊介・エックス都市研究所代表
沖縄/岸本建男・名護市長ほか
住基ネット/櫻井よしこ・フリージャーナリスト

□「がんばろう、日本!」国民協議会 第二回全国大会
政権交代のための国民主権の波を!
2002年10月27日(日)   砂防会館
記念シンポジウム  午後1時より6時(開場 12時30分)
 基調提起  戸田代表「保守したければ改革せよ―改革保守としての矜持を」
 記念講演  李鍾元 立教大学教授「日韓関係の新ステージと東アジアの未来」
パネルディスカッション 「われわれの政権交代戦略」
     松沢成文、達増拓也、原口一博、武正公一、大塚耕平
     古川元久 中塚一宏(各衆参若手議員)ほか
懇親会   午後6時30分より

□ 第43回定例講演会(パネルディスカッション)
「日米同盟の再設計―安全保障から考える」
11月24日(日)午後1時より
全逓会館(水道橋西口)
長島昭久氏(前米国外交評議会)/村田晃嗣氏(同志社大学助教授)/R.エルド
リッヂ氏(大阪大学助教授)
参加費・会員/1000円 一般/2000円

******参院・千葉補選に統一候補、若井康彦氏!*****
収賄にからむ井上・元参院議長の辞職に伴い、10月27日に行われる参院千葉補選に、
若井康彦氏が、野党・市民・労組が参加する「円卓会議」で擁立された。
若井氏は地域プランナーとして全国各地で活躍。昨年の千葉県知事選挙では惜敗した
が、今回は、千葉を変え・日本を変えるために出馬。昨年9月の第一回大会記念シン
ポジウムにもパネラーとして参加した。
政官業の癒着を千葉で覆せるかどうかは、政権交代の分水嶺ともいえます。
千葉に住んでいる方はぜひご支援を!
千葉にお知りあいがいれば、ぜひ一言、若井さんを紹介してください!
【合言葉】 みんな 本気なら 変えられる

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石津美知子 ishizu@ganbarou-nippon.ne.jp
民主統一同盟 「がんばろう、日本!」国民協議会
http://www.ganbarou-nippon.ne.jp
TEL:03-5215-1330 FAX:03-5215-1333