電子瓦版(転送はご自由にどうぞ)

━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━ 
メルマガ♯がんばろう、日本!         No.41(02.9.16)
━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━
▼index
□政権交代のリーダー選び、次期総選挙は与野党激突型をめざせ
□小泉政権、「四つのキ」のバランスが崩れるとき
 
 ■お知らせ
==================================
□ 政権交代のリーダー選び、次期総選挙は与野党激突型をめざせ
==================================

    いよいよ民主党の代表選が始まった。9日の新宿での合同演説会は、なか
なか迫力があったと思わねぇか。内閣改造のほうも代表選の結果待ちと、「次期首相
候補」を選ぶにふさわしい雰囲気に、ちっとは近づいてきたみたいだ。

    ああ。若手が野田さんに一本化して、「台風の目」になった。鳩・菅も必
死にならざるをえなくなって、相乗効果的に迫力がでてきたんじゃないか。サッ
チャーが言ったそうだ。改革ができたのは、いつでも政権をとる準備ができている強
い野党がいたからだって。

    国民の関心もけっこうあるよ。告示日のNHKの番組視聴率は5.9で、小
泉が総裁になった自民党総裁選の時(3.0)よりも高かったそうだ。自民党の総裁選
は「首相を選ぶ」っていうんで国民の関心も高いが、ようやく野党第一党の党首も政
権交代のリーダー選びとして関心が出てくるようになった。もっとも政党政治のスジ
から言えば、総選挙で選ばれた総理大臣を与党の都合で変えちまうってのは、根本的
におかしいんだけどな。

    政権交代のリーダー選びってことになると、一番「場違い」なのは、やっ
ぱり横路だな。演説のどこをついても「政権をとる」意欲や迫力ってものが感じられ
ない。野田はもちろんだが、鳩山も菅も「政権交代に賭ける」っていう意欲は伝わる
し、何をどう変えるってことを、民主党の綱領とか政策スタンスとの関係で説明でき
ていたが、横路にはほぼそれはなかったよ。

    ああいうのを、55年体制の「反自民」の政治文化がそのまんま、と言うん
だろうな。要するに、自民党との違いというのは、分配の仕方・配分の違いというこ
と以外は何も言っていない。政権交代ってのは、分配の仕方を変えるなーんてこと
じゃねぇからな。それに憲法・安全保障で自論を言うのは結構だが、98年の結党以
来、民主党が「周辺事態法」や「テロ特措法」「憲法」などで積み重ねてきた党内論
議の蓄積ってものが、まるで反映されていない。アンタ何党なの?って言いたくなる
ね。

    そういやぁ、彼が北海道知事の時にやらかした「食の祭典」とやらの大赤
字の始末はどうなったんだ? ここ数年の「景気対策」とやらでこしらえた自治体の
赤字はあちこちにあるが、あの「食の祭典」はバブルそのもので、利権もからんだト
ンデモものだぜ。自分の責任が問われることは忘れちまったのかな? 

    市ヶ谷の会合でも言われてたよな。どうもあっちの系統(戦後の社民や
「リベラル」系)には、「責任の回避」って体質がべっとりつきまとってるって(「日
本再生」281号 幹事会報告/戦後日本には、本来の意味での政治理念としてのリベ
ラルではなく、カッコつき「リベラル」しかなかった)。「責任」とか「覚悟」とか
「矜持」とかって言うのは、そっちから見ると、よくても精神論にしか聞えないらし
い。仙台の演説会でも、菅なんかは相当、野田を意識して「精神論ではなくて具体
論」とかやったらしい。

    だけど野田が言ったのは、「政権をとったらこうする」という話だけでは
リーダーの責任を問えない、それをリアリティーあらしめるためには、「これまでの
総括」と「その上にたった党改革(党内維新)をはっきり打ち出し、それに責任をと
るということだろう? 言い換えれば、リーダーを選ぶ基準とその職責を検証する基
準を有権者に示したわけだ。普通、そういうのを「公約」って言うんだろうが。

    「役人を使いこなす能力」っていうことだって、菅さんのように「具体
論」でつめていける能力は、若手のなかには十分蓄積されている。これまでだって彼
らが政策をつくり、委員会質問で渡り合い、対案については答弁の先頭にも立ってき
た。菅さんも言うとおり、大臣・副大臣・政務官など、百人の議員による内閣を構成
する人材は十分ある。だからこそ、リーダーとしての覚悟や責任のとり方ってものが
問われるわけだ。

    橋本総理がやはりそうだったな。政策の実務に関わるのは課長クラスだ
が、そのレベルの議論にはやたらこだわって具体論でつめるんだが、肝心の「六大改
革」の戦略や優先順位づけなどがまったくできす、結局「できるところから」(先送
り)ということになった。あのときの「改革派」官僚が、少なからず民主党に合流し
ている。 

    鳩山はどうも、言葉が軽い。言わなくてもいいこと、言うべきでないこと
を、ポロッともらす。悪気がないのは分るが、リーダーとしてはいかにも軽い。これ
で鳩山が再選されるということになると、国民の側からは、これだけ政権交代への期
待が高まっている時に「何も変わらなかった」ということになる。これまで集まって
いた「期待票」が拡散するし、政権交代への勢いが失速するのは間違いない。

    鳩・菅ともに、何か失点があったわけじゃない。議席だって増やしてきた
し。だけどその延長に、政権交代の突破力は生まれないというのも事実だ。世代交代
とよく言われるが、これは年齢のことじゃない。これまでのやり方でいい、というん
じゃダメで、旧い政治文化と決別するという意味だ。そこを鮮明にすることで、突破
力を生み出す。そのためには、野田で正面突破に賭けるべきだ。

    現に若手が一本化したことによって、鳩・菅には明らかに戦闘性がでてき
た。若手に対する対抗心じゃなくて、政権をとりに行く意欲だ。その点はやはり、そ
こらの団塊オヤジとは違う、なかなかのもんだと思うよ。それを生かすためにも、若
手の突破力をワキでサポートする重要なポジションで仕事をするべきじゃないか。

    変えなければならない、と言われ続けて、結局いつも「できるところか
ら」ということで先送りされ、もう後がないところにまで来ている。このままでは
「失われた10年」どころか「残された10年」すら失うことになる。これまでのやり方
を変える、ということを鮮明にしなければ、後がない。それはやはり、「これまでの
やり方」の中で自分をつくってきた世代には、難しいことなんだ。だけど、次の突破
力が見えてくれば、経験を生かすことはいくらでもできる。ベンチャー企業なんかの
人材配置も、そうなってる。

    政権交代のリーダー選びは、同時にそのためのベストポジショニングを決
めるってことでもあるわけだ。「変える!」という突破力の陣形を鮮明に示す。その
力で、次の選挙は自民党との激突型にもっていかなけりゃならねぇってわけだ。小泉
のほうも、抵抗勢力の大物を内閣に入れざるをえない―総力戦に追い込むってことだ
な。
 
    森政権末期は政権交代のチャンスだったが、自民党の危機感が民主党を上
回り、「疑似」政権交代を演出した。だけど今度は、そういうヨコミチにそれている
余裕はない。なんたって経済が「有事」だからな。だから自民党にも、パフォーマン
スや目くらましの余地を与えず、小泉がよく相談しているという実力者(青木、古賀
など)もオモテに出ざるをえないように、彼らも入閣させる総力戦の布陣に追い込む
ことだ。それで総選挙で与野党が激突する。与党が死に体になって、その後始末で政
権が変わったんじゃ、政治の活力・突破力にはならねぇからな。

    そのためには、俺たち有権者も、「疑似」に惑わされたりヨコミチに紛れ
込んだりしないように、ちっとは賢くならなけりゃならねぇな。

==================================
□ 小泉政権、「四つのキ」のバランスが崩れるとき
==================================

    ところでその小泉政権だが、今度の訪朝じゃ、これまで国内で展開されて
きた虚ろなパフォーマンスを、北朝鮮相手にやろうっていうんだろ。こいつはヤバイ
んじゃないか。おおかた外務省の局長あたりが、テメエの野心でこしらえた土俵に、
目先の支持率アップと民主党代表選へのめくらましの思惑で乗っかったんだろう。

    兵藤先生が繰り返し言っていた、国益そっちのけの、対ロ領土交渉の「一
人相撲」と同じ構図じゃねぇか。だがよ、今度の相手は北朝鮮だ。ウチは拉致、ミサ
イル、不審船と危なっかしい問題が山積みだが、アジアと世界の安全保障にとって
も、ミサイルや核開発などやっかいな問題がある。「ならず者国家」という言い方が
適切かどうかはあるが、イラクと同様に北朝鮮が、国際的な軍備管理の枠組みに逆
らって大量破壊兵器を開発、拡散していることは確かだ。これは、ウチと北朝鮮との
二国間だけでどうこうできる問題じゃない。そこへ、目先の思惑と延命のために手を
つっこもうなんざ、亡国のヤカラだぜ。

    拉致問題で、北朝鮮は小泉に「手土産」を持たせるかもしれない。だがそ
れと引き換えに、国交正常化交渉の再開に踏み切っても、ミサイルや核開発問題で北
朝鮮の変化がホンモノにならなければ、交渉は袋小路に入るだろう。逆に言えば、ミ
サイルや核開発という国際的な安全保障に関わる北朝鮮の確かな変化が見られないな
ら、正常化交渉を進めるべきじゃないし、そういう変化を伴わないなら、拉致問題で
の「手土産」は、単なる手練手管(日本から援助を引き出す、あるいは対米交渉の時
間稼ぎ等)ということになる。

    そのあたりを相当しっかりしないと、「一人相撲」どころか、日米韓関係
にもマイナスになりかねない。外務省・小泉の延命の利害が合致したところで、イラ
ク問題以前に、日本がとんだ落とし穴にはまるってことになりかねないぜ。

    去年の「がんばろう」の大会(9月23日)じゃ、小泉政権の「四つのキ」
のバランスが崩れるときが問題だと言われた(基調)。「四つのキ」たぁ、景気、人
気、元気、危機(管理)だ。一年たって、株式市場じゃ150兆円が吹っ飛び、支持率
は半減、経済の危機にも対応できなけりゃ、「有事法制」もオソマツ。おまけに延命
の突破口が北朝鮮ときた。平均株価が9000円を割り込んで、この先9月決算でどうな
るかって時にだよ!

    この間なんか、となりのお染が怒り狂ってたぜ。株価対策とやらで、年金
基金で投信を買い込んで値を支えているだろ。いったい誰のカネなんだって。あた
しゃバカな官僚どもに、自分の年金資金を下がることが分ってる市場で運用してくれ
なんて頼んだ覚えはない、こんなんだったらすぐに解約するからカネ返せってよ。ホ
ントに、政府を相手に損害賠償請求したくなるよな。

(国民金は税金のようなものですから、「解約」することはできません。しかし
まぁ、お染さんの気持ちはよーく分るじゃござんせんか。あっしだって言いてぇよ
「オイラのカネ返せー」!)

ご隠居  だから、この「四つのキ」のバランスが崩れるときってのは、小泉が「疑
似」の枠に収まらなくなるとき。つまりは日本再生の最後のチャンス・条件を、本格
的に潰すところに踏み込むときということなんじゃ。ここまでくるともう、小泉の改
革は、言ってることはいいが実行していない=ウソつきだ、という話では収まらん
じゃろ。

    野田さんが言っている、このまま自民党政権が続けば、「失われた10年」
どころか未来さえ失うことになる、というのはそのことでやんすね。

    聞くところによると、日本は資源や人材では世界第二位なのに、政治、金
融、規制緩和の遅れが足をひっぱって、総合力では30位になっているそうだ。言い換
えれば、政治を変えればまだ底力はあるってことだ。だけどいつまでも目先の対症療
法をやってるうちに、基礎体力すら奪われていくところに入ってるってことだろう?
 

ご隠居  国民主権の力で政治を変えるというのは、総力戦のことじゃ。長野でもそ
うじゃろう。田中の前に、旧勢力が総結集したうえでの決着じゃ。長谷川のうしろに
隠れて裏で応援、などという余裕さえ奪ったわけだ。族議員も抵抗勢力も、どんどん
オモテに出させるべきなんじゃ。そうして国民自身が、こういう理由でこちらを選ん
だということをはっきり自覚できるようにする。そのためには、与野党激突型の総選
挙に持っていくべきなのじゃ。そこから日本再生の活力は生まれる。

    そのためにも、今度の補選、そして来春の統一地方選挙は重要だ。補選で
は、与党も人材不足や思惑(田中、加藤の再出馬)から、公募候補が出てくるが、小
泉政権の「中間評価」にふさわしい総力戦の構造を造らなけりゃならない。

    そして自治体選挙では、情報公開と業績評価がポイントだ。長野でもそう
だったが、決定過程を徹底的にオープンにすれば、族議員や既得権がコソコソやって
いたことができなくなる。公共事業だって談合が効かなくなるだけでずいぶん変わ
る。まともな建設業者なら、そっちのほうがいいんだ。そして自分たちが選んだ首長
や議員を、きちんと業績評価する。

    業績評価するためには、公約ってものをはっきりさせなけりゃならねぇ。
漠然とした話じゃなくて、4年の間に何をどこまでやる・変えるという話だ。それが
なくて、抽象的な「ビジョン」や心情だけで選ぶってのは、小泉幻想で卒業だ。

ご隠居  「残された10年」は最後のチャンスじゃ。人口の減少、経常黒字のマイナ
ス転換などは目前に迫っておる。この秋から来春にかけて、回天への突破口を全力で
開かねばならんのう。

    野田さんが言うような、「5年10年かけて力をつけていくという悠長なこ
とは言っていられない」という、時空観、責任意識を、俺らフォロワーとしても共有
しなけりゃならんってことですね。

□ ◆□ お知らせ □◆□

□第16回 東京・戸田代表を囲む会
ゲストスピーカー・唐亮氏(横浜市立大学助教授)
「歴史的転換に直面する中国の政治社会」
9月21日(土)午後5時より
「がんばろう、日本!」国民協議会 事務所(市ヶ谷)
参加費 4000円(飲食付き)

□第17回 東京・戸田代表を囲む会
ゲストスピーカー・戸田邦司氏(前参院議員・新潟鉄工管財人)
「企業再生―問題点と課題」
10月7日(月)午後6時30分より
「がんばろう、日本!」国民協議会 事務所(市ヶ谷)
参加費 2500円(飲食付き)

□『日本再生』281号・発売中(300円)
活動報告/全国幹事会、「囲む会」(齋藤健氏)、平成の草莽崛起
議員インタビュー/武正公一、松崎公昭(衆院議員)
地球環境/青山俊介・エックス都市研究所代表
沖縄/岸本建男・名護市長ほか
住基ネット/櫻井よしこ・フリージャーナリスト

□「がんばろう、日本!」国民協議会 第二回全国大会
政権交代のための国民主権の波を!
2002年10月27日(日)   砂防会館
記念シンポジウム  午後1時より6時(開場 12時30分)
 基調提起  戸田代表「保守したければ改革せよ―改革保守としての矜持を」
 記念講演  李鍾元 立教大学教授「日韓関係の新ステージと東アジアの未来」
パネルディスカッション 「われわれの政権交代戦略」
     松沢成文、達増拓也、原口一博、武正公一、大塚耕平
     古川元久 中塚一宏(各衆参若手議員)ほか
懇親会   午後6時30分より

======================
石津美知子 ishizu@ganbarou-nippon.ne.jp
民主統一同盟 「がんばろう、日本!」国民協議会
http://www.ganbarou-nippon.ne.jp
TEL:03-5215-1330 FAX:03-5215-1333