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 メルマガ♯がんばろう、日本!         ・11(01.06.07)
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▼index

 ■官僚叩きのために、国益を弄ぶな
  □接待外交の次は、オバサン外交?
  □ミサイル防衛をめぐる国民的論議を
   国益を正面から論じる有権者になろう

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  □接待外交の次は、オバサン外交?
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 まずは近頃、都にはやる戯れ歌を、ひとつ。
  立てば親中、座れば反米、歩く姿はただのオバサン  読み人知らず

 森総理がホストとなった沖縄サミットは「接待サミット」と評された。ほどな
く、外務省の機密費問題の一端が明るみに出され、どうやら冷戦後のわが国の外
交の少なくない部分が、機密費(税金)を使っての飲み食い、ゴルフなどの「接
待」活動のだった様子が明らかになってきた。その裏で、北方領土問題に端的に
見られるような「利権」構造もはびこってきた。
 国民の中からは、なんとかしてくれ〜という声が上がり始め、そこへ登場した
月光仮面のオジサンが、外交に巣くうゼニ喰い虫や利権ダニを成敗してくれるか
と思ったら、接待外交の次は何とオバサン外交に。
 井戸端会議の延長線の感覚で、あっちでああ言い、こっちでこう言い。それが
外交路線上の問題として追及されると「そんなこと言ってない」と、ある時は
「訂正」、ある時は「開き直り」。まわりが尻拭いに走る。
 さすがにまわりの大人にもかばう人は少なくなり、どうやら月光仮面のオジサ
ン一人になってきた。このままでは、こういうオバサンをかばい続ける月光仮面
のオジサンも、正義の味方じゃなくてただの人気取りじゃないか、という声が上
がってきかねない。
 ミサイル防衛構想についても、李登輝氏のビザ問題にしても、国内に賛否ある
のは当然だ。真紀子さんにも自分の見解はあるだろう。しかしそのことと、外相
として他国の大臣に「自分の考えを言ったまで」というのでは、意味がまったく
違う。もし政府の考えと違うなら、辞表を提出すべき問題だ。閣僚の責務とは最
低、そういうものだろう。
 「そんなことは言ってない」と言いながら、「外交上、くわしいことは申し上
げられません」というのでは、一体「説明責任」(アカウンタビリティー)はど
うなるのか。井戸端会議のおしゃべりにはアカウンタビリティーは必要ないが、
公務(外交だけではない)にはアカウンタビリティーは当然の義務で、それが果
たせないのなら、やはりお辞めになるべきだ。
 ところで、「外交上、くわしいことは申し上げられません」という言い訳は、
機密費問題を明らかにできない外務官僚と同じ発想、論理ではないか。ここに、
「国内にいる時はサラリーマン、海外に出れば特権階級」(真紀子外相の言葉)
という外務官僚と、そのバッシングで憂さをはらすオバサンの相互依存関係が見
えてくる。
 どちらにも徹頭徹尾ないもの。それはパブリックであり、「公益」「国益」と
いう概念である。自分の好き嫌いや私的利害では、説明責任は果たせないのだ。

(ところで、こういうダメサラリーマンとオバサン=井戸端会議や子供との会話
でオヤジの悪口を全面開花させている奥さん連中=の関係って、あなたの回りに
もありませんか? パブリックがないと、こうなります。官房長官のところに
「外務官僚が言うことを聞かない」と使い走りに行った真紀子さんのダンナは、
「どういう立場で来たのか、公私混同もはなはだしい」と一喝されたそうだが、
当たり前ですよね。オバサンとオバサンとの関係でのオジサンには、ここのとこ
ろが分らないんですね)
 「社畜」とバカにする人もいるが、企業人なら最低、自分の利害を越えて従う
べき「組織の論理」を体で知っている。その上で、その「組織の論理」がパブリ
ックで説明できるかどうかが問われて悩む者と、悩まない者とになる。だが、そ
の「組織の論理」をバカにし否定するところからは、一人前の大人の初期条件は
絶対にできない。
 ダメサラリーマンとオバサンの意趣返し=政争の具に外交が扱われる―しかも
今日のような大きな転換期に―ことは、わが国にとっての不幸である。1920-30
年代、第一次大戦後の世界的転換の時に、国内の政争に明け暮れ、大衆の不満を
あおって国策を誤ったことを忘れてはならない。
 「会談内容が漏れることこそ国益に反する、官僚の守秘義務はどうなっている
のだ」という開き直りも聞こえるが、ことはわが国の基本政策にかかわる問題で
ある。ここに重大な逸脱があることを見過ごして、「国家機密」の名のもとに勝
手なことをやられたのではたまったものではない。出先機関が勝手に戦線を拡大
し、ドロ沼にはまっていくのを追認するしかなかったかつての失敗を再び繰り返
すのか。
 男性閣僚ならとっくに更迭、森内閣だったらとてももたない、と言われる失態
が、ワイドショーと女性週刊誌的人気だけに支えられて「女だから許されてい
る」ということになるなら(もうなっていると思うが)、社会的に自立して責任
を果たそうとしている女性にとっても、これほど迷惑な話はない。
 オバサン外交はただちに止めよ! ポピュリズムの危うさは、「支持率をとる
か国益をとるか」などと、とんでもないことを言っているところから生じる。

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  □ミサイル防衛をめぐる国民的論議を
   〜安全保障・国益を正面から論じる有権者になろう
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足軽・熊  アメリカのミサイル防衛構想ってのが、ずいぶんな騒ぎになって
      るみてぇだな。
足軽・八  なんでも、「飛んでくるハエを早めに察知してパチンコ玉を当て
      てたたき落とす」(「民主統一」264号パネルディスカッション
     「日米同盟を再設計する」での櫻田淳氏の例え)ってなもんらしい。

足軽頭   平たく言えばそうだな。ハエ(ミサイル)を察知するセンサー(宇

      宙にある)と、ハエが飛んでくる方向やスピードを計算してパチ
      ンコ玉を当てるコンピューター技術とITとの組み合わせってわ
      けだ。
足軽・熊  なんだか、SF映画みたいな話だな。ほんとにそんなことができ
      るのかい?
足軽・八  それを今研究している最中ってわけさ。日本はアメリカと共同で
      この研究に参加しているんだ。北朝鮮からノドンミサイルが飛ん
      で来たりするんだから、何にもしないってわけにはいかねぇしな。

足軽・熊  でもよ、真紀子さんあたりに言わせると、アメリカに巻き込まれ
      るし、中国を刺激して軍拡になるってことなんじゃねぇのか。
足軽・八  だけど、このミサイル防衛システムができると、核兵器が無意味
      になるって話もあるぜ。
元軍師   まてまて。このミサイル防衛構想というのは、安全保障上の大き
      な転換だ。冷戦時代に核戦略を展開できたのは、米ソのみだ。そ
      の米ソは互いに、相手を攻撃すれば確実に報復攻撃を受け(地球
      を破壊して余りある核戦力を有していた)壊滅するという「相互
      確証破壊戦略」で恐怖の均衡を保っていたわけだ。自分が壊滅す
      ることが分かっていながら相手に第一撃を加えることはしないと
      いう「合理的判断」が暗黙の前提だ。現に米ソは局地的に戦火を
      交えることはあっても、世界戦争への転化は抑止した。それが利
      益だったからだ。
足軽頭   ところが冷戦が終わって、米ソの核よりも核拡散のほうが脅威に
      なった。しかも弾道ミサイル技術も拡散したから、これに核弾頭
      をつければ一国を破壊するほどの力はないが、脅しの道具として
      は十分だ。「貧者の恫喝」と言われた94年の北朝鮮の核開発は、
      そのいい例ってわけですね。
足軽・熊  生物化学兵器も「貧者の原爆」って言うじゃないですか。核弾頭
      じゃなくても、弾道ミサイルにそんなもんが載ってたらたまらん
      ですよ〜。
元軍師   早い話、冷戦時代に弾道ミサイルを保有していたのは2カ国。そ
      れが今では41ヶ国。このなかには、いわゆる「問題国家」も含
      まれておる。ミサイル技術の拡散をコントロールする仕組みはあ
      るが、中国は参加していないのでパキスタンなどへ供与している
      し、北朝鮮などにとっては外貨を稼ぐ「基幹産業」でもある。
足軽・八  こういう新しい脅威に対して、米ロの軍備管理だけでは安定が維
      持できないので、ミサイル防衛ってことなんですか。
足軽頭   それっきゃねえだろう。冷戦時代の核の傘ってのが、どっちの陣
      営の傘に入るのかって話だったとすりゃ、今度はロシアも含めて
      一緒の傘をつくって入ろうじゃねぇかって話なんじゃないんです
      かい?
足軽・熊  日本は丸裸だもんな。ミサイル防衛に参加しないんなら、トマホ
      ークでも配備して報復能力を持って、核武装もするしかねぇよ。
足軽・八  真紀子さんの言ってる「日米安保から自立」ってのは、そういう
      ことに行き着く話じゃねぇのかい? ならいっそのこと北朝鮮か
      らノドンミサイルでも買うか? 主婦の節約感覚からすれば、そ
      のほうが安上がりだってな。
足軽頭   お前、言い過ぎだぞ。目白への「ご注進」に励むものだっている
      んだから、気をつけろ。
足軽・熊  さっきの「傘」の話ですが、ロシアは一緒に入ってもいいと言う
      そぶりも見せているらしいが、中国はどうなんですかい。あっし
      の見るところ、とてもそうは見えねぇが。これまでも、軍備管理
      や軍縮のテーブルにはついてねぇし。
元軍師   ミサイル防衛というのは、究極の専守防衛システムだ。中国が反
      対するとすれば、自分たちの攻撃兵器が意味をなさなくなるから
      じゃ。そのミサイルはどこに向けられているのかのぅ? ピスト
      ルで狙われていたら、せめて防弾チョッキくらいはつけないとな。

      それもダメだと、少なくともピストルを構えてるほうに言われる
      筋合いはないわな。
足軽・八  攻撃ミサイルを持ってても、ほとんど役にたたないって世界がで
      きるかもしれないんですね。
退役参謀  今めざしているミサイル防衛というのは、発射された直後の段階 

      で迎撃するというものじゃ。例えば北朝鮮からミサイルが発射さ
      れた時に、それがアメリカ本土に向けられたものなのか、日本に
      向けられたものなのか分らない段階で、日米が共同して察知し迎
      撃することが必要になる。
足軽頭   集団的自衛権の問題ってわけですね。日本が攻撃されていない、
      アメリカ本土への攻撃であったとしても(その段階では分らない
      のだから)共同で対処するということになる。
元軍師   そうじゃ。自衛権という意味も、自国の領土を侵略者から守ると
      いう「古典的」な意味だけではなく、自国の安全に密接に関連す
      る地域や世界の安定を維持するために、共同で脅威に対処すると 
  
      いうことになっていく。特定の敵国を想定し、それに対して同盟
      を組むという「古典的」な発想から、共通の安定を維持するため
      に不安定要因に対処するという性格になっていくわな。だからこ
      そ、対敵共同の同盟ではなく、自由や民主主義といった価値観を
      共有する同盟への深化が必要になるわけじゃ。
足軽・八  冷戦時代は、世界の安定や地域の秩序維持は、米ソにお任せして
      りゃよかったし、どっちの傘に入るかってことだけ考えりゃよか
      った。しかし今はそうはいかねぇってわけですね。
足軽・熊  ここでも「お任せ民主主義」からの脱却か。
足軽頭   アメリカはこのミサイル防衛構想を、ロシア、中国を含めてあち
      こちに打診している。これまでの単独主義からみれば、大きな変
      化だ。だからこそここにどう参加するか、日本の政治的意思が問
      われるわけだ。ぐずぐずしていたら、おいてけぼりだよ。
足軽・八  そうよ。いつまでも、ワイドショーで真紀子騒動を見てる観客で
      いちゃいけねぇんだって、女房にもちゃんと言わねぇとな。
足軽・熊  有権者の基本勢力が、自由や民主主義の観点から外交や防衛の問
      題で合意できてるってことが、政権交代の基盤整備だって「がん
      ばろう、日本!」の講演会(「民主統一」264号)でも言われて
      いたっけな。

□□参考□□
・ミサイル防衛と日米同盟については、「民主統一」264号掲載のパネルディス
カッション「日米同盟を再設計する」を参照(パネラー/小川彰、長島昭久、櫻
駄淳の各氏)
・北東アジア地域の新秩序形成についての視点は、「民主統一」265号掲載の李
鍾元・立教大学教授の講演を参照。
・ミサイル防衛については、岡崎研究所のサイトがおすすめ。
http://www.glocomnet.or.jp/okazaki-inst/


□◆□◆お 知 ら せ◆□◆□
《6月講演会》
「参院選をかく戦う」
6月12日(火) 午後6時30分より
カンダパンセ(「水道橋」西口より徒歩5分)
達増拓也・衆院議員(自由党)/原口一博・衆院議員(民主党)
※改革派若手議員に、参院選とその後について展望と抱負を語ってもらいます。

 立候補予定者も参加予定。
 
《「囲む会」など》
牽牛倶楽部  6月 9日 13:30〜 民主統一同盟東京事務所
「民主統一」読者会 6月10日14:30〜 民主統一同盟東京事務所
囲む会(千葉)6月17日 16:00〜 千葉パルルプラザ
※オブザーバー参加、歓迎します。


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