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▼index

□断末魔の権力亡者たちが仁義なき抗争を始めた
□アンチ政党で政治は変わるか? 政党を否定して、政権交代は可能か?(千葉
県知事選によせて)

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□■断末魔の権力亡者たちが仁義なき戦いを始めた■□

 自民党を「蜘蛛の巣だらけの古寺」、民主党を「まだ柱も立たず、基礎すらも
ガタガタの工事現場」に例えたのは、中西輝政教授であった(文藝春秋2000年3
月号)。
 さていよいよ、この「蜘蛛の巣だらけの古寺」で、断末魔の権力亡者たちの、
仁義なき抗争が始まるらしい。何のことかって? 言わずとしれた、自民党総裁
選のことですよ。
 後だしジャンケンの世界のことゆえ否定し続けてきた小泉さんも、じつはやる
気ムンムンのご様子。対する野中さんも、300パーセントありえないと「宣言」
するところが、これまたアヤシイ。回りから推されてやむなく、という形をとり
たいのだろうが、この人は自分が総理総裁になんかならなくたって、この間十分
に、総理大臣の首を意のままにすげ替えてきた人だ。少し前までどこかの国に
も、法的制度的な根拠なしの「最高実力者」という人がいたっけ。
 というわけで、どうやら総裁選は、小泉・野中の激突の様相を帯びてきた。こ
れまでの派閥力学はすでにない。宏池会の分裂で、五家宝と言われた戦後の自民
党派閥の構図もついに崩れた。竹下なきあとを仕切るだけの人物もいない。無秩
序、無統治状態での権力抗争では、大勲位の裁定も難しいだろう。切り札として
の「加藤カード」は、すでに自滅している。
 加藤の乱がなければ、今ごろは「蜘蛛の巣だらけの古寺」でも、障子の張り替
えくらいにはなったかもしれないのに。国民の目くらましのためのカードを、
早々と失ってしまった。(再び不信任案採決を欠席した加藤氏に、改革の行動の
意志がおありなら、廃墟の古寺での役割の追求、ということはもうおやめになっ
て、まだ基礎も固まっていない国民主権の工事現場で、なにか役割を果たされる
ほうがよろしいのではないか)。
 よってこの権力抗争、そう簡単に手打ちとはならないだろう。総裁選までも相
当もめるだろうが(時期、投票方法など)、それで終わらず参院選まで尾をひく
可能性が高い。参院選の結果によっては、再び抗争が激化する可能性もある。
 この抗争は、森降ろしの過程でもみられた、徹頭徹尾の「身内の都合」「密室
の駆け引き」のオンパレードになるだろう。「国家国民のため」というまくら言
葉は、ますます空々しいものになる(最近はこれも言わなくなった)。外交の停
滞、経済の難しい舵取り、国民生活の不安等々いっさいお構いなしの、権力亡者
ぶりがさらに全面に出る。
 そうなればなるほど、国民には「蜘蛛の巣だらけの古寺」での断末魔の抗争が
はっきりみえてくる。しかも、なんだ土台が朽ち果てた廃寺じゃないかと。去年
の総選挙のときはまだ「変えなきゃいけないとは思うけど、ちょっと」と思って
自民党に投票したが、これじゃあなぁ。例え、「まだ柱も立たず、基礎すらもガ
タガタの工事現場」だとしても、今度ばかりは、死んでる者(成仏しきれない権
力亡者)よりは生きてる可能性のあるほうに投票しよう。こういう雰囲気が、
「論座」4月号、蒲島教授の世論調査にも出始めている。
 小泉さんが「郵政民営化」を掲げたままで総裁になれば、参院選は構造改革の
具体的踏み込みをめぐる政策競争への糸口になる。有権者は「われわれはここま
での改革を言い切る。どうする鳩・菅、小沢はどうだ。小泉にそこまでできる
か?」と問うていこう。「郵政民営化」を掲げて参院選に敗北し、その責任を問
われて抗争が再燃したら、改革派の主導による「改革連立政権」へ向けた本格的
な動きを始めよう。
 野中さんが総裁になるなら、その時はいよいよ自民党は公明党なしにやってい
けない党になることを意味する。これで参院選に惨敗した時は、自民党が潰れる
時だ。自公新党もいいじゃないか。そこに行けない人もでるだろうが、改革派か
ら浮き輪を投げるとしても、ハードルはいっさい低めるな。
 土台から腐った古寺は潰すしかないが、基礎がガタガタの工事現場は、異物を
取り除き、新しいセメントを打てばよい。柱はまだ立っていないのだから、これ
から有権者が立てればよい。改革派の他の建設業者も呼びこめばよい。そのため
にこそ、政策競争を! 改革への踏み込み、手順などを明確に問おう!リーダー
シップはこのなかからのみ育まれる。「(優れた)誰か」を選んでお任せすれ
ば、リーダーシップが確立されるのではない。

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□■アンチ政党で政治は変わるか?
  政党を否定して、政権交代は可能か?■□

 25日投票の千葉県知事選は、首都圏のしかも「自民王国」といわれてきたとこ
ろでの、参院選の前哨戦として注目を集めている。
 政党を否定して、政治を変えることができるのか? 千葉県知事選で有権者に
問われているのは、こういうことではないか。
 「既存政党はどうしようもない」「与党も野党もうさんくさい」と言うのは結
構だ。そのとおりである。だがその先は?
 長野では、地場で根を張っている人たちが担いだから、田中氏が勝った。初め
から「無党派」対政党の構図があったわけではない。そして「強力なリーダー」
は選んだが、有権者は彼に一体なにを託したのか? 旧いしがらみを壊すことは
合意できたとしても、それ以上の合意形成をはかっていないから(はかれないか
ら)、つぎつぎと離反が起こっている。ダムをどうするか、などきちんと政策競
争をすべき(利害が異なり、多様な意見がある以上、政策競争は当たり前)問題
を、アウトサイダーの「強力なリーダーシップ」に委ねたツケだと言ったら、言
い過ぎだろうか。
 さまざまに利害関係者が政策を競う=問題解決能力を競うことを、カネや利
権、しがらみで阻んでいたからこそ、旧体制の弊害があったのではないのか? 
それを別のトップダウンに代えることが、問題解決になるのか?
 このように考えるなら、合意形成のための政策競争の主体のひとつとしての政
党(それがすべての主体でないのは言うまでもないが)を否定することで、いっ
たい政治を変えられるのか、ということになる。
 既存の政党が、そうした機能を果たしていないのは事実だが、それを変革する
努力をせずに(これも重要な政治参加ではないのか)、むしろそれを放棄して
「政党はいらない」というところから、政治は変えられない。
 政治を変えたい、という思いは充満している。それを「アンチ政党」として表
現して、あなたは満足するのか。こう問いかけてみる時ではないか。政党を否定
して、政権交代はのぞめるのか、と。
 政権交代は、既存の政党の組み合わせのあれこれを論じることではない。自分
たちの政策競争や政策論議の成熟のなかからしか、ホンモノの政権交代可能な政
党は生まれない(天から降ってくるわけでもなければ、「有能なリーダー」によ
ってもたらされるものでもない)という民主主義の基本を、この十年ほどでいか
ほどか、われわれも学んだということではないのか。
 十全な満足のいく政党や候補がいないからこそ、少なくともアンチやマイナス
の要素はないという「ゼロ」の、今後のプラスへの可能性を育てることが、有権
者としての政治参加ではないだろうか。
 そろそろ首長選挙(一人を選ぶ選挙)では、「アンチ政党」として「変えた
い」を表現して満足するということを、有権者は卒業しよう。
 

□◆□◆ 4月講演会のお知らせ ◆□◆□
「21世紀 北東アジアを展望する」
李鍾元・立教大学教授
4月16日(月) 午後6時30分より
総評会館201室(JR「お茶の水」、地下鉄「新お茶の水」)
参加費 会員・1000円/一般2000円

《講師プロフィール》1953年韓国生まれ。88年東大大学院(法学博士)。96年よ
り現職。98年より昨年まで米国プリンストン大学客員研究員。『東アジア冷戦と
韓米日関係』で大平正芳記念賞、米国歴史家協議会外国語著作賞を受賞。


 

 
 

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民主統一同盟 石津美知子
Email:ishizu@ganbarou-nippon.ne.jp
TEL:03-5215-1330
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