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メルマガ♯がんばろう、日本!         ・29(02.3.11)
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▼index 
 ■311、あの日から政治は変わったといつか言えるか
  □ウソつきの大人はいけない! 
   「なにが悪いかわからない」平成官僚とムネオの不始末
  □ 311は「日本が変わり始めた日」となるか?
  □ 新しい芽が出て旧い葉が落ちる
    戦後保守の“終わりの終わり”と改革保守の芽吹き
 ■お知らせ
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  ■311、あの日から政治は変わったといつか言えるか
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□ ウソつきの大人はいけない! 「なにが悪いかわからない」平成官僚とムネ
オの不始末

熊   今日の証人喚問、どう見たね? 与党じゃ、「新しい事実は出なかっ
    たが、疑惑がはれたわけではない」なんてワケの分らないことを言っ
    ているようだが、野党の連携はかなりうまくいっていたと思うし、時
    間の制約のなかで的をしぼってやっていたと思うが。
八   なにしろ「疑惑のデパート、総合商社」って言うくらい、次から次か
    らアヤシイ話がでてくるわけだから、今回は参考人招致で追及した点、
    外務省報告に出ていた点に絞って、矛盾を絞り込むということでは、
    むしろ限りなくクロに持っていったと言えるんじゃないか。偽証罪に
    持ち込むほうへ、確実に駒を進めたと思うぜ。
熊   北方領土問題に「熱心に関わるのは鈴木議員しかいなかった」という
    が、その関心がどういうシロモノだったのか。国益どころか、「島を
    売り飛ばす」「領土問題を食い物にする」姿が、より鮮明になった。
(上田清司議員が明らかにした外務省の文書には、ムネオ氏が「島が返還されて
も何の利益にもならない。領土返還要求を打ち切って四島との経済交流を進める
べきだ」と語っていることが記されている)
八   議員辞職をしようがどうしようが、ムネオが関わりだしてからの日ロ
    外交交渉(クラスノヤルスク合意から)の実際をきちんと検証し、支
    援委員会の実態解明・情報公開をやらなきゃすまねぇよ。一方でオモ
    テ向き「四島返還」を言いながら、ウラで実質「二島返還」で話をす
    すめてたってことなら、大問題だ。
熊   ことと次第によっちゃ、国賊・売国奴だぜ。原口議員が言うように 
   (3/10「がんばろう、日本!」国民協議会のシンポジウム)、ロシア側
    に誤ったメッセージを送りつづけた対ロシア外交は、これでいったん
   「冷却期間」を置かざるをえなくなったのは確かで、それだけでも国に
    とって大変な損失だ。
八   例のコンゴ人私設秘書の問題にしても、ケニアへのODA疑惑にして
    もそうだが、相手国の特定勢力と結びついて「外交」活動と称して甘
    い汁を吸っていることが、ますます暴露された。「公私のケジメ」と
    かよく言うが、あの人にはそういう概念は一切ないね。「なにを言わ
    れているのかわからない」って顔してるもん。自分の「気持ち(善
    意?)」を言い立てればいいと思っている。
熊   中学生がファックスやメールで、「ウソをつくのはいけない、政治家
    以前に大人としてきちんとしてほしい」って言ってるのが、本質をつ
    いてるよ。
八   パブリックのこと、国のことは「心情倫理」ではなく「責任倫理」で
    語らなければならない。自分の稼ぎで食ってる大人は、最低でも、無
    理を通して道理を引っ込めちゃならねぇってのが、小泉政権九ヶ月の
   「学習効果」だ。ムネオ問題で、そのことが一気に焦点化された。外務
    省がこれだけ不信の目で見られるのも、ちっぽけな自己保身のために
    小さな無理に屈して、大きな道理を踏みにじっているからだし、さら
    に悪いことに、そのことがわからない。
熊   平成官僚の無能化とは、「悪いことと知りながら…」ではなく、「何
    が悪いことか分らない」ということだとは、堺屋太一の言だ(「文藝
    春秋」3月号)。「何が悪いことか」くらいは分る国民が、責任と権力の
    ありようを問い始めたってのが、これまでとは決定的に違う。ムネオ
    を離党させてトカゲのシッポ切りで終わり、というわけには今度ばか
    りはいかないぜ。
八   ムネオにとっては離党は、選挙区事情から議員辞職にも等しいそうだ
    から、そうすんなり辞めるとは思えねぇ。野党は議員辞職勧告決議を
    出すようだが、自民党、小泉さんがどう出るか。「何が悪いことか分
    らない」ようでは、改革なんざできっこねぇや。

□ 311は「日本が変わり始めた日」となるか?

ご隠居 今日の喚問で、偽証罪に持ち込む材料が出たと言えんこともないが、
    収賄や談合などで立件できる段階ではない。検察もまだ動いておらん
    じゃろう。これまでは、証人喚問といえば、「もう逮捕は秒読み」と
    か検察が動いているという段階でようやく、自民党が証人喚問に応じ
    た。今回はまだそこまでいっていない段階で、自民党は延命のために
    も、証人喚問に応じざるをえなかった。この意味は大きい。それだけ、
    世間の目が厳しいということじゃ。単なる「金権政治批判」じゃのう
    て、「政治改革なくして構造改革なし」ということが、国民的な主張
    になっておる。じゃから、トカゲのシッポ切りではすまないし、済ま
    せるわけにはいかんのじゃ。
熊   たしかに、日本丸が沈没するかもしれないって時に、倉庫から食糧を
    盗み出したり船底に穴をあけたり、あまつさえ操舵室の指揮系統の配
    線(政治決定のライン)をかじっちまうような“頭の黒いネズミ”を
    つまみださずに、改革なんざできやしねぇってな。
ご隠居 細川政権の頃から、「政官業の癒着」が言われていたが、そういう表
    面的な事象への批判からさらに深まって、「政治改革なくして構造改
    革なし」という「権力のありかた」の問題に、国民の焦点が合いつつ
    ある。それをきちんと提起できる活動家がいれば、それが自然体でス
    トンと落ちる。有権者は確実に、学習効果を蓄積しておる。
八  「政官業の癒着」ってことについても、政権交代がその解決策だって話
    が、スッキリ入る。「とは言っても受け皿がない」というのは、有権
    者の覚醒を寸断したいというところから以外、出てこねぇもんな。
ご隠居 去年の911が「世界を変えた」と言われるが(その含意にはいろいろ
    問題もあるが)、今日の311が後から考えれば、日本がなんとか立ち
    直っていればじゃが、「あれが日本が変わり始めた日」だったといえ
    るように、できるかどうかじゃな。
熊   未だに、「政策で役所に口を出すのは議員の仕事」「議院内閣制だか
    ら、役人が政治家の言うことをきくのは当たり前」「個別業者への口 
    利きはマズイが、地元の自治体、議会の要請を役所に伝えるのは当た
    り前(政治家の仕事)」と、疑っていない議員が多すぎる。政治家が、

    個別の利害を代弁するのは構わない。だけど政治家の職責は、個別の
    利害を国政の場で議論することだ。政策は役所と交渉して決めるもの
    ではなく、議会での討論を通じてのみ、決めるものだ。議論するため
    には、個別の利害を「公益」「国益」「パブリック」からきちんと説
    明できなければならない。「気持ちを分かってくれ」というレベルじ
    ゃ、腹芸や分配で利害を調整することになる。そんなところに「公益」
    なんかうまれない。
八   個別の利害を「公益」「国益」「パブリック」で説明する議論を通じ
    てはじめて、「国益」「公益」が規定される。絶対的中立なだれかが
    決めるんじゃない。俺たちが選挙で選んだ政治家を通じて、その討論
    で決めるんだ。その政治家の職責をはたしているかどうかを、きちん
    とみなけりゃならねぇな。
ご隠居 国益を語れないところでは、保身のために小さな無理に目をつぶって
    大きな道理を蹴散らし、官金私消に明け暮れる官僚どもと利権政治家
    が跋扈する。まさにムネオやアサカワやマツオのつくられかたじゃ。
    国益を語るには、熊や八の言うように、議論せねばならん。議論する
    には「心情」をぶつけるだけではだめで、論理的に話ができなければ
    ならん。
    そこから見ると、今日の喚問でも「心情まくし立て」のムネオに対し
    て、野党のほうは筋道たてておったじゃろ。心情倫理では「おとなし
    すぎる」「迫力不足」に思うかもしれんが、論理のたたみかけとして
    は、なかなかよくやっておった。疑惑追及も、スキャンダラスな「暴
    露合戦」や心情のぶつけ合いでなくなるからこそ、国益や政治家の責
    務ということに焦点が当たるようになっているともいえる。
    明らかにステージは変わりつつある。ここでも、新しい芽が出てきた
    からこそ、旧い葉が落ちたということじゃ。

□ 新しい芽が出て旧い葉が落ちる―戦後保守の“終わりの終わり”と改革保守
の芽吹き

熊   ところで、ムネオの件と軌を一にして加藤さんの事件がでてくるって
    のは、「政治的謀略」なんですかね。
八  「秘書個人がやったこと」と言っていたけれど、私邸の無償建設要求や
    加藤事務所の秘書給与支払いなど、どうも言い逃れできない感じです
    よね。ムネオは元々「一番ダーティー」と見られていたから、疑惑の
    デパートになったって「ああやっぱり」「でもそこまでやってたとは
    ね」ということで済むんだが、加藤さんといえば「良識派」「政策通」
   「クリーン」のイメージだから、「えっ、なんで」と普通は思うよな。
熊   でもだからって「政治にはカネがかかる。加藤さんのような人でもあ
    んなことしなけりゃならないんだから」って言われると、なんかすり
    替えられた気がするよ。金丸疑惑の時にもそんな話があって、大騒ぎ
    して選挙制度を変えて政党助成をしたんだろ? 
ご隠居 新しい芽がでてきたから、旧い葉が落ちたのじゃ、「クリーン」なの
    も「ダーティー」なのも、同時に同じ構図(口利き政治)で、という
    ところがミソじゃな。
    さっきから言っておるじゃろ、パブリックを議論しなければ個別利
    害・私欲が跋扈するんじゃ。竹下さんという「調整役」を失ってから
    は、完全に自民党はその構図にはいった。同時に、右肩上がりの余韻
    が「幻想」としても完全に崩れる。右肩上がりなら、個別利害の調整
    はカネとポストの調整でよかった。政治は必要ないわな。ところがゼ
    ロ成長や右肩下がりでは、個別利害の調整は「パブリック」で合意形
    成するか、裏交渉かになる。パブリックで調整するためには、論理的
    に説明し議論せねばならん。これが政治の役割、政治家の職責じゃな。
    しかし、心情レベルでは「ウラ交渉」「口利き」がはびこる。かつて
    は「オレを応援すれば仕事を回してやる」だったのが「オレを応援し
    ないと仕事は回さない」となり、縮小するパイをめぐって「ウラ交渉」
    「口利き」が横行する。加藤さんもムネオも構図は同じじゃ。
八   個人としての見識には格差があるかもしれないが、加藤さんもムネオ
    もおんなじ土俵の上で「政治」をやってたってことなんですね。そう
    いう「政治」がもう政治じゃない、政治家の職責を果たしていないっ
    ていうことなんですね。
ご隠居 まあ、個人の良識としてはパブリックを分っているつもりでも、国民
    主権、つまり有権者との議論を通じて、リーダーとフォロワーの責任
    を問いあいながらパブリックを深めるという型をもっておらなんだら、
    そういうことになる。そういう時代になったということじゃ。つまり
    そういう国民主権の政治の型をもったものが、確実に芽を出してきた
    から、しかも個々ではのうて改革のチーム力になりつつあるからこそ、
    旧い葉が同時に落ちるということじゃのう。
熊   そういう意味じゃ、田中角栄以来の経世会と、保守本流を自認する宏
    池会が同時に瓦解にはいるというのも、意味深長じゃないですかい?
ご隠居 つまり「戦後保守」の“終わりの終わり”じゃな。以前にも言うたじ
    ゃろ? 
    第二次小渕連立内閣、つまり公明との連立を組んだところから、戦後
    保守のなかにあった最後の責任層が離れていき、公明支持層との基盤
    の入れ替え戦になったんだと。「戦後保守」の“終わりの始まり”じ
    ゃ。バラマキ・何でもアリに対して、城を支える石垣が、生活の責任
    感から耐えられなくなって逃げ出したと。森政権でそれはピークに達
    し、小泉政権になってもそこは戻っていない。
    つまり、戦後保守の旧い責任意識は、自民党の支持基盤のなかからほ
    ぼなくなった。残ったのは、自分の食い扶持すら税金にぶら下がると
    いうものと、それへの「口利き」でカネとポストを手にいれようとい
    う「私欲」の跋扈、これが常態化する。そのいきついた姿がムネオで
    あり加藤さんだ。「戦後保守」の“終わりの終わり”というわけじゃ。
八   小泉政権はそのかわりに、ワイドショーの元気印のご婦人がたを、支
    持基盤に大量に入れたってわけだ。でも彼女らは動員やしがらみや利
    権で動いちゃいないから、これまでの支持基盤のように(カネやポス
    ト、利権で)コントロールはできない。とすれば、あとはパブリック
    で会話しなけりゃならないわけだが、それができなければ、その反動
    はマキコ騒動とならあな。
熊   たしかにマキコさんには「校長や教頭、大人はおかしい」という生徒
    会の主権者意識はあったが、パブリックとは言えなかった。でもそれ
    を「利権政治」の大人が説教しちゃあ、どうしようもないもんな。
八   だから国民主権の活動家がちゃんといれば、すくなくない部分が、「マ
    キコvsムネオ」を超えて「政治改革なくして構造改革なし」「政権交
    代なくして改革なし」に「そうよ、そうよ」となるわけだ。
ご隠居 つまり、利権やしがらみで政治に関心をもち、行動する有権者に対し
    て、パブリックで会話できる政治活動の型がうまれ、それが新しい責
    任意識として芽吹きつつあるからこそ、旧い葉が「良識」も「非常識」
    も一緒に落ちるというわけじゃ。
   「戦後保守」の“終わりの終わり”。新しい芽は改革保守というわけじ 
    ゃ。保守というのは、まずは歴史の知恵から学ぶ責任意識のことじゃ
    からな。
熊   この芽をどこまで伸ばしていけるか、それが政権交代を現実のものと
    する唯一の道ってわけですね。

□◆□ お知らせ □◆□

□第38回 定例講演会
「今国会の焦点と課題」(パネルディスカッション)
4月11日(木)午後6時30分より9時
総評会館 201室
参加費 会員1000円/一般2000円
パネラー 枝野幸男(衆院議員・予算委筆頭理事)前原誠司(衆院議員・民主党
幹事長代理)中塚一宏(衆院議員・自由党政調副会長)原口一宏(衆院議員・予
算委理事)

□第12回 東京・戸田代表を囲む会
3月16日(土)午後5時より 
民主統一同盟東京事務所
会費 4000円(飲食付き)
ゲストスピーカー 勝悦子氏(明治大学助教授)
テーマ 日本再生とアジアダイナミズム〜「円圈」の可能性と課題
*事前のお申し込みが必要です。15日までに03-5215-1330まで

□関西政経セミナー
「さらば、戦後トラウマ/日本再生のための覚悟とビジョンを語れ」
3月17日(日)午後1時20分より5時(予定)
三井アーバンベイタワーホテル(JR弁天町駅前)
・基調講演 戸田政康
「さらば、戦後トラウマ/日本再生のための覚悟とビジョンを語れ」
・講演 村田晃嗣(同志社大学助教授)
「さらば、戦後トラウマ/憲法改革と日米同盟の再設計」
・ 講演 樽床伸二 衆院議員
「中国のWTO加盟と日本再生への(経済)戦略」
*セミナー終了後、懇親会

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石津美知子 Email:ishizu@ganbarou-nippon.ne.jp
民主統一同盟 「がんばろう、日本!」国民協議会
http://www.ganbarou-nippon.ne.jp
TEL:03-5215-1330 FAX:03-5215-1333
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